「コミュニティ」が注目を集めていますが、これは現代のマーケティングにおけるひとつのトレンドだと言えます。
前回、コミュニティにまつわる3つの勘違いをピックアップしました。
それを受ける流れで、今回は「では、どうすればいいの?」といったより踏み込んだ部分を見ていきましょう。
コミュニティをマーケティング的に考えていくと、時に不正解は大正解だと気づきます。不思議な話ですね。
コミュニティマーケティングの矛盾
本来、コミュニティは「共同体」「何らかの共通意識をもった社会、グループ、組織など」といったような意味です。
近年「コミュニティ」という言葉がもてはやされていますが、古くから似たような存在はありました。
例えば、パタゴニアの黎明期はクライミングが好きな仲間たちが集まって、自分たちが欲しいと思うツールを作って売っていました。
これも今っぽい言葉で表現するなら「コミュニティ」だと言えます。
さて、コミュニティマーケティングですが、共同体に対してマーケティングを展開するというのは、響きとしてピンとこないという方もいると思います。
その理由の一つは、おそらくマーケティングが広い範囲から対象となる人を絞り、その人に向けてメッセージを届ける、という性質を持っているからではないでしょうか?
そもそも共同意識を持って集まっている人々に対して、マーケティングを展開する?
あるいはマーケティングのために人々を集める?
こういった部分に、そこはかとない矛盾を感じるのかもしれません。
長期的な付き合いができるか?
さて、そんな矛盾を抱えつつも、マーケターはトレンドを読みつつ最適解を探していかなくてはなりません。
そんな時、一番に考えるべきことはなんでしょうか?
それは、いかに短期的な利潤を追求するかではなく、どれだけ人々と長期的な付き合いができるか、あるいは共同体の関係性を醸成していくことができるか?
・・・といった視点に立つことではないでしょうか?
この視点に立つと、マーケティング・ビジネス的な視点での不正解が、コミュニティづくりにおいては正解になることがあります。
コミュニティが機能している好事例
コミュニティが機能している好事例には、以前もご紹介したヤッホーブルーイングが挙げられます。
「よなよなエールの超宴」は5,000人規模でファンが集まる大規模なイベントでありながら、その熱狂的とまで言えるコミュニティの繋がりは、有象無象ある他のコミュニティとは一線を画しているようです。
従来のマーケティング視点や、投資対効果といったビジネス的な視点で見ると、おそらくコストも手間もかかる一方で、生まれる利益は見合わないといった「不正解」かもしれません。
しかし、社員も一体となってファンと一緒に同じ場所で同じ体験を共有することは、利益といった指標では測れない、かけがえのないものです。
これはコミュニティづくり、ひいてはブランドを続けていく上で「大正解」だと言えるのではないでしょうか?
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