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HENNGE(ヘンゲ)が考える全7ステージ。分断されがちなマーケからセールスまでをシームレスにする挑戦。 – ARCC データも、未来も見通しよく。

HENNGE(ヘンゲ)が考える全7ステージ。
分断されがちなマーケからセールスまでをシームレスにする挑戦。

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「テクノロジーの解放で世の中を変えていく。」をビジョンに掲げるHENNGE株式会社。クラウドサービスにセキュアにアクセスできるサービスを展開する、情報システムの世界では特によく知られた存在です。

今回、ARCCから投げかけたのは、狭いターゲットに対してマーケティングを行う際に大事なことは何かということ。さらに、分断されがちなマーケティングからセールスまでのチーム間のコミュニケーション、そしてSaaSとDXをテーマにしたビジネスカンファレンス「HENNGE NOW!」の舞台裏についてもお聞きしました。

これらに応えてくださったのは、HENNGEで10年以上前からデジタルマーケティングを担当している水谷 博明さんです。

重要なのは「コンバージョンしていない企業のデータ」

私たちは「テクノロジーの解放」をビジョンに掲げ、「HENNGE One」というSaaS認証基盤で多くの企業様から選んでいただいています。

HENNGE one
https://hennge.com/jp/service/one/

SaaS認証基盤とは、企業様が業務で使われている様々なクラウドサービスへのセキュアなアクセスとシングルサインオンを実現する機能。ログインを可能にする要素を選べる「多要素認証」で、ログインをコントロールする機能が好評です。

サービス自体の立ち上げは10年半ほど前になると話す水谷さん。今では当たり前のように活用されているクラウドサービスですが、この領域でのマーケティングについて10年来の時の流れの中で苦労した点を教えていただきました。

「HENNGE One」のサービス特性の一つに、ターゲットが非常に限定されている点があります。顧客となりうる社員数250名以上の企業様は全国で約1万4,000社しかおらず、その中の情報システム担当者様となると、営業できるリードが限られてしまいます。

私が入社した際のミッションはリードを集めることでしたが、単純に量だけを集めれば良いというわけではなく、当然ながらリードの質も求められます。これは今でも変わらず、リード集めには長らく苦労しています。

それでは狭いターゲットに対して、マーケティングを行う際に何が大事なのでしょうか。この問いに対して、水谷さんはまず経営陣やセールスチームに共有するデータを変えたと語りはじめました。

ターゲットが狭い場合、限られた顧客接点を最重要データとして扱い、そのデータを様々な施策で活用することでマーケティング活動に生かしていく必要があります。そこで10年半前から取り組んでいたのが、コンバージョンしたデータだけではなく、その他のデータソースも経営陣やセールスに共有することです。

まずGoogleアナリティクスと「どこどこjp」を連携させて、私たちのWebサイトに来訪した企業をリストアップします。その中でコンバージョンしていない企業も含め、様々な施策や営業をしてもアプローチできていない企業のリストなどを共有しました。

水谷 博明 氏
HENNGE株式会社 水谷 博明 様

さらに「Marketo(マルケト)」というMAツールを活用し、過去に失注した企業が私たちのWebサイトに再訪したら、それをアラートメールでセールスに伝えるなどの動きも取っていきました。普段の営業活動だけでは気づかない機会損失をキャッチして、リアルな現場で活用できるようにすることにこだわり、特に力を入れたのです。

リード数に限りがある中で、コンバージョンのデータだけを参考にするのは限界があります。ターゲット層が狭い場合、本来は見られないはずの「コンバージョンしていない企業のデータ」こそ重要ですし、活用できれば間違いなくセールスに良いインパクトがあります。

※リード:本稿では「見込み顧客」の呼称を「リード」としています。

セールス・インサイドセールス・マーケティング全員の視点を揃えるステージ管理

マーケティング活動にはファネルという考え方があります。例えば「AIDMA(アイドマ)」や「AISAS(アイサス)」など、様々なアプローチの元に多様なファネルが存在しますが、水谷さんは「実際はファネル図のように綺麗にならない」と話します。

