新規事業を発足する時も、既存の事業を見直す時も、事業が提供する価値を「誰に届けるのか?」といった点は重要です。
「誰?」というのは、いわゆる5W2Hの「Who?」の部分ですが、企画側の主体者は頭の中に明確なイメージがあるものの、チームメンバーや関係者に共有する際には、具体的な文章や絵になっていないとなりません。
これはカスタマージャーニーマップを作る際も出てくる課題で、ペルソナをどのように作るかといった点はマップの良し悪しにも大きく影響を及ぼします。
アドエビスマーケラボでは、過去に何度もカスタマージャーニーマップについて取り上げていますが、今回はその中でもペルソナを作る時の5つのヒントにフォーカスしてお届けします。
カスタマージャーニーマップとは?
まずはカスタマージャーニーマップを簡単におさらいしましょう。
出典:adaptivepathーThe Anatomy of an Experience Map
これは鉄道会社Rail Europeの乗車体験を、カスタマージャーニーマップに落としこんだものです。
ペルソナ、消費行動、タッチポイント、心理状態や改善事項などが細かく書かれています。(出典元のサイトでは拡大が可能です)
カスタマージャーニーマップとは、このように顧客(カスタマー)が商品やサービスを認知したり、購入したりする際の一連の動作を旅(ジャーニー)に見立て、それらを地図(マップ)したものを指します。
※より詳しく知りたい方は、以下のコンテンツを参考までにご覧ください!
「カスタマージャーニーマップの作り方5ステップ&国内・海外事例5選!」
「カスタマージャーニー分析の具体例&注意点3つ〜隠れた効果を明らかに?〜」
「【カスタマージャーニーマップ海外事例10】ビジュアルで理解するとわかりやすい!」
「カスタマージャーニーとは最適な体験を顧客に提供するための地図だ」
1. ペルソナはデモグラフィック情報がわかればいいの?
では、ここからカスタマージャーニーマップのペルソナを作る際の5つのヒントを見ていきましょう。1つ目は、ペルソナに大事なことについてです。
「ペルソナ」と聞くと、多くの方が性別や年齢などをはじめとするデモグラフィック情報を頭に浮かべると思います。
しかし、ペルソナを作る際に大事なのはデモグラフィック情報だけではなく、「ペルソナがなぜ商品・サービスに惹かれるのか?」といった点も説明できるようにすべきだという点です。
ペルソナを「30代の男性」と明示することは大事ですが、それでは商品・サービスに魅力を感じる理由はわかりませんし、逆説的に言うとその理由はデモグラフィック情報からはわかりません。
デモグラフィック情報を明らかにすることは当然ながら、なぜそのペルソナが商品・サービスを選ぶのかがわかるように補足情報を加えることが大事です。
2. ペルソナを1人で作らないで!
続いてのヒントは、ペルソナを作る時は「チームで作りましょう。」といった点にあります。
何もないところからメンバー全員でワイワイガヤガヤとペルソナ作りをするのは非効率ですが、担当者がベースを作ったあと、ディスカッションしながら完成させるようなプロセスを作りたいところです。
いくら事業に詳しい人でも、1人でペルソナを作って自己完結してしまうと、のちのち関係者に展開していく時に理解を得られなかったり、反対意見が出てしまう懸念もあります。
それに性別や年代、役割が違うメンバーが集まることで多様性が生まれ、新たな視点でペルソナ作りができる可能性もあります。
カスタマージャーニーマップを作る時は、チームでうまく共通認識を持ちながら進めましょう。
3. ペルソナには具体名を入れる
またペルソナ作りの際に、なんとなく遠慮してしまうのか、具体名を入れずに進めてしまうことがあります。
例えばペルソナが好きな雑誌なら「BRUTUS」とか、好きなカフェなら清澄白河のBlue Bottle Coffeeといったように、誰もが共通認識を持てるように具体名を使いましょう。
これは自分だけがわかっていても仕方ありませんので、メンバーにもディスカッションの最初に伝えるなどして、みんなが積極的に具体名をたくさん出せるように雰囲気を作りましょう。
4.ペルソナが商品に出会うまでのストーリーを作ろう
続いてのヒントですが、ペルソナのデモグラフィック情報や好きなものなどを明らかにした後、カスタマージャーニーマップに落とし込む前にストーリーを描いていきましょう。
ここで言う「ストーリー」とは、ペルソナが商品・サービスに出会うまでのストーリーです。
ペルソナが日々の生活の中、どのようなシーンで商品・サービスに出会うのでしょうか?・・・いろいろな想像を膨らませながら、ブレストも兼ねてどんどん意見を出していきましょう。
端的な情報しかなかったペルソナが、まるで実在する人物かのようにストーリーの中で動き出すのが理想です。
有名な事例としては、Soup Stock Tokyoの「秋野つゆ」がありますね。
スープ専門店という、当時では反対意見が多かった店舗展開にGOサインが出たのも、創業者である遠山 正道氏が「秋野つゆ」というペルソナを作り、具体的なストーリーを展開させて周囲を納得させていった努力があったからではないでしょうか?
参考:ブランディングラボ「ペルソナ設定〜Soup Stock Tokyoの「秋野つゆ」の成功事例からみるペルソナの作り方とは?」
5. ペルソナイメージを実際の顧客で確かめる
最後になりますが、ペルソナを作ったら、できるだけ実証してみたいですよね?
既存事業であれば、関係性が高い顧客に集まってもらい座談会をしたり、個別でアンケートをとったりすることもできますが、顧客にアプローチして生の声を聞くのは手間がかかりますし、懸念材料は多いものです。
そこで活用したいのは、顧客の声をオンラインで集めることができるサービスです。
アンケートができるサービスは様々ありますが、私たちも「リサーチ連携」というサービスをご提供しています。
リサーチ連携の特徴は、アンケート調査とアドエビスで取得した行動ログデータを組み合わせることで、従来の調査では難しかった「属性・行動・意識」すべてのデータを紐付けることができる点にあります。
つまり「確実にWEB広告/サイトに接触した人」を特定できるため、実行動に基づく正確な効果測定調査が可能になるのです。
こういったアンケートサービスを利用することで、「想定したペルソナのイメージは合っているのか?」といった点がわかりますし、さらにペルソナのイメージを具体化することができますね。
もし気になった方は、ぜひ一度サービスの詳細をご覧になってください!
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