最近ではあまり耳にしませんが、「顧客の囲い込み」といった言葉を過去に何度も聞いたことがあります。(ありますか?)
「ロイヤルカスタマーの囲い込み?」といったタイトルで、以前も一度「囲い込み」に対してお伝えしたことがあります。
その点を振り返りつつ、その本質とはいったい何であり、マーケターはどのようなアプローチをすべきなのか、3つのヒントから再考してみたいと思います。
顧客の囲い込み?
顧客は囲い込まれたいのでしょうか?
そんなわけないですよね。
これはマーケター側の視点で物事を見たら、それは「囲い込む」ことができればハッピーです。しかし、私たちはマーケターである前に潜在顧客でもあります。
自分が顧客だと考えたら、「囲い込む」などといった言葉に嫌悪感すら覚える人もいるはずです。
「ロイヤルカスタマーの囲い込み?」でもこう書きました。
「囲い込む」という表現ですが、イメージするところはおそらく顧客に継続利用を促して、商品・サービスから離れられないように工夫するといったところでしょうか。
ただ継続利用は、顧客がブランドに対して良いイメージを持ち、信頼を醸成させた結果だと思うので、「囲い込む」「囲い込み」という表現は筆者の主観ではありますが、違和感があります。
綺麗事を書いていると思う方もいるかもしれませんが、一度や二度の商品購入のために顧客と向き合っている訳ではありません。
いかに継続的に良いと思ってもらい、長期的に信頼関係をつくっていけるのかが大事であることは、言うまでもありません。
「囲い込み」という言葉はいただけない節もありますが、本質的にはそのようなことを言っているはずです。
コミュニティへの参加理由は?
昨今では、コミュニティという言葉をよく聞くようになりました。
先に挙げた本質は、今の時代であればコミュニティで実現できるかもしれません。
コミュニティを別の言葉で表現するなら、たとえば共同体であり、みんなで同じ物語を共有していたり、同じテーマを探求していたりする集団だと言えます。
マーケティングの目的でコミュニティを作ろうとする動きも、昨今すこしずつ増えてきましたが、その時に気をつけるべきことがあります。
それは、必ずしも顧客がコミュニティ参加の第一義に考えているのが、ブランドへの貢献ではないということです。
もちろんそれも、あるかもしれませんが、多くの顧客は「楽しいから」「ためになるから」といった抽象的で曖昧な理由でコミュニティに参加します。
ブランド側がその点を勘違いしていると、どこかでズレが生じてしまうでしょう。
ブランド側が顧客を選ぶべき?
顧客を囲い込むという言葉の本質を辿っていくと、ブランド側が顧客を選ぶべきだといった考えに行き着くかもしれません。
そもそもブランドが長期的に付き合いと考える顧客は、母数に対して少数であり、けっして多くはないのが実情だからです。
何も過激なことを言っているわけではなく、そもそもマーケティングとは「顧客を絞る」という側面があります。
本当に顧客になって欲しいのは、プロダクトの良さを理解した上で継続的に利用してくれる顧客や、口コミでプロダクトの良さを啓蒙してくれる人々でしょう。
ブランドはそのような人たちをうまく巻き込み、一緒にブランドを成長させていく仲間にすべきです。そのようなアプローチ方法が、現代においては良い成果を生み出すのではないでしょうか?
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