メディア掲載効果1億円のカンファレンス。
キャリーミーの“ぶれない一貫した考え”とは?

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「ビジネス界にもプロ契約を」を合言葉に、企業と「プロ人材」と呼ばれるハイスキル人材とのマッチングサービスを展開する「CARRY ME(以下、キャリーミー)」。近年、プロサッカー選手の本田 圭佑氏からの出資が話題になったことで、記憶に新しい方もいるでしょう。

さらに最近では、「プロ人材」の働き方を推進するカンファレンス(大型イベント)も開催。テレビや新聞など、数多くのメディアに掲載されたことで合計1億円以上の掲載効果を生みました。

今回はカンファレンスを開催するに至った経緯や背景を、「キャリーミー」を運営する株式会社Piece to PeaceのCMO 毛利 優子さんにお聞きしました。その舞台裏では、ある一貫した考えが素晴らしい企画を下支えしていたようです。

カンファレンスのメディア掲載効果は1億円以上

「キャリーミー」は “ビジネス界にもプロ契約を”というコンセプトのもと、個人が成果にコミットして業務委託契約で働く「プロ契約」の導入・活用を支援するサービスです。

私たちがカンファレンスを開催したのは2021年1月のこと。カンファレンスの構想以前は大きな広告を出さずに成長してきたのですが、創業4年がたったタイミングでアクセルを踏む決断をしました。

当時は本田圭佑さんからの出資が決まったタイミングで、「ビジネス界にもプロ契約を」という新しいコピーも決まっていました。業務委託市場が広がる中で、クラウドソーシング・顧問・フリーランス紹介などのサービスと差別化するためです。

キャリーミーが提供する「プロ契約」は、副業や顧問などとは違い、プロ人材が平日の日中に実務まで担当して稼働をするのが特徴です。プロ人材とは、週に1~4回業務委託で稼働し、クライアントの売り上げを伸ばす、社員を育成し組織を強化するなどの成果を出すべく活動する方々のことで、コミットメントの範囲の広さや深さが魅力です。しかし、この新しい概念となる「プロ契約」という考え方を伝えるのは簡単なことではありません。

私たちは企業に「採用の選択肢として新しい“プロ契約”というものがある」と知ってもらいたかっただけですが、この考えをどのように広めていけばよいのかがわからなかったのです。

そこで毛利さんは自らプロ人材に相談します。実は「キャリーミー」の成長を支えてきたのもプロ人材。プロ契約を活用することで、事業立ち上げから最小限の正社員とプロ人材のみで事業を成長させてきた実績があります。

私はこの課題を、電通出身で広告賞をいくつも受賞しているPRのプロ人材に相談しました。最初は新聞広告やテレビCMを提案されたのですが、そこまでの予算がありません。

他に何か案はないかと相談していく中で、新たな働き方を推進するカンファレンスを開催するのはどうかとご提案いただいたのです。

「採用の選択肢として新しい“プロ契約”というものがある」と知ってもらうためのカンファレンスを開催

世の中にインパクトを与えるようなカンファレンスを企画すれば、多くのメディアが取り上げてくれるはず。毛利さんはPRのプロ人材からの提案を信じて一緒に企画を練り上げていき、素晴らしい成果を生み出します。

成果は大きく3つありました。何より大きかったのはメディア掲載効果ですね。news every.(日本テレビ)、ABEMA Prime(テレビ朝日)、日本経済新聞など、数多くのメディアに取り上げていただきました。これらのメディア効果を金額換算してもらったところ、合計1億円以上という結果になりました。

さらにカンファレンスの賛同企業の中から、実際にプロ人材の成約に至ったケースも多くありました。ご協賛いただいた企業は53社でしたが、合計89個の求人案件を出していただき、そのうち17社が成約に至りました。登録者数も大きく伸び、カンファレンス前後の2週間を比較すると330%アップ、1ヶ月で550名以上の登録者増といった結果につながったのです。

※紙面・TVCMの出稿料から金額を計算。

メディア掲載を目指すための“ぶれない一貫した考え”とは?

