MARKETING LEADERS MEETING:
マーケティングリーダーたちから学ぶ、マーケティングDXの今とこれから

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広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」を提供する株式会社イルグルムはこの度、2022年3月15日(火)〜16日(水)の2日間にわたってオンラインイベント「MARKETING LEADERS MEETING~トップリーダーから学ぶ、マーケティングDX革命のススメ~」を開催しました。

経営戦略から顧客満足度の向上まで、活用次第で企業成長のカギとなるデータは、デジタルマーケティングにおける資産と言っても過言ではありません。

本イベントでは、マーケティングDX・データ統合戦略の策定から、DX実現後の成果最大化までをどのように社内で推進していくべきかといったテーマをマーケティングリーダーたちが語り尽くしました。それでは、各セッションをレポートしていきたいと思います。

MARKETING LEADERS MEETINGはアーカイブ動画の視聴も可能です。
以下よりお申し込みくださいませ。

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データと感性の両方を併せ持つマーケティング戦略の重要性

パネリスト:株式会社丸亀製麺 南雲 克明 氏

丸亀製麺CMOが明かす、勝率を高めるデータ活用術とは?“データドリブン”ד感性”マーケティング戦略の裏側

丸亀製麺CMOが明かす、勝率を高めるデータ活用術とは?“データドリブン”ד感性”マーケティング戦略の裏側~株式会社丸亀製麺 南雲 克明 氏

本セッションは丸亀製麺のグローバル目標に触れる形で幕を開けました。CMOの南雲氏は、「お客様に選ばれる確率を高めよう」という会話が社内で多く出ていると述べ、マーケティング戦略について解説を始めました。

南雲氏:マーケティングの役割は2つあります。1つ目はお客様の頭の中にブランドの強みを訴求すること。テレビCMやSNSなどでコミュニケーションの質と量を意識し、ブランドの強みを訴求します。2つ目は顧客体験を向上させること。ここを店舗や営業部が中心になり実行します。

データだけでは見誤ることがあると話す南雲氏。この見誤りを防ぐために、大事にするべきものは”感性”であり、丸亀製麺では「DX for CX」をキーワードに掲げ、感性とデータの両方を併せ持ってマーケティングを進めていると語りました。

セッションの後半には、勝率を高める戦略を描くために必要な「予測力」「シナリオ構築力」「可視化力・機動力」の解説や実際にどのようなデータをどの頻度で効果測定しているかといった紹介があり、セッションは幕を閉じました。

勝率を高めるデータドリブンマーケティング

南雲氏:ポストコロナの時代に、企業の優劣を決めるのはマーケティングの優劣にあると考えています。丸亀製麺では今後もデータの精度を高め、データと仮説を可視化していくことで、さらに勝率を高めるマーケティング戦略の実現を目指します。

VUCA時代に成果を上げるには?マーケティング組織が意識すべきこと

パネリスト:株式会社イルグルム 吉本 啓顕

広告投資判断の確度を高めるには?先行き不透明な時代に見直すべきデータマネジメント

広告投資判断の確度を高めるには?先行き不透明な時代に見直すべきデータマネジメント

本セッションはイルグルムCSOの吉本から、「VUCA(ブーカ)時代」についての解説から始まりました。吉本は、今の企業や企業戦略の在り方として求められているのは、ビジネス環境の変化をいかに早く認識、察知できるかという能力だと言います。

世はVUCA時代

そこで「ダイナミック・ケイパビリティ」という考え方について解説がありました。これは「脅威・機会を感知する能力」と「脅威・機会を捕捉する能力」、そして「組織を変容する能力」の3つから成り立つと吉本は語ります。

吉本:起点となる1つ目の「脅威・機会を感知する能力」は、「PDCA」に変わる「OODA」というフレームワークを活用すると効果的です。「OODA」は観察から始まり、次に方向付けが出てきます。つまり、最初に立てたプランに改善を加えるPDCAではなく、状況の変化に対応して、即座に行動に転換することを目的としているのです。
※OODA:Observe (観察)、Orient (状況判断、方向づけ)、 Decide(意思決定)、Act (行動)の頭文字

続いて吉本は企業が状況の変化を把握する際の問題点を、データ収集とコミュニケーションに時間がかかることと述べ、これらの問題点に対してアドエビスが目指している価値発揮について語り、このセッションは幕を閉じました。

吉本:複数のデータの結合、意思疎通を完全にアドエビスが代替する世界観を目指しています。アドエビスの管理画面を開けば、現状を即座に把握できることでスピーディーに対応策を展開でき、結果として費用対効果を高められる。そんな世界観実現に向けたアドエビスの大型アップデートを2022年4月末に予定しています。

2022年4月末にリリース予定
アドエビスはついに「自動化」へ!

