ビジネスに限らず、日本において表面的なコピーは批判の対象になります。
一方でパブロ・ピカソの名言「Good artists copy, great artists steal.(良い芸術家は真似をするが、偉大な芸術家は盗むのだ。」にあるように、海外では人のアイディアを自分のものにすることはタブー視されていません。
今回は中国のメイソウをピックアップしつつ、ブランドが選ばれる理由について考えていきましょう。
中国のメイソウの衝撃
中国のメイソウと聞いてピンと来る方は少数だと思います。
雑貨を売っているお店の名前ですが、無印良品とユニクロを足して二で割ったような外観です。(ぜひインターネットで検索してみてください。)
筆者は中国でメイソウを見てきたのですが、外観だけではなくあらゆるものが似ていました。これは無印良品やユニクロを見慣れている私にとって、とても衝撃的な体験でした。
店内に入りさらに確信します。これは「似ている」の域を超えています。
あらゆるものがコピーされていました。
これは決して中国批判ではありません。
メイソウを見て筆者が感じたのは、お店の外観も雰囲気も商品の機能もデザインも、今の時代あらゆるものがコピー可能なものなのだということです。
デザインも商品クオリティも変わらない
ブランドのいわゆる海賊版など、コピーは今にはじまったことではありませんが、そのクオリティは非常に高くなっています。
メイソウの商品はパッと見た時のデザインも、日本のブランドと変わりばえがありません。
全ての商品を試していませんが、日本の多くの商品がすでに「Made in Chaina」です。おそらくクオリティも変わらないでしょう。
これでは多くの人が無印良品もユニクロもいいけど、メイソウでも構わない・・・となるかもしれません。
ではブランドは選んでもらうために、どのようなアプローチをすれば良いのでしょうか?
コピーされないものとはいったいなんでしょうか?
ブランドが選ばれる理由とは?
以前「ビジネスがファッション化する」とお伝えしました。
結論としては、『ブランドは人々の情緒的な感覚に訴えかける力が必要』といった話でしたが、ここにブランドが選ばれる理由のヒントが隠されています。
あらゆるものがコピーされる時代でも、コピーできないものもあるのです。
それはブランドの起こりや、積み上げてきたヒストリー、アイデンティティ、哲学・思想といったものです。
一般的にこれらはブランドストーリーと呼ばれます。
“見た目”のような表層的なデザインや商品の機能的な側面だけでは、コピーされてしまえばそれまでで、差別化を図ることは難しいです。
ただブランドストーリーはコピーすることができません。
これからの時代、ブランドが選ばれる理由はこのストーリーにあるのではないでしょうか?
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