リードはファネル通りに綺麗に流れるものではないです。失注したらステージが下って戻ってきたり、突然パートナーさんから商談が来たりと、リードは常に行き来があるものです。

しかしマーケティングはMQL、インサイドセールスはTQL、セールスはSQLと目標がそれぞれ違うので、動きが分断されてしまうことはよく起こること。本来はこの全てのステージを繋げて可視化し、全員で共通認識を持って進めていく必要があると考えました。

それを実現するために、半年ほどかけてセールスと共に全7ステージの定義付けを行いました。具体的にはリード化したところから、最終的に導入するまでのステージを定義付けしたのです。

マーケティング 全7ステージの定義付け

さらにMarketoとSalesforce(セールスフォース)で自動化に取り組み、誰も手動でデータを入力することなく、リードのステージが上がり下がりする仕組みを実現しました。全員で決めた定義が自動で動いていけば、ハレーションを防ぐことができます。

セールスチームと共に決めたことで、自分たちが定義した指標をストレスなくSalesforceで一元管理できるようになったと話す水谷さん。例えばセールスが数日間活動していない場合には、自動でステージが下がる仕組みになっており、それを全体に共有する必要が無くなったと言います。

水谷 博明 氏

セールス側には「リードはマーケだけが供給するものじゃない」と伝えています。特に私たちはターゲットが狭いから、お互い持ちつ持たれつ組織全体でリードをどう循環させていくかが大事。今回の仕組み化で、セールス側にも「ステージ」という考え方に理解を得られるようになってきた感触があります。

※ MQL / TQL / SQL:それぞれ「Marketing Qualified Leads」「Teleprospecting Qualified Leads」「Sales Qualified Leads」。マーケティング・インサイドセールス・セールスそれぞれの活動において、一定の条件を満たした見込み顧客のことを指す。

1万人超を集客した「HENNGE NOW!」

HENNGE株式会社は、SaaSとDXをテーマにしたビジネスカンファレンス「HENNGE NOW!」を2021年2月15日(月)〜2月20日(土)の6日間、オンラインで開催しました。

これだけ大規模なイベントとなると苦労も多かったと話す水谷さん。その実際の苦労と、これから期待できる成果について教えていただきました。

HENNGE Now!
https://hennge.com/jp/now/

今回のイベントは全て自社で取り組み、ありとあらゆる方法を駆使して出来ることは全てやりました。その結果、事前登録者数11,004人、動画再生数29,240回※を達成することができたと考えています。

もともと私たちのプロダクトは受注までのリードタイムが長く、1~3年ほどかかることもあります。そこを踏まえると、このイベントの成果が出てくるのはまだ先になるでしょう。しかし、すでに少しずつ受注が出てきていますし、今まで出会えなかった新しいリードを多く集めることができました。

そして何より古くなっていたリードを更新する機会にもなりました。例えば、リードに記録されている情報システム担当者がここ数年で新しい担当の方になった、というような情報の更新を行うことができ、社内にも良い刺激を与えられたと思います。

HENNGEには「失敗は早くしろ」という組織文化があるそうです。「HENNGE NOW!」も大きな挑戦でしたが、水谷さんはセールスとマーケティングそれぞれの活動を、今後もっとシームレスにするところに挑戦していきたいと語ります。

マーケティングはリードを集めるだけでなく、リードの温度感を高めることもやるし、売上という最終目的を意識すべき。逆にセールスはマーケティング活動を理解すべきです。

実際、セールス側でウェビナーを企画してみたりするのですが、集客に苦戦するかもしれないと感じる企画もあったりします。もっとお互いの感覚を理解することで、より精度の高いセールス・マーケティング活動ができると信じています。

HENNGEの社名の由来は「あらゆる変化(HENNKA)に挑む(CHALLENGE)」。明日のことも分からない未曾有の変化が起きる現代において、それでも成果を出すのは、変わり続けることを恐れず挑戦する人たちなのかもしれません。

HENNGEしたいマーケター募集中!

※出典:「国内最大規模のSaaS × DX事例をご紹介するオンラインビジネスカンファレンス「HENNGE NOW!」に11,004人のお申し込みをいただきました。

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