アドエビスの大型アップデート詳細はこちら

DX推進は目的に沿ったデータの可視化がポイント

パネリスト:株式会社TSI 竹山 健司 氏、菊地 美和 氏、株式会社パソナテック 藤川 友紀 氏
モデレーター:株式会社イルグルム 吉本 啓顕

マーケティングDX実現に立ちはだかる、社内の壁をどう乗り越えるか

マーケティングDX実現に立ちはだかる、社内の壁をどう乗り越えるか

本セッションは、各社にて実施したデータ統合について具体的にお聞きするところから幕を開けました。TSIの竹山氏はGoogle Cloud BigQueryやTreasure Dataを活用していると話し、パソナテックの藤川氏は広告施策への活用事例を解説していきました。

藤川氏:アドエビスとMarketoのデータを連携し、ユーザー行動を可視化したことで、今までCVRが高いと思っていた施策が実際には就業率が低かったことや、その逆の事例などを把握でき、効率的な広告戦略立案や正確な広告評価を行ううえで活用しています。

続いてセッションは、どのようにデータの可視化、整備を進めたのかという議題へ移りました。TSIの竹山氏は、まず社内にどのようなデータがあるのかを把握した上で、何を共通のキーにするべきかという目星をつけたと話します。

データ連携関連図

一方、パソナテックの藤川氏は、自身がマーケティングプロセスの全貌を把握するために、細かいカスタマージャーニーマップを作成。マップ上のタッチポイント別にデータを蓄積し、データベースの一元化を実現したと言います。

ここでDX推進の際に注意しておくべきポイントを竹山氏がこのように述べました。

竹山氏:目的に沿った可視化を意識することが大事です。活用できそうな項目を可能な限り事前に連携していく。複数サイトある中で、まずは1つのサイトでトライアルを実装すると良いです。

ここで気になるのは、DX推進にいかに社内を巻き込むのか。TSIの菊地氏は、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を活用したデータ作成方法について詳細なマニュアルを用意し、メンバーの理解促進に努めたと語ります。また、こういった取り組みを行うことでどれほど現状の改善につながるのかをデータで示すなど、積極的に成果を共有することを意識し、メンバーのモチベーションアップを図ったと言います。

最後にパネリストの皆様に今後の取り組みをお聞きし、このセッションは幕を閉じました。

継続的な取り組みがデータ精度を高めていく

パネリスト:アサヒ飲料株式会社 青山 茂樹 氏、株式会社サイバーエージェント 杉元 勇人 氏

アサヒ飲料×サイバーエージェントが挑む、売上への貢献度を紐解くデータ分析

アサヒ飲料×サイバーエージェントが挑む、売上への貢献度を紐解くデータ分析

本セッションの冒頭で青山氏から、アサヒ飲料がデータで解決したかったことは予算のアロケーションであると語られました。

それに対して杉元氏からは、サイバーエージェントがアサヒ飲料のデータを分析して制作した「各施策における期間別の売上の貢献度」とその詳細について解説がありました。

杉元氏:アサヒ飲料様のブランド力と天候などの外部要因を踏まえ、その時に実施した施策が売上にどの程度寄与したかの内訳を出させていただきました。これで売上に対して寄与した指標を相関分析でデータ化し、売上増減の原因を明確に把握できるようになりました。

データ分析結果を活かした成功事例

1つのテーブルで広告や販促、天候、購入意向などを評価できるようになったことに驚きがあったと話す青山氏。しかし一方で、そのデータの妥当性や精度に最初は疑問があったとも話します。

杉元氏はその疑問に対し、新しい概念を持ち込んだ分析は、繰り返し実施していくことで精度を高め、過去データとの比較から次の施策に落とし込んでいく取り組みの必要性を語りました。

