CRMって、いったいなんでしょう?
その本質を知ると難しくはないのですが、時代やマーケティングの考え方の変遷の中で変化しているため、とっつきにくい難しい考えだと思う人が多いようです。
CRMの詳しい解説は、すでに多くの書籍や文献で見ることができるので、ここではCRMを知る上で外せない要素である「ソーシャルメディア」に着目して、以前と以降で変化したことに、スポットライトを当ててみます。
CRMとは?
CRMは「Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)」の略語です。
顧客との関係性を大事にするという意味では、それこそインターネット以前のアナログな時代における「顧客台帳」に起源を遡ることができるかもしれません。
これは日本に限った話ですが、江戸時代に火事が起こると、商人は顧客台帳を井戸に投げ込んで守ったという逸話もあります。
築き上げた顧客との関係性を記録しているもの=顧客台帳は、それだけ重要なものでした。
顧客台帳は時代とともに変化をしたり、形を変えていったりしますが、顧客との関係性を記録に残し、その顧客との関係性を大事にする本質は、CRMの思想の根底に今も変わらずにあります。
事実、IT化とともにCRMが徐々に世の中に浸透していきました。ただCRMも、言葉のニュアンスや意味するところは変化してきています。
従来のCRMは?
「従来の」と表現すると、どの地点で区切って、前後を語るのかを明確にしないと話が変わってしまいます。
そこで着目したいのは、大半の人々がソーシャルメディアを利用する以前と以降におけるCRMです。その地点を正確に「何年」と言えるものではありませんが、ソーシャルメディア以前とソーシャルメディア以降でCRMも変化しています。
こちらは総務省のデータですが、2012年と2016年時点で30%ほどSNSの利用率が変化していますね。(6つのSNSいずれか利用の場合)
ソーシャル以前(従来)のCRM
ソーシャルメディアが普及する以前は、(ダイレクトマーケティングの記事で触れたように)One to Oneマーケティングを基本として、ダイレクトメール(DM)やクーポン、メールマーケティングを展開していました。
そこで考えることは、顧客ないしは潜在顧客を似たような属性や反応率、購入数や頻度などでセグメントして、最適な施策を展開していくことです。
ソーシャル以降(現代)のCRM
しかし、ソーシャルメディアの普及で状況が変わります。
CRMにおける非常に重要な要素=顧客データに、顧客の趣味嗜好や友人関係、位置情報や気分といった今まで見えてこなかった要素が一気に、しかも膨大に増えたのです。
従来とは比べものにならないほど顧客の情報を深く知ることができ、単なるOne to Oneマーケティングから、ソーシャルメディア上の人間関係を起点とした複雑なコミュニケーションへとCRMが発展していきます。
新世代のCRMとは?
現代のCRMを知る上で、ソーシャルメディアの存在は欠かせませんが、さらに発展した、新世代のCRMでは何が重要になってくるでしょうか?
以前、マーケティングに変革が起きているとコミュニティの記事で書きました。
顧客(買う側)はどんどん売る側との境界線を曖昧なものにしています。
双方向から、より一体的になった「コミュニティ」へ。そしてコミュニティの熱狂こそが現代におけるマーケティングに繋がるのではないでしょうか。
コミュニティを詳しく分解していくことは、この記事にお任せして・・・。
これからのマーケティングには、「コミュニティをいかに作れるか?」といった視点が必要になってきます。(というより、すでに多くの企業がコミュニティづくりにトライしています。)
そういった状況において、新世代のCRMは、「顧客をセグメント分析して、最適な施策を打っていく。」といった現代のCRMを推進するだけではマーケティングの全体像を捉えることはできません。
実際には、顧客のオフラインコミュニティへの参加、またその熱狂をも考慮して、双方の施策を組み合わせていくことが大事になってくるでしょう。
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