2020年8月21日に開催された「Digital Marketing Discovery」は「リードを増やすことに繋がる新たなサービスの ”発見” や、利用中のサービスを今まで以上に活用するための “気付き” を得られる」をテーマとして、様々な分野を代表する企業にBtoBマーケティングの成功事例を紹介いただきました。
それでは全5社の登壇内容をレポートしていきます。
コンテンツSEO×SNSでの集客ポイントとは
Keywordmapを代表とした事業等を展開する株式会社CINCの渡邊氏からは「”限られたリソース”でWEB集客を成功させる方法」として、オウンドメディアとSNS(Twitter)を組み合わせた集客の成功事例をご紹介いただきました。
「昨今、企業や顧客の変化だけでなくコロナウイルスの影響もあり、タッチポイントやユーザーの体験の最適化が必要になっています。さらに継続的なマーケティングコミュニケーションも必要になり、マーケティングの難易度が上がっていると考えています。」としてプル型・プッシュ型のオウンドメディア×SNS(Twitter)の施策運用が重要だと説きました。
その上で、BtoB企業を例にオウンドメディアの課題として以下の3点を挙げました。
- キーワード調査をするためのデータ収集
- コンテンツの品質担保
- 継続的なPDCAサイクルの実現
これらを同社が提供するKeywordmapで解決し、1年間でUU5.5倍、問い合わせ3.3倍という結果を出すことができました。
また、Twitterの活用におけるポイントとして「5つのポイント」をご紹介いただきました。
- ベンチマークアカウントの選定
- ターゲットアカウントへのリーチ強化
- 有効な投稿時間の特定
- 効果の高いコンテンツの運用
- PDCAサイクルの構築(※投稿数、imp、eng、eng率)
こちらも同様にKeywordmapで可視化し正しい対策をすることで、1ヶ月で150万インプレッションを獲得する効果を出すことができたそうです。
これらを継続してチェックし、再現性を高めて運用していくことがSEOコンテンツ×SNSでWEB集客をする重要なポイントであり、Keywordmapで高いレベルで実現できることが理解できました。
直感的なサイト制作とマーケティング戦略のサポート
BtoBマーケティングに必要な機能を揃えたオールインワン型BtoBマーケティングツールferret One(フェレットワン)を提供する株式会社ベーシックの河村氏からは「今すぐWebからのリード獲得を増やすその方法」をテーマにご登壇いただきました。
普段、有料講座でないとお見せいただけない「BtoBマーケティング戦略マップ」や「BtoBサイトの構成に必要な13個のページ」といった資料を元に、成功ノウハウとにツールを提供する同社の強みを語っていただきました。
「ferret Oneというツールを使えば、弊社の成功ノウハウでサイトの制作・更新が簡単にできる上に、その後のマーケティング戦略へのサポートも可能となります。」
その上でferret Oneを活用した事例として、今までサイト制作を制作会社に頼っていて時間・費用がかかっていたり、マーケティング戦略の可視化に悩んでいた企業の実績を紹介しています。
「お問い合わせは導入前200件だったのが、4倍の800件まで増えました。また、獲得コストも約1/3に減りました。そして、改善のリードタイムが劇的に短くなりました。今まで外注先にお願いして3営業日かかっていたものが0.5営業日、1/6に減少しました。これはすごく大きな変化です。」
サイト制作の工数の大幅削減と、ノウハウの実行による問い合わせ増加/CPA削減のインパクトが非常に大きい事例でした。
また、ferret Oneの主な機能として下記を挙げました。
KARTEによる顧客理解とデータを活かした戦略
続いてCX(顧客体験)プラットフォームを提供する株式会社プレイドの金子氏からは「BtoBにおける顧客理解」と「顧客理解を活かしたタッチポイント戦略」をKARTEで実現できることとしてご紹介いただきました。
「KARTE全体としてご提供できる価値は大きく2つあります。まずはデータを元にお客様を知るところ。そして、収集・分析したデータからお客様に合わせたアクションを行うところです。」
