アトリビューション分析(間接効果)の方法と必要性

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アトリビューション分析をご存じですか?

Web広告の効果測定の際、耳にしたことがあるという方は多いのではないでしょうか?

デジタルマーケティングにおいて、顧客がCVするまでの道のりを可視化して、効果測定をより精緻なものにすることは命題の一つです。しかし、長らくこれといった良い方法が見つからず、テクノロジーが進化した今でも絶対的な分析方法がないのが実情です。

そういった状況において、アトリビューション分析は近年注目を集めている分析手法です。知っておいて損はありません。しかし、ではアトリビューション分析が万能なのか?というと、問題点もあります。

そこで今回は、アトリビューション分析について基本的なことを理解しつつ、分析のためのツールや、問題点に迫っていきたいと思います。 そこで今回は、アトリビューション分析について基本的なことを理解しつつ、分析のためのプラットフォーム・ツールや、問題点に迫っていきたいと思います。

アトリビューション分析の概要

アトリビューション分析のプラットフォームを提供するCONVERTROは、アトリビューションについてこう語っています。

「What is Marketing Attribution?」
(マーケティングアトリビューションとは?)

Short answer: it’s the science of determining what media are driving purchases.
(短い答え:どんなメディアが(ユーザーを)購入に至らせたのかを測定する科学)
出典:CONVERTRO「What is Marketing Attribution?」を元に翻訳

顧客は購入に至るまでに、バナー広告以外に動画広告をクリックしたかもしれないし、コンテンツを読んだかもしれないし、リターゲティング広告に接触したかもしれません。

本当は顧客のすべての行動を分析したいところですが、デジタルにおける効果測定は多くの場合は直接CV、つまり購入前の最後のタッチポイントだけを見ていました。しかし、それだけではユーザーが購入に至った動機を断定するには不十分です。

CONVERTROの言葉を借り、説明すると、アトリビューション分析は「どんなメディアが(ユーザーを)購入に至らせたのか?」を直接CV以外も考慮して分析する手法のことです。

つまり、アトリビューション分析で直接CVまでの顧客のカスタマージャーニーを分析することで、広告の効果測定を可視化することができるのです。

アトリビューション分析の種類

アトリビューション分析は、顧客が広告に触れたいくつかの接点について、それぞれにどのような効果をもたらしたかを分析します。どの接点に重点を置くかで分析モデルの種類が分かれ、コンバージョンに至った広告の貢献度を可視化するのです。

アトリビューション分析5つのモデル

アトリビューション分析の必要性

従来は、顧客が最後に接触した広告の効果にのみ目が向けられていました。しかし、顧客がその最後の広告に至るまでに複数の広告を経由していたとしたら、その経由した広告に関しても評価をするべきでしょう。その評価を実現できるのが、アトリビューション分析の方法です。
最後に接触した広告のCPA(コンバージョンあたりの広告費用)だけを評価するのでは、広告効果を正確に分析できない面もあります。アトリビューション分析を行って、顧客が経由した広告に関してもCPAを算出すれば、それぞれの広告の評価を的確に導き出すことができるのです。

アトリビューション分析のメリット・デメリット

では、アトリビューション分析を行うメリットやデメリットはどのような点でしょうか。まずは、メリットから挙げていきます。

  • 顧客が経由した広告で効果が評価されたものに予算を分散できる
  • 効果的な広告を活かしてコンバージョンの向上を目指せる
  • 顧客がどのようなルートをたどって商品購入に至ったかを知ることができる

次に、デメリットについて見ていきます。

  • 分析に必要なインフラ整備などにコストがかかる
  • コンサル企業によっては、難解に見せて的確な分析を行わないことがある
  • アトリビューション分析は1つの指標であり、必ずコンバージョンを上げられるというものではない

コンバージョン重複を避け、より正確に広告効果測定をする方法とは

アトリビューションモデリング・アトリビューションスコアとは

アトリビューション分析によって、コンバージョンまでに経由した接点それぞれの貢献度を可視化することをアトリビューションモデリングといいます。そして、それぞれの接点の重要度ごとにつけられた数値がアトリビューションスコアです。

「複数接触シナリオ」とは?