新聞広告やテレビCMを断念したものの、結果的に1億円以上ものメディア掲載効果をあげたキャリーミー。その舞台裏には多くの試行錯誤と、ぶれない一貫した考えがありました。

カンファレンスを通じて一番やりたかったことは、私たちが掲げる「プロ契約」について伝え、ムーブメントが起きていると知ってもらうことでした。

そのためには、メディアに対して「いま、社会でこういった動きがある」といったことを伝えて掲載してもらわなくてはなりません。そのためメディアが取り上げやすいようにと、様々な試行錯誤がありました。

毛利 優子 様
株式会社Piece to Peace 毛利 優子 様

たとえば法人向けの視点では、協賛企業が50社以上いること。さらに、パーソル様、パルコ様など、知名度の高い大手企業も協賛していただくことで、メディアが取り上げやすい状態をつくりました。

そのうえ協賛企業には、「プロ契約」を具現化するために月額30万円以上の求人案件を実際に出していただきました。「プロ契約」と言っているのに、これが5万円や10万円だとクラウドソーシングのサービスやその他業務委託サービスとの差別化ができないなど、PRのプロ人材から何度もアドバイスをもらいながら調整しました。

さらに企業だけではなく個人の方の視点も必要です。社会人4年目から18年目の会社員の方、総勢500名に意識調査を行い、アンケート結果をグラフ化しました。

企業所属のビジネスパーソン500名に聞いた、副業/複業や独立に関する意識調査

メディアに伝えたいのは、個人の皆様が「プロ契約」のような新しい働き方に確かに興味をもっていることや、社会に新たなムーブメントが起きていること。これらを数字で裏付けることで、メディアの方が取り上げやすいようにしました。

このようにカンファレンスの企画の根底には、一貫して「どうやったらメディアが取り上げてくれるか」といった考えがありました。そして、この考えはPRのプロ人材との会話を通じて、だんだんと毛利さんの中で具体化されていきます。

カンファレンス企画に至った経緯は、企業に対する「プロ契約」の認知拡大でした。しかし、企業視点のみのメッセージではメディアに取り上げてもらうことは難しくなります。この点は本当に何度もPRのプロ人材にアドバイスをもらいました。その過程で、すこしずつキャリーミーが発信するメッセージを整えていったのです。たとえばカンファレンスのために特設ページを用意したのですが、最初に目に入るのは「会社なんかに埋もれるな。」というコピーです。能力やスキルを最大限生かして働くという視点から生まれましたが、企業目線ではマイナスにも響く可能性もあったので、このコピーを採用するかどうか、すごく悩みました。

キャッチフレーズ「会社なんかに埋もれるな。」
http://carryme.jp/prokeiyaku-japan/

しかし、「プロ人材が採用できます」と企業視点で書いてしまうと、ビジネス系のニュースであれば取り上げてもらえるかもしれませんが、広く届けることを考えると、一般的な生活者・個人の視点に立つ必要があります。そういった背景もあって、最終的に「会社なんかに埋もれるな。」を採用しました。

メディアを通じて世の中の人に広く知ってもらうためには、メディアの気持ちを理解しないとなりません。個人の気持ちやインサイトに寄り添うメディアのために、企業視点ではない文脈やメッセージにこだわる必要があったのです。

「キャリーミーに出会ったら人生が変わった」そんな人を増やしたい。

毛利さんは2015年にキャリーミーに創業メンバーとして参画。それ以来、最初の2年間を正社員0人で自らプロ契約を活用して事業成長に貢献してきました。

そんな毛利さんはサービスが当初に比べて何倍も大きくなったいまのタイミングで、どのような展望を描いているのでしょうか。

私たち自身、キャリーミーを成長させるために多くのプロ人材の力を借りてここまできました。私も採用する側の人間として、「こんな人が入ってくれるんだ」という驚きとともに、プロ契約の使い道の広さというものも実感しています。

実際にキャリーミーとお取引している企業でもCMOのようなマネジメント層の採用から、新規事業立ち上げや人の育成までと、幅広い用途でプロ契約を活用していて、ありがたいことに多くの喜びの声もいただいています。

私個人としては、大学生のときに長男を出産してから今では子どもが4人いて、働き方について様々な苦労をしてきた経緯があります。自分と同じようにキャリアの継続がむずかしい方にも機会をつくりたいという想いがあるので、「キャリーミーに出会ったら人生が変わった」と思ってくださる方をすこしでも増やしていきたいです。

本稿では毛利様のご経験を中心にカンファレンス成功の舞台裏をご紹介しました。
こちらでは掲載しきれなかった部分に関して、今回特別にこのカンファレンス成功に関するPiece to Peace様のセミナー資料をプレゼントしていただきました!

成功までの経緯をより詳しく理解していただけるかと思いますので、ぜひダウンロードしてみてください。

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