企業単位ではなく人単位で持っている「評価軸や課題」にフォーカスすることと、情報を欲している「タイミング」という2軸の掛け合わせこそが、BtoBにおける顧客理解だとして、「どんなタイミングのどんな人が注力すべき相手なのか」を仮説や分析で導き出す必要性を説きました。
「コンバージョンした人だけでなく、しなかった人であるとか、ファネルのどこかで離脱してしまった人の動きも追うことができるので、離脱を防ぐ視点で、死角が少ない分析・仮説立案がKARTEでは可能です。」
その上でKARTEで実現できる機能を、マーケティング/ナーチャリング/セールス/カスタマーサクセスの視点でご紹介いただきました。
時代の変化に合わせたコミュニケーションを実現する
世界的に利用ユーザーが多いマーケティングオートメーションツール(以下、MA)である”Marketo Engage”を提供するAdobeの山下氏からは「攻め(顧客獲得)」と「守り(解約防止)」両視点でのMAの活用事例をご紹介いただきました。
冒頭で昨今のマーケティングの変化について触れた山下氏は以下のように述べました。
「昔は製品情報を訴えていたらみんなが買ってくれた時代でしたが、現在はお客様一人ひとりを理解した上で、その人の状況・課題に合わせてメッセージを発信しないと選んでいただけない時代になりました。」
このOne to Oneマーケティングを実現するMAとしてツールを紹介し、商材や顧客ステータスに応じて4つの象限に分割し、自社のものと合わせて事例を挙げました。
特に短期検討商材/解約防止の事例ではDM郵送の指示のためにMAのデータが使われているとして、リアル施策との連携の強さも感じました。
「Marketoは多様なサービスと連携することができます。メールを送るのはもちろんですが、郵送のDMを発送する指示もMarketoからできます。その後、DMが届いたタイミングで、コールセンターに架電依頼をMarketoから行うことも可能です。」
最後に、直近リリースされた短期検討商材向けMAである「Adobe Campaign Standard」をご紹介いただき、セッション終了となりました。
マーケティングからセールスのデータを一気通貫で評価
最後のセッションは株式会社イルグルムの笹井から「データ統合による工数とCPA削減」をテーマに自社事例を紹介しました。
「皆さま、こんな場面に遭遇したことはありませんか。一つでも当てはまれば今回のセッションはきっと役に立ちます。」と以下のようにマーケターの悩みを挙げました。
- リードは獲得できているが、アポや売上が伸びない
- それに伴い、インサイドセールスや営業との溝を感じる
- 色々な施策を行うが肝心のROIが分からない
- 社内報告のためにデータ集計やレポート作成に時間がかかる
実はイルグルムでも上記の悩みを抱えており、マーケティングデータとセールスのデータが分断されている状態でした。
それをAD EBiSと機能の一つである「AD EBiSコネクタ」を使ってどのように解決したかをテーマに沿って説明しました。
「状況を打破するために、3つのステップを踏みました。1つ目が、マーケティングデータをAD EBiSを使って人軸で一元管理をすること。2つ目はセールスフォースとのデータを紐付けをしました。最後にこれらを定点観測できるようにダッシュボード化しました。」
その結果、冒頭で述べた自社における悩み・課題感を下記のように解決することができました。
「アポや成約まで紐付けた分析が、売り上げを伸ばしていくPDCAのすごく大事なポイントになってきます。」として入口から出口までのデータを紐付けて一元管理することの重要性を述べて終了しました。
最後に
今回は全5社が登壇し、各社が提供しているツールやサービスを活用した事例をお伝えいただきました。
セミナー終了後のアンケートでは、参加者の95%に「とても参考になった」「参考になった」とご回答いただき、非常に満足度の高いセッションとなりました。
各社15分という短い時間でしたが、初開催にも関わらず多くの方にご満足いただけたのは主催したイルグルム社としては喜ばしい限りです。
今後もご参加いただいた方の「気づき」や「出会い」の一助となるイベントとして継続開催していければと思います。
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