パーソナライズを基軸としたビューティーテックカンパニーである株式会社Spartyは、「色気のある時代を創ろう」というビジョンの元、カスタマイズされたヘアケアブランド「MEDULLA」やスキンケアブランド「HOTARU PERSONALIZED」を展開し、急成長を遂げています。
また、同社では「きゃーっ♡にかける」という一見独特なバリューがあり、それを元にブランドの世界観を創り上げています。
今回はSpartyのプロモーションを担当する坂口光さんに、バリューを元にしたパーソナライズサービスの強みと施策運用についてお話を伺いました。
「お客様のときめき」を第一に考える訴求
パーソナライズサービスの強みの一つは、パーソナライズできること自体だと思っています。自分に合ったものを提供できるということは、「出来上がったものが自分だけのもの」というワクワクを体験していただくので、そういう意味で訴求軸として非常に強くプロモーション担当としては獲得しやすいです。
また、手前味噌になりますがSpartyはデザイナーやエンジニアが非常に優秀で、「こういうサイトを作りたい」という思いがしっかり具現化できています。創業当初から変わらず「お客様のときめきを大事にしよう」という思いを軸に議論ができるので、それを元に広告文でもLPでも全員が同じ意識で作ることができます。
Spartyでは、ときめきを大事にする思いが転じてバリューの一つである「きゃーっ♡にかける」になったそうです。社内コミュニケーションツールのSlackでも施策の発表に対して、「きゃー」というオリジナルスタンプで反応する文化もあり、社員が同じ方向を向いていることがうかがえます。
坂口さんはこのバリューを元に施策を遂行していますが、デジタルマーケティングでは施策の評価はデータから判断されるのが一般的です。プロモーション担当としてどのようなデータを確認してPDCAを回しているのでしょうか。
「自分だけの香り」を切り出した施策の裏側
結果の数値はA/Bテストに応じてAD EBiS、Googleオプティマイズ、Google Analyticsを使用し、CVRや9つの質問(※1)への遷移、診断後の購入画面への遷移を比較しています。それから改善の仮説出しを行い、週1回の会議で実装順位を話し合ってデザイナーやエンジニアに相談します。内容はファーストビューのデザインテスト、CTAテスト、診断後のデザインテストなど様々です。
9つの質問はパーソナライズサービス特有で、診断結果の表示、購入画面で顧客情報を入力、確認画面、CVページとなり、遷移ポイントが比較的多いので色々なデータを見る必要がありますし、その分改善ポイントはたくさん出てきます。
遷移やCVRを元にした改善を繰り返すだけでなく、会員数21万人を超えるMEDULLAのデータベースを活用した施策も実施しています。同社のCRMの現状から、施策への活かし方を伺いました。
季節の変化などで、こういう悩みが出てきましたといったお客様のフィードバックに対するコミュニケーションは一番注力しています。MEDULLAでは2回目以降の購入時に処方を変更できるので、フィードバックに応じて、再度9つの質問を受けていただくか、個別対応をすることで適切な処方をしています。
得られたフィードバックデータを見ていると、「匂いの満足度」が高いことが分かりました。今まではパーソナライズのみの訴求だったのですが、匂いを選べるという訴求を切り出して施策に落とし込んでいます。
選べる匂いの切り出しはTVCMをはじめ、バナー、体験記事、LPで積極的に行われています。
※匂いの訴求を切り出したTVCM
TVCMの出稿はそれだけで話題にできるので広告文にも活用しています。また、目に見えて露出を実感できるので広告運用をする人たちのモチベーションに繋がります。広告流入数が増えたのと、CVRも少し上がっていて、TVCMの効果によるものかどうかは一概には言えないですが、今後も出稿を行う可能性はあると思っています。
様々な手法のプロモーションを行い、LPだと週1回のペースで改善を積み重ねる坂口さん。Spartyでの今後についてファーストキャリアから振り返って教えていただきました。
良いものをより広く伝えるための成長
ファーストキャリアは営業でした。1対1でサービスの良さを伝えていたのですが、広めたいものがあったときに、もっと大きく伝える方法を知りたいとずっと思っていて、広告をやってみたいと感じたのがきっかけです。
そこでデータを活用したマーケティングに出会ったのですが、プロモーションの訴求で一番大事なプロダクトやサービスを創るところから関われるのは面白さを感じます。
今のMEDULLAが最善だと思っているというよりかは、子供のような存在で「好きだからこそもっと良いものにしたい」という思いがSpartyのチームにはあります。そういった気持ちを持った色々な分野のプロが仲間にいますので、今まで培ってきた知識を使ってMEDULLAを広められるチームにしていきたいです。
最後に今後の展望について伺いました。
現在は月商4億ぐらいで、この規模感は今までの積み重ねで実現できたのですが、それを2倍3倍に伸ばすのは、今の延長だと難しいなと思っています。延長線上に無い手法は今後やっていきたいです。どうしたらもっとMEDULLAを知ってもらえるんだろうかはこれからも考え続けたいです。
学生時代から「良いものを広げたい」という思いがあり、現職に就いた坂口さん。
現在の積み重ねや延長線ではない取り組みを模索するのは、その思いを実現してお客様のときめきを創り出すため。
これからのSpartyのプロモーション活動が楽しみでなりません。
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