カスタマーサポートは顧客の悩みを受けて、それを解決しようとする業務全般を指す言葉として定着しました。そして近年、セールスフォース社が提唱するカスタマーサクセスが少しずつ認知度を上げています。
カスタマーサクセスは能動的に顧客の課題を発見することと、データドリブンで解決を提示することがカスタマーサポートの違いです。
一方で顧客側にも大きな変化は着実に起こっていて、その微妙な変化に目を凝らすことは、これからのカスタマーサクセスを理解する上で重要かもしれません。
2019年の今、ここで改めてロイヤルカスタマーの変化を考えてみましょう。
ロイヤルカスタマーの変化
ロイヤルカスタマーの説明をかつてこのようにしたことがあります。
ロイヤルカスタマー(Loyal Customer)の意味を簡単に説明すると、「企業の製品・サービスに対して忠誠心が高い顧客」です。
ロイヤルカスタマーは「競合他社の製品・サービスはほとんど購入せず、自社の製品・サービスを好んで継続的に購入する」といった購買行動をとり、マーケティングをする上で最も重要な顧客と位置付けられています。
この説明が間違っているわけではありません。ただ最近の顧客行動を見ていると、別の見方もあるのではないかと思うのです。
「ロイヤルカスタマー」の意味は、「ロイヤル」という言葉をどう捉えるかで変わってきます。少し視点を変えて『ブランドへの貢献』を加味すると、先ほどの説明だけでは表現できないこともあります。
昨今のロイヤルカスタマーは、ブランドに参加するなど、能動的なアクションをとる人へと意味が変わってきているとも言えるのです。
ロイヤルな顧客は自ら行動する
例えばブランドが行う懇親会や展示会など、わざわざ足を運ぶ必要があるイベントにも、全国から人が集まるケースがあります。
その人たちは単純にLTVが高いだけではなく、ブランドに積極的に参加していることが特徴的です。
例えるなら、好きなアイドルのコンサートに足を運ぶように、人は心理的な距離が近くて想いがあれば、自ら行動を起こす生き物です。
本当の意味でロイヤルな顧客はこのように自ら行動をすることで、ブランドへの貢献をしているのではないでしょうか。
主客を分ける境界線は曖昧に
クラウドファンディングの例も上げましたが、顧客がブランドと一緒に商品開発をするケースも増えています。
例えば顧客の声を聞きながらクラフトビールを共創する試みなど、その萌芽はあちらこちらに見られます。
これは「ブランドと顧客」や「売り手と買い手」といった二項対立的なものから、主客を分ける境界線が曖昧になっているとも捉えられます。
冒頭でお伝えした通り、顧客の悩みを受けて解決するカスタマーサポートは、能動的に顧客の課題を発見して解決するカスタマーサクセスへと進化しています。
先述したロイヤルカスタマーの変化を察知することができれば、ここにもう少し別の展開を加えることができます。
まずマーケティングやブランディング視点の企画で、いかにブランドの社員と顧客が顔を合わせる場所を作れるか?といった試みをします。
カスタマーサクセスではリアルな場への機会創出と、そのフォローアップにも目を向けることで、顧客にさらにブランドへの参加を促すことができるはずです。
その試みの先には、エンゲージメントの高い顧客が継続的にブランドと接触する理想の形が作れるのではないでしょうか?
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