最後には、それぞれの経験から感じたデータ分析に取り組む際のポイントについてお話がありました。

青山氏:データ分析をマーケティング部の中に閉じることなく、全体戦略などの判断に活用できるように、経営層にも理解を深めていただく必要があります。そのためにも社内に対して継続的にインプットを行い、今後どのようにデータの精度を高めていくのかということも具体的に説明していくことが大事だと考えています。

杉元氏からも「これはあくまでも通過点であり、重要なのは継続である」との言葉があり、このセッションは幕を閉じました。

組織全体の目線合わせがデータが持つ役割

パネリスト:株式会社Sparty 西田 将之 氏、株式会社ビタブリッドジャパン 西守 穣 氏
モデレーター:株式会社イルグルム 笹井 俊宏

注目のD2Cブランド2社が語る、データに基づく意思決定を加速させる環境づくりとは

注目のD2Cブランド2社が語る、データに基づく意思決定を加速させる環境づくりとは

本セッションはそれぞれのマーケティングデータの分析環境についてお聞きするところから幕を開けました。

西田氏:私たちは点在しているデータソースを1度Google Cloud BigQueryに集約し、最終的にTableau(タブロー)に移して分析しています。SLS(Sparty Loyalty Score)という独自の顧客満足度とLTVの2軸から数字を見るように心がけています。

SLS(Sparty Loyalty Score)という独自の顧客満足度とLTVの2軸から数字を見る

西守氏:私たちはPower BIというMicrosoftのBIツールを使っています。社員の中でデータを見ていない人はほぼいません。組織全体でBIダッシュボードを見ながら目標を追いかけ、数字の変化を把握する習慣ができています。

Spartyの西田氏は、データを出力する側と見る側で乖離があると述べ、上手くいかない原因は「事業への視点がないこと」だと語りました。双方がデータを取り出す目的やその後の活用シーンのイメージをしっかり連携することが大事であると言います。

そしてビタブリッドジャパンの西守氏は、ただデータ抽出依頼に対応するのではなく、データの抽出方法そのものを教えることで、結果的にメンバーのデータ活用スキル向上につながったと振り返りました。

セッションの最後に、今後チャレンジしたいデータ分析についてお聞きしました。

西田氏:データ活用やデータ分析の次のアクションは、未来予測だと思っています。機械学習を活用して解約予測などに挑戦してみたいと考えています。

西守氏:挑戦してみたいのはお客様のアクションを記録し、意味を考え、仮説を立てて検証する仕組みである「エンゲージメントスコア」です。興味を示すスコアや解約に関するスコアなど、一律ではないスコアを見ていきたいと考えています。

データ統合成功のポイントは、ゴールを見据えた優先度付け

パネリスト:株式会社レオパレス21 大谷 和郎 氏、株式会社オプト 岩本 智裕 氏、信澤 宏明 氏

レオパレス21×オプトが目指す、オン・オフデータの統合マーケティングによる顧客体験の最適化

レオパレス21×オプトが目指す、オン・オフデータの統合マーケティングによる顧客体験の最適化

冒頭に大谷氏からレオパレス21の課題は、オフライン活動を数値化することであったと話がありました。この課題に対してオプトの信澤氏は、断絶されているWeb流入からの申込みと、来店後の成約という箇所をつなげるデータ整備を行ったと話します。

信澤氏:どのチャネルから流入しているのかをアドエビスで計測し、成約する人の属性やメディアチャネルを可視化しました。

そして今回の取り組みで得た発見について、大谷氏はこのように語りました。

大谷氏:CPCとCPAは良いが、CPOがすごく悪い媒体などを把握できるようになったのが1つの発見です。そのおかげで、成約率が高い媒体や地域に配慮した広告費の再配分が可能になりました。

都市部 市区町村別の傾向

オプトの岩本氏は、多くのマーケティングデータのなかで、事業へのインパクトという視点から優先度を付け、オンラインと突合するための紐付けとなるキーを事前に定義・設計できたことが、レオパレス21のデータ統合成功のポイントだったのではと振り返りました。

最後に大谷氏から、データ統合やデータをマーケティング活動に反映するうえで重要なことをご紹介いただき、このセッションは幕を閉じました。

大谷氏:データ統合や活用は長い道のりになるので、着地点を決め、そこまでのステップをどう進めていくかで結果は変わってくると思います。工数もかかるぶん、しっかりと費用対効果を考えた上で優先順位を付けていくことが重要です。


「MARKETING LEADERS MEETING」のイベントレポートはここまでになります。
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