「逆転オセロニア」残存率は驚異の90%!?コミュニティマーケティングは「プレイヤーの解像度」が命。

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経験したことが無い人には、「ゲームの熱狂」は伝わらないものがあります。

しかし、100人のプレイヤーがいれば100通りの感情が存在することは間違いなく、それらの感情が渦巻くことで熱狂が生まれるのもまた事実です。

DeNA社が開発・運営をする新感覚オセロバトル「逆転オセロニア」もまた、そんな熱狂を生み出す人気ゲームの一つ。同ゲームを愛してやまない人々、通称“オセロニアン”がつくるコミュニティの存在が人気を裏打ちしています。

今回は逆転オセロニアのアシスタントプロデューサー※1の杉山愛奈さんと、コミュニティマネージャー※2の川口美咲さんにお話を伺いました。

「逆転オセロニア」の熱狂の舞台裏には、どんな試行錯誤があるのでしょうか。

※1アシスタントプロデューサー:プロデューサーのビジョンをスピード感を持って具体化させる責任者。
※2コミュニティマネージャー:コミュニティの責任者。オセロニアはコミュニティドリブンのマーケティングに注力しているため、マーケティングの責任者と同じくらい重要な役職。川口さんはコミュニティマネージャーとして、既存プレイヤーさんへの価値提供を日々試行錯誤している。

コミュニティチームは「最後の砦」

右:株式会社ディー・エヌ・エー アシスタントプロデューサー 杉山 愛奈 様
左:株式会社ディー・エヌ・エー コミュニティマネージャー 川口 美咲 様

杉山さん:私たちはオセロニアがプレイヤーさんにとって居心地がいい場所であり続けるために、マーケティングとコミュニティの責任者は同率と捉え、コミュニティに軸足を置いたマーケティングに注力しています。

過去には、とあるキャラクターをデジタルマーケティングに採用したことで、そのキャラクターのファンのプレイヤーさんを傷つけてしまったり・・・マーケティングの中にもコミュニティの観点を盛り込むことは大切だと考えています。

その中で、私たちはプレイヤーさんに細やかな配慮をすることで、マーケティングでやりたいことに対して最終ラインの見極めと調整を行う最後の砦なんです。

入社以来、オセロニアのコミュニティマネージャーとしてリアルイベントの企画・運営などに携わった杉山さんは、今年10月にアシスタントプロデューサーになりました。

PCの前に座っているだけでは分からないプレイヤーの熱量、そして感情。実際に目の当たりにしてきたからこそ、語る言葉にも熱がこもります。

杉山さん:コミュニティマーケティングは「プレイヤーの解像度」が命だと思っています。プレイヤーさんは何が楽しくて、何にイライラしているのかとか、業務の3分の1くらいはプレイヤーの感情を知るために時間を使っています。

Twitterやお問い合わせなどでいただいたプレイヤーさんの声の確認や分析はもちろん、大切だと感じたご意見や投稿をチーム内でシェアして、認識をすり合わせることも大切にしています。

プレイヤーさんの解像度を上げるために、地方に足を運んでイベント開催もしてきました。

行ったら3人しかいなかったこともありますが、それでもオセロニアンのみなさんとお話する時間は、何よりも大切な時間だと感じています。

数字の羅列からは読み解けないものを捉えるために、プレイヤーのことを心から知りたいと願い、自ら動く。その願いと行動がプレイヤーの心に響いたのか、リアルイベントは明確なデータの裏付けとともに、オセロニアの事業成長に貢献するようになります。

イベント参加プレイヤーの残存率は驚異の90%

杉山さんは前提として「リアルイベントの分析は投資判断のためではない」とした上で、イベント参加プレイヤーと、任意のサンプルプレイヤーを比較することで、イベントがプレイヤーの残存率にどのような影響を与えているかを算出した結果を教えてくださいました。

杉山さん:サンプルプレイヤーの抽出は「課金額」「ログイン日数」「(ゲーム内の)ランク」の3要素で行い、イベント参加プレイヤー一人ひとりに対して3〜5倍のサンプルプレイヤーを抽出します。

オセロニアの全プレイヤーの中から、イベント参加プレイヤーに可能な限り(イベントに行った以外の)行動が近いプレイヤーを抽出して、イベントから1年後の残存率を見ます。

結果はイベント参加プレイヤーの残存率が90%だったのに対して、サンプルプレイヤーは71%でした。

※グラフは実際の数値を加工して作成しています。

川口さん:残存率は基本は右肩下がりになるので、ずっと90%というわけではないのですが、増減の推移をしながらイベントから1年後にプロモーションを打った時、多くのプレイヤーの方がオセロニアに戻ってきてくださって90%まで伸びました。ゲームで90%というのは驚異的な数字だと思います。

コミュニティマーケティングは功を奏し、すべてが順風満帆に見えていたものの、2020年初頭に囁き出された新型コロナウィルスの影響は、オセロニアにも大きな影を落としました。

コミュニティに軸足を置くオセロニアにとって、リアルイベントの開催ができないのは未だかつてない逆境だったのです。

オセロニアンダブルスを成功させたい。

杉山さん:毎年行っている「オセロニアンの戦」という、全オセロニアンが目指す全国大会の開催が中止になりました。これは高校球児にとっての甲子園がなくなったのと同じくらいのショックなことです。

そこで新型コロナウィルスの影響が見えなかったものの、半年くらいはリアルイベントができなくなる前提で5月にはオンラインイベントを開くことを決めました。

オセロニアンダブルス 2020 | 逆転オセロニア

川口さん:今回企画したオセロニアンダブルスは、“No.1オセロニアンコンビ“の称号をかけた2対2の公式大会で、予選を勝ち抜いた8組のコンビが決勝大会へ進んで戦うというものです。

予選大会では全選手Zoomで画面共有をしながら、コンビ内で相談をしつつ対戦を行う、新方式の2対2コンビネーションマッチを導入しました。

杉山さん:ダブルスにしたことで、たくさんのペアが生まれました。おじいちゃんとお孫さんが2人で参加したり、オセロニアを通じて誕生したカップルがペアになったり、夫婦でペアになったり。すごく幅広いんです。

過去にイベントで会ったことをきっかけに、年齢も住んでいるところも遠いコンビが一緒に組んでいるなんてこともあって、オンラインだからこそ起きた出来事だと思います。

最後に今後の抱負を聞くと、「今はとにかく年内、オセロニアンダブルス※を成功させたい」と答えつつも、オフラインとオンライン双方の利点を取り入れたイベントに意欲的な答えが返ってきました。
※現在、本イベントはすでに終了しています。

川口さん:今年1年やってみて、オンラインじゃないと参加できない方や、オンラインだからこそ初めてイベントに来てくれた人がたくさんいました。地理的な要因や、顔出しに抵抗があったなど理由は様々です。

そういう方たちが来年また来てくれるように、オンラインの仕組みを整えつつ、オフラインにしかない一瞬一瞬の体験やコミュニケーションを取り入れて、いいとこどりしたいと思っています。

未曾有の状況下でもピンチをチャンスに変え、新たな機会を創出することでプレイヤーに愛され続けるオセロニア。

愛されるゲームの舞台裏には、プレイヤーを真摯に理解しようと努め、みんなにとって居心地のいい居場所を作ろうと奔走する2人の試行錯誤がありました。

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