「認知で王者を目指す」BULK HOMMEが
“9セグマップ × n=1分析” で導き出した次なる一歩

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メンズスキンケアブランド「BULK HOMME(バルクオム)」も、2020年の今年で誕生から8年目を迎えました。

デジタルマーケティングが主軸といった印象が強い同ブランドですが、最近ではTVCMの展開もあり、デジタルだけに止まらない新たな認知拡大のフェーズにいることがわかります。

今回は株式会社バルクオムで国内のマーケティング全般を担当し、今回のTVCMのプロジェクトも牽引した高橋文人さんに話を伺いました。

BULK HOMMEが乗り越える「大きな壁」

バルクオム 国内事業部 本部長 高橋文人さん

BULK HOMMEは小売店舗様や美容室・サロン様などのご協力もあり、デジタルにとらわれない集客や販売も行っていますが、やはり今までは「デジタル完結型」と言える手法を中心にやってきたと考えています。

一方で個人的には、デジタルのみでの認知拡大には、大きな壁があると感じるようになりました。

デジタルを主戦場とするD2Cブランドが順調に成長した結果、デジタルにおける一定の認知を得て成長が鈍化することはめずらしくありません。

BULK HOMMEはどのようなアプローチで、この壁を乗り越えようとしているのでしょうか。

新聞広告やポスティング広告、2STEPマーケティングといった従来の運用型広告に捉われない施策を展開しつつ、その中のビックプロジェクトとして、関東地区でのTVCMを放映することにしました。

認知度調査をすると、今のBULK HOMMEが競合ブランド様との差別化を図ることや、優位点を説明するには時期尚早だということがわかったので、CMでは強烈に「バルクオム」というワードと、「新感覚メンズスキンケア」であるということを繰り返し訴求しました。

その結果、TVCMローンチ日には、前週同日比でトラフィックが232%も伸びました。

「大きな壁」を乗り越えるためには自分たちの現在地を見極め、今後の戦略を考える必要がある。そう考えた高橋さんはさらに分析を進め、TVCM以外の打ち手も考えていきます。

「9セグマップ × n=1分析」が作った社内の共通言語

BULK HOMMEでは、西口 一希さんの著書「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」をもとに9セグマップを作成して、n=1分析(※)を行いました。

このうちロイヤルカスタマーの声を聞くと、美容室や脱毛サロンといったリアル店舗で最初に知ったという方が3割ほどいて、「この人にお勧めされた」という後押しが継続の秘訣だとわかりました。

実際ほかのプロセスを見ても、2割は友人から教えてもらって始めて、5割はやはりWebなんです。

Webも中身を見ると、YouTuberさんやインフルエンサーさんがきっかけなので、最初のきっかけに「人がいる」ことが重要だとわかります。

一方でリアル店舗の売上比率は10〜15%で、ここにギャップがありました。そこで美容室をはじめとするリアル店舗でお勧めされるよう、営業に力を入れていくという意思決定ができたんです。

TVCMの出稿や訴求内容の決定に続き、ロイヤルカスタマーの声からタッチポイントと打ち手を見極める次なる一歩を踏み出したBULK HOMMEですが、認知拡大に伴ってブランディングとの両立が難しくなることも容易に想像できます。

弊社の代表がよく言うんですけど、マーケティングとブランディングは二重人格です。一方で綺麗なことをやって、一方では直接的な訴求をするってわりとやるべきだし、一つのブランディングを貫いたから売上が上がるわけでもないと思っています。

個人的にはマーケティングって結局商売なんで、ブランディングもその手段の一つというのが個人的な解釈ですが、KPIが違うので、共通言語がないと齟齬が生じます。

でも、これも9セグマップを作ることで共通言語化できるんですよ。

この施策は9セグマップの「この層の人」を「このセグメント」に持ってくため、と説明できるので、みんなが腹落ちできます。社内で作ると一方的な目線での作成になりがちですが、第三者である西口さんが作ってくださったので、その心配もありませんでした(笑)

※「9セグマップ作成とn=1分析」の手法については高橋さんのnoteに詳しく載っています。
【実践編】n=1分析をバルクオムで実施しました。(高橋 文人さんのnote)

BULK HOMMEは認知で王者を目指す

デジタル領域から店舗、マスメディアと施策の幅が広がってきた今、高橋さんはBULK HOMMEの今後の展開についてどのように考えているのでしょうか。

未来への展望と抱負を聞きました。

BULK HOMMEは、まず認知で王者を目指します。そのあとは「製品がいい」と体感してもらいつつ、なぜ良いのかを説明できるようにしていかないとなりません。それができればナンバーワンになれた時に、他の会社さんが追い越せないようなブランドになっていけます。

ただBULK HOMMEの良い部分は言語化しづらいところあって。洗顔の泡がめちゃくちゃいいのと、香りは言語化しやすいんですけど、「なんかおしゃれ」とか「家にあるといいよね」とか、他社が真似できないところは言語化しにくいです。

この辺のジレンマはありますが、n=1分析でロイヤルカスタマーの人の声を掘り下げて、今後も分析していきたいと思います。

最後に「目標とする人はいますか?」と聞くと、高橋さんは「森岡 毅さん」と答えました。

世界的な著名人がアンバサダーに就任したり、有名人がTVCMに出たりと、一見派手な話題が先行するBULK HOMME。

しかし、その裏では定性データに裏打ちされた緻密な仮説検証と、偉大なる先人を目標に掲げ、目の前の課題に真摯に向き合う一人のマーケターの姿がありました。

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