例えば、顧客がコンバージョンに至るまでにバナー広告をいくつか経由し、リスティング広告にたどり着くことを想定するとします。こうした一連の流れを複数接触シナリオとして立て、アトリビューション分析でそのシナリオが機能しているかどうかを把握することができます。

クリックスルー・ビュースルーの計測とメリット

クリックスルーはその広告をクリックしてコンテンツページへ飛ぶ過程、ビュースルーは広告を目にして別ルートでコンバージョンする過程です。アトリビューション分析においてこれらを計測することで、潜在顧客の存在も分析に含めることが可能になります。

アシストコンバージョンという考え方

アシストコンバージョンとは、コンバージョンに至った直前の経路ではなく、その経路に流入するためのアシストをした経路のことです。コンバージョンに至ったユーザーの中には、複数の広告を経た後にそのまま自社のECサイトにたどり着かない人もいます。
自社のECサイトを閲覧した後に他サイトと比較したり、再度特定のキーワードで検索したりといったように、さまざまなルートをたどることがあるためです。

このようなルートにおいて、自社のECサイトに訪れるきっかけとなったコンテンツを分析するのが、アシストコンバージョンの考え方です。

アトリビューション分析の考え方・取り組み方

アトリビューション分析では、顧客がコンバージョンまでに経た複数の経路について、総合的に分析して評価する考え方をとります。
コンバージョンに直接たどり着いた広告でなくても、コンバージョンに至るきっかけとなった広告についてその貢献度をスコア化し、指標を作るのです。

広告の貢献度の評価については、目的によってどの部分に重点を置くかをそれぞれ設定します。これにより、顧客が最初に接触する媒体やコンバージョンに導くのに適した媒体は何か、といったことも明確にすることができます。

Google アナリティクスのアトリビューション分析機能について

Googleアナリティクスでは、アトリビューション分析によってコンバージョンの実績だけではなく、顧客がたどった経路やコンバージョン数などを把握することができます。これにより、適切な媒体やタイミングを知って広告戦略を立てることが可能になるのです。

有料版アナリティクス 360 Suiteの「アトリビューション 360」

そんな中、Googleが比較的新しいサービスをリリースしています。

Google アナリティクスプレミアムは、名称変更により2016年3月からGoogle アナリティクス 360 Suiteとしてリニューアルしました。その製品群の一つ、アトリビューション 360は、まさにこのアトリビューション分析を行うためのツールです。

出典:アナリティクス 日本版 公式ブログ「Google アナリティクス 360 スイートのご紹介」

顧客が購入に至るまでの全経路、タッチポイントで顧客の行動を計測して分析するためのツールは、デジタル・リアルを掛け合わせたマーケティング施策が複雑化する今、まさに世の中に求められる分析ツールです。

Googleアナリティクスのアトリビューション分析でなにができるか?

このツールによって、キーワードからのオーガニック検索や参照サイト、有料検索にディスプレイなど、ユーザーがたどった経路とコンバージョン数を分析できます。また、Googleアドワーズと連携させることでCPAを算出することも可能です。

アドエビスのアトリビューション分析

ちなみに国産では、私たちアドエビスが次々に新しい機能をリリースしています。

アドエビスのアトリビューション分析を利用すると、顧客の初回接触や直接・間接効果にについて、その回数やコンバージョン時間なども詳細に把握できます。さらに検索エンジンやキーワードなども過去にさかのぼって分析できるため、広告との関連性もわかるのです。
ぜひ、チェックしてみてください!

アトリビューション分析の問題点

すべてが万能のように聞こえるアトリビューション分析ですが、問題点はあります。

分析結果の正確性は、当然ながら正確なトラッキングができていることが大前提です。しかし、Cookie情報を元にしたアトリビューション分析は正確とは言えない場合があります。

以前「iPhoneは効果測定できない?整理したい効果測定の仕組みの話」で詳しく述べましたが、Cookie情報は必ずしも正確とは言い切れません。また、アプリ内の測定は異なるCookieが使われるため横断的な測定ができないと言われています。

もちろん、今後テクノロジーの進化によって、今ある問題点は解決されていくでしょう。しかし分析結果を鵜呑みにせず、私たちマーケッターは経験や想像力を使い続ける必要があります。

アトリビューション分析のまとめ

アトリビューション分析は、今後もまだまだ発展していく余地があります。今まで見逃されていた効果が測定可能になり、今以上に正確な分析ができる未来が楽しみですね。

デジタルの進化と共に、私たちマーケターも変わらず本質を追究し続けることで成長していけば、さらにデジタルマーケティング業界全体が進化していくと思います。

新しいアトリビューション分析とは?3つのポイントで理解しよう

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