前回、営業支援ツール(SFA)について簡単に触れました。
すべての事業活動は相互に関係しあうと考えると、マーケターはマーケティングのことだけを考えていてはなりません。
当然ながら営業活動もできる限り知る必要があるので、マーケティングオートメーションツールだけではなく、営業支援ツール(SFA)も理解する必要がありますよね。
今回は、そんな営業支援ツール(SFA)を通じて営業への理解を進めつつ、4つのヒントを理解して、マーケティングに活かしていきましょう。
営業支援システム(SFA)とは?
まずは基礎の基礎から理解していきましょう。
SFAは『Sales Force Automation』の略で、3つの英単語からは「営業(部隊)を自動化する」といった思考を読み解くことができます。
このアイディアは数十年前から存在して、今とは比べものにならないほど精度は低いものの、営業マンをシステムでエンパワーメントしようとする試みは、ずっと続けられてきました。
マーケティングオートメーションは「マーケティングを自動化していくためのツール」だと考えられますが、その対をなすように、SFAは営業を自動化しようとするものです。
ただ、ここで注意しなくてはならないのが、果たして「営業を自動化する」が表現としてあっているかどうかです。
MAがスコアリングの根拠として扱うデータは、対象がコンテンツですが、営業の場合は営業マン、つまり人間です。
すべてのアクションをデータ化して、より最適なタイミングに最適な営業活動を行うことができたら良いのですが、それは現代のテクノロジーではまだ難しいことです。
多くの場合、日本ではSFAのことを「営業支援ツール」と略します。
英語の訳としては正しくないかもしれませんが、あくまでメインは営業マンであり、その営業マンを陰ながら支える支援ツール的な位置付けが、おそらく正しいという判断でしょう。
営業支援システム(SFA)の起源は?
営業マンをシステムでエンパワーメントしようとする試みは、今から約30年前にSFAツールとして世に生み出されました。
1990年代頃から徐々に顧客管理システム(CRM)も独自の発展を遂げていきますが、営業マンをエンパワーメントする目的は変わらないので、現在ではSFAとCRMが統合されたものもたくさんあります。(変わらない目的とは、新規顧客を増やす、既存顧客に継続的に発注をもらうなどのことを指しています。)
それが昨今では、さらにMAツールとも連携するようになり、より営業・マーケティング活動は少ない人数で成果を上げられるように変化しています。
営業支援システム(SFA)にはどんな機能がある?
では、営業支援システム(SFA)にはどんな機能があるのでしょうか?
ここでは主な機能を3つほど上げてみました。
- 経営判断に必要なデータを集約して抽出する機能
- 顧客との関係性を可視化して共有する機能
- 商談の内容を記録して共有する機能
それぞれ解説すると、まず1.の機能で営業マン全員の予算と達成率を把握することができ、どこにボトルネックがあるかもすぐにわかるようになっています。
例えば予算未達の原因が商談数にあるのか、商談する顧客の温度感にあるのか、あるいは営業マンのクロージング力にあるのかなど、事象を分解していくことで原因を解明することができます。
このようにデータから原因を導き、解決するためのアクションをとることで、予算に対して実績がどこまで伸びるかといった経営判断をすることができます。
2. の機能を活用すると、営業マンと顧客が、例えば「いつ初めて会って、それから何回商談しているか?」などといった残された記録から、両者の関係性を可視化することができます。
もちろん、従来も関係性は担当する営業マンに聞けば誰でもヒアリングできたものですが、その手間を省き、営業マンと顧客との関係性を過去にさかのぼって知ることができる点も重要です。
3.の機能は、すべての営業マンの商談内容を記録することで、アクションが重複することを避けたり、成約までの最短ルートを知ることができるものです。
この機能が優れている点は、引き継ぎが発生する際にも発揮されます。残された商談記録から営業マンが過去の情報をインプットして、非常にスムーズに引き継ぎを行うことができます。
営業支援システム(SFA)とMAの連携について
最後のヒントは、ここ数年で一気に普及したマーケティングオートメーションツールと、営業支援ツール(SFA)の連携についてです。
MAツールを導入する際には、SFAは機能が重複するから必要ないと考える方も少なくないと思います。
何を隠そう筆者も、最初にMAツールの概要を知った時は、既存のSFAは一部淘汰されるのではないか?と考えました。
しかし、様々なクライアントの事例をヒアリングしたり、導入に立ち合ったりした経験から、SFAとMAはシステム的に連携するのは問題なく、実際の運用も問題ないばかり・・・ばかりか、より成果を上げることができると確信しています。
ただ導入しても成果は出ないので、メリット・デメリットを理解してから導入やSFAとの連携に踏み切りましょう。以下もぜひ、参考にしてみてください。
参考:「マーケティングオートメーションとは何を可能にするのか?5つのTIPSで考えてみよう」
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