顧客に覚えてもらうためには、強烈なインパクトや、印象的なイメージ戦略が必要かもしれません。
一方で、顧客に認知されたところで、継続的に興味関心を抱いてもらったり、ファンになってもらうとなると、インパクトやイメージだけを追求しても仕方がありません。
よく「ブランド力が高い」あるいは「ブランド力が強い」といった表現を耳にしますが、そのように表現されるブランドは、他のブランドと何が違うのでしょうか?
出典:Group of business people brainstorming on whiteboard at office
そして「ブランド力が高い」とは、いったい何を意味しているのでしょうか?今回はコカコーラを例に挙げて、ブランド力について考えみましょう。
ブランド力が高いとは?
まずは復習となりますが、「ブランド」の意味を振り返りましょう。
以前、ブランドを以下のように説明しました。
ブランドという言葉の起源をご存じですか?ブランドはもともと家畜に焼印を押す行為を指しました。今でも英語のbrandは、商標・銘柄といった意味以外に、「焼印」といった意味を持ちます。
あるいは別の角度からは、こう捉えました。
実際の品質ではなく、顧客の頭の中にあるのはブランドのイメージです。そして、このイメージこそがブランドが持つ力とも言えます。
もともと焼印の意味を持つことからもわかる通り、ブランドは他のものとは違うことを示すものであり、つまりは「顧客のイメージ」だと言えます。
顧客がブランドを別のものとは違うと認識し、他のものより良いものだとイメージできる時、そのブランドのブランド力は高いと言えるのではないでしょうか?
コカコーラが持つブランド力
では具体的に考えるために、コーラを例に挙げてみましょう。
出典:Couple cola splashing out of glass and bottle., Isolated white background.
「コーラ」と言う単語を耳にしたら、どんなイメージが浮かびますか?
コカコーラのブランドカラーである『赤』を真っ先にイメージする人は、決して少なくないはずです。
あるいは、ほとんどの人がコカコーラ(赤)かペプシコーラ(赤・青・白)をイメージするのではないでしょうか?
しかし、コーラは当然コカ・コーラだけではありませんし、ペプシコーラ以外にもコーラは存在します。
コーラが自社で販売する唯一の商材ではないにも関わらず、コーラ=コカコーラの図式が顧客の脳内にできているのは、それだけコカコーラのブランド力が高いと言えます。
テレビCM、雑誌、新聞広告、WEBメディア、動画など・・・コカコーラはブランドと顧客との間にある、あらゆるタッチポイントにおいて、顧客にメッセージを発信し続けた結果、顧客の脳内に強烈なイメージをもたらしているのです。
ブランド力は品質とは無関係?
さてブランド力が高いと言われるブランドは、顧客の脳内に強烈なイメージを残していることは間違いなさそうです。
しかし、よく知られているブランドであれば、品質にも力を入れて最高級のものを作っているはずですよね?
果たしてブランド力が高いことと、品質に相関関係はあるのでしょうか?
「ブランディング22の法則」に興味深いことが書いてあります。
長年の観察の結果、私たちは「市場における成功とブランドの比較テストの間にはほとんど何の相関関係もない」という結論に到達した。それが味覚テストであれ、正確度テスト、信頼テスト、耐久性テストであれ、あるいは独立した第三者によるその他の客観的なブランドテストであれ同様である。
驚くべきことに、この通り「ブランド力の高さと品質は関係がない」ようです。
少し意地悪な言い方ですが、いくら品質の良さを追求しても、ブランド力が高まるわけではないということですね。
では、品質なんてどうでも良いのかと言うと、そんなことはないでしょうが、ブランド力を高めるための努力として、一本気に品質の良さを追求することとは別のアプローチが必要なのかもしれません。
ARCC限定イベントへのご招待・限定コンテンツの配信・
新着記事の案内・イベント情報の先行配信など、特典が満載です。