世の中にはたくさんの商品がありますよね?
顧客は数ある商品から、何らかの理由であなたのブランドを選びます。
めでたしめでたし。・・・いえいえ、これでは話が終わってしまうので、ここであるものに注目したいと思います。
それは「心理ロイヤリティ」です。ここに何かヒントが隠されていそうな気がしませんか?
今回は3つのTIPSで顧客の心理ロイヤリティを紐解いていきましょう。
ロイヤルカスタマーが事業成長の鍵
心理ロイヤリティについて考える前に、まずロイヤルカスタマーについて考えてみましょう。ロイヤリティ(忠誠心)が高い顧客をロイヤルカスタマーと言います。
以前このように説明しました。
ロイヤルカスタマー(Loyal Customer)の意味を簡単に説明すると、「企業の製品・サービスに対して忠誠心が高い顧客」です。ロイヤルカスタマーは「競合他社の製品・サービスはほとんど購入せず、自社の製品・サービスを好んで継続的に購入する」といった購買行動をとり、マーケティングをする上で最も重要な顧客と位置付けられています。
このようなロイヤルカスタマーが増えれば増えるほど、ブランドは良い印象を伴い世の中に広く認知されていきます。
ロイヤルカスタマーをいかに増やすかが、事業成長の鍵だと言えます。
行動ロイヤリティと心理ロイヤリティ
では「ロイヤリティ」について一歩進んで考えてみましょう。
ここでは「行動ロイヤリティ」と「心理ロイヤリティ」の2つを取り上げます。ここから顧客がなぜそのブランドを選び、商品を買うのかを考えることができます。
著書「カスタマーサクセス」では、このように説明されています。
一般的には、2種類のロイヤリティがあるというのが定説だ。心理ロイヤリティと行動ロイヤリティである。(中略)ロイヤルカスタマーには、そうすべきと考える人(行動または理性の側面)と、そのブランドや商品が好きだからという人(心理または感情の側面)がいるのである。(P. 25)
例えば「行動ロイヤリティ」は近くに1軒しかないという理由で特定のカフェに行くことで、「心理ロイヤリティ」はいくつもあるカフェの中から(好きだから)という理由で特定のカフェに行くことです。確かに両者ともブランドに対して長期的な貢献がありそうですが、前者の場合まわりに新しいカフェができた時に行かなくなる可能性がありますよね?このように「行動ロイヤリティ」と「心理ロイヤリティ」は同じ「ロイヤリティ」がついていますが、似て非なるものです。(先に挙げた「ロイヤルカスタマー」はこの「心理ロイヤリティ」が高い顧客だと言えます。)
心理ロイヤリティはどうやって育む?
では心理ロイヤリティ(顧客がブランドや商品を好きだという気持ち)は、どのように育んでいけば良いのでしょうか?
そのヒントになりそうなのがレッドブルの事例です。以前も「ビジネスがファッション化する」といった文脈で、このような形でお伝えしました。
レッドブルを研究すると、ビジネスがファッション化した現代では機能面で訴求するのではなく、より情緒的な感覚に訴えかける必要があるということを深く理解できるのです。
機能面での訴求は顧客のロイヤリティ2つの内の「行動ロイヤリティ」です。
顧客は『カフェインがXXX mg含まれている』といった理由で飲み物を選びますが、レッドブルの場合はそうではありません。
レッドブルの顧客へのアプローチ方法は違うのです。
レッドブルは「翼をさずける」に代表されるメッセージで情緒面に訴えかけたり、一見関係がなさそうなレースやフェスなどのスポンサーになり、間接的にレッドブルを広めています。
心理ロイヤリティを育むには、機能面で訴求するのではなく情緒的に感情面に訴えかける必要があります。その点はレッドブルの事例を知ると、より深く理解することができます。ぜひ参考にしてみてください。
参考:「<前編>レッドブルのブランディング戦略を7つのポイントで読み解く」
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