「リンゴを想像してください。」と言われれば、皆さんの頭の中には赤くて丸くてヘタがついている果物が描かれるはずです。
現実世界に存在するものや共通のストーリーを共有しているものは、すべての人がだいたい近しいイメージを持っているため、このようなことが実現します。
では、「ブランド価値を想像してください。」と言われたらどうでしょうか?
頭の中に何を描けば良いのか…困ってしまいます。頑張って何らかのイメージを描いても、きっと答えは千差万別でしょう。
おそらくこれは、「ブランド価値を説明してください。」といった質問でも同様で、確固たる共通のイメージがないために、答えは様々なものになるはずです。
今回は、そんな「ブランド価値」にフォーカスを当てていきつつ、ブランド価値を上げるためのアプローチや、ブランド価値を測るファーストステップをご紹介していきます。
ブランド価値とはつまり「ブランド名」に尽きる?
「ブランディング22の法則」という本の中で、著者は以下のような言葉でブランドを言い切ります。
あなたが行う最も重要なブランディング上の決定は、自分の商品やサービスへの命名である。というのは、ブランドとは結局のところ名前だからである。
出典:「ブランディング22の法則」著者:アル・ライズ ローラ・ライズ
筆者自身も過去に別の言葉でブランドを説明してきましたし、ブランドに関する様々な文献を調査しましたが、ここまで痛快に言い切る言葉には珍しいものがあります。
最初にこの言葉に出会った時は、そこまで言い切っても良いものかと逡巡してしまいましたが、ここで思い出した別の言葉があります。
世界的に有名なクラフトビール「ブリュードッグ」の創業者、ジェームズ・ワット氏は著書「ビジネス・フォー・パンクス」でブランドについて、こう述べたのです。
ブランドとは、自分で操ることのできない、人の頭の中にある感情的な反応のこと。つまり、認知の問題なのだ。自分がどう思っているかではなく、他人にどう見られているかが問題になる。
出典:「ビジネス・フォー・パンクス」 著:ジェームズ・ワット
この言葉に従えば、ブランドとは人の頭の中の感情的な反応であり、目には見えないものです。そしてブランド価値とは、それまでにブランドが努力を積み重ねて構築してきた信頼から生まれる、顧客の「感情的な良い反応」のことを指すのではないでしょうか?
そしてその反応が何から生まれるかと言うと、人々がそのブランドを認知したためであり、つまるところ、認知のきっかけである「ブランド名」こそブランド価値だと言えるかもしれません。
ブランド価値を高めるためのアプローチ
では、肝心のブランド価値を高めるためのアプローチには、どのようなものがあるでしょうか?
例えばECを例に挙げると、新しい顧客を増やし、リピートしてもらうことが重要です。だからどれだけ良い費用対効果で新しい顧客が増えたか(CV・CPA)や、継続率といった指標が重要になってきます。
一般的には、コンバージョンやCPA、さらにLTVを見ることでEC事業の成長を観察しますが、果たしてブランディングのの視点でECを見た時に、同様の方法で良いのでしょうか?
考えればわかることですが、「少ないコストで新しく顧客がたくさん増えました」といったことだけでは、そのブランドが顧客に良いイメージを与えているかなどの良し悪しはわかりません。
特にデジタルの世界では相手の顔の表情がわかりませんし、どれくらいブランドに対して信頼感を寄せてくれているのか、あるいは単純に「価格が安いから」といった理由で購入していて、いつでも鞍替えされてしまうのかといったことはわかりません。
ここでとっておきの魔法があれば良いのですが、残念ながら定量的なデータや、時に定性的なデータを駆使して、すべては予想することしかできません。
しかし、ブランド価値を高めるためのアプローチというものは存在します。
一つは、どれだけ顧客とのタッチポイントを増やせるかを考え、そのタッチポイントでどれだけ最適な時間をかけて顧客のエンゲージメントを高めるかといった点を追求していくといったことです。
まずはカスタマージャーニーマップを描き、顧客とのタッチポイントがどこにあって、どうすれば最適なコミュニケーションがとれるか戦略を練りましょう。
ブランド価値を測るためのファーストステップ
最後に…。先ほど指標についても少し触れましたが、すでにお気づきの通りCV・CPAといった指標だけではブランディングの効果を可視化することはできません。
だからブランディングのために存在する”何らかの指標”が必要になるのです。しかし、ここで「ブランディングの効果測定は確立された指標がない」といった悩みにぶつかります。
そこで私たちは知恵を絞り、ブランディングのための新しい指標を作りました。
私たちがご提案するのは、アドエビスで計測が可能な新指標『新規接触率』です。
この新指標を用いると、ブランディングの効果測定を、意外な方法で実現することができます。
もちろん「ブランディング」は定量的なデータだけでは測れない側面もありますが、『新規接触率』を使うことでブランド価値を測るためのファーストステップを踏むことができるのです。
詳しくはホワイトペーパーにまとめましたので、ぜひご一読いただけたら嬉しく思います!
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