企業ブランディングの重要性について、改めて考えることが増えていませんか?
マーケティングに対して多額の予算をかければ新規顧客は増えますし、顧客に継続利用してもらうために、CRMに予算を割くこともできます。
しかし、単純に予算をかけても成果が上がらないものもあります。
それはブランディングです。
特に企業という、時に黒子に徹することもある存在は、まず認知を得ることも難しいため、顧客に好感を持ってもらうことは非常に難しい側面があります。
確かにテレビCMや新聞・雑誌の見開き広告など、多くの人が見る枠を買えば、人々の印象に残ることはできるかもしれません。
ただ、ブランディングは一瞬の出来事ではなく、ブランドと顧客との長い対話のようなものです。時間がかかりますし、手間もかかります。
そこで今回は、企業ブランディングを改めて考える上で有用な3つのTIPSをご紹介します。
1. 企業ブランディングの重要性
誰もが認識している通り、2017年の現代はモノが溢れる時代です。
顧客は数ある商品から自分のニーズに合った商品を選びますが、その理由は様々です。
ある人は価格で選び、ある人は機能で選び、またある人は「何となく」という直感で選ぶかもしれません。
しかし、ただ一つ確実に言えることがあります。
それは、こんなモノが溢れる時代だからこそ、企業ブランディングができている会社ほど、競争優位性があるということです。
なぜなら、顧客は一つ一つの商品詳細を調べて検討することが難しい状況にいるため、信頼できる企業の商品を、迷わず選びたいという心理が働くはずだからです。
また、今は人々がソーシャルメディアで繋がり続ける時代です。そして、それは顧客と企業の関係性においても、同様だと言えます。
多くの企業がごく普通にSNSのアカウントを運用しているので、顧客が望めばすぐにでもSNS上でメッセージを送ることができます。
SNSでの顧客との距離が近い企業、愛されている企業は、FacebookやInstagramのファン数・フォロワー数が多いはずです。(このファン数は、その企業がコツコツと積み重ねてきたブランディングの賜物だと言えます。)
顧客は様々な理由で商品を選びますが、顧客と親密な関係を築けている企業は、SNS全盛期のこの時代において、非常に高い競争優位性を持っていると言えるのではないでしょうか?
2. 企業ブランディングの成功事例
商品単体のブランディングとは異なり、企業全体のブランディングを行うことは簡単なことではありません。
予算もかかりますし、それまで創り上げてきた企業のカラーを再定義するとなると骨が折れます。
それだけに事例も多くないのですが、パタゴニアは世界的に有名な企業ブランディングの成功事例の一つだと言えるでしょう。
パタゴニアは熱狂的な、”信者”とも言えるファンがいることでも知られています。
企業の姿勢や考え方、ブランドの成り立ちなど、すべてをストーリーにして余すところなく徹底的に語るので、単純に商品が良いだけではなく、顧客はそのストーリーに魅せられてファンになります。
創業者のイヴォン・シュイナード氏が書いた「社員をサーフィンに行かせよう」をご存じですか?
この本には、イヴォン・シュイナード氏がパタゴニアを創業するまでの話や、パタゴニアが地球環境に対してどのようなことを考え、どのようなことを試みているのかといった、企業の姿勢や考え方が描かれています。
この本を読むと、パタゴニアが単なる登山用品やサーフィン用品を売る企業ではなく、地球環境に配慮しながら持続可能な社会を創り上げようとする、魅力的な企業に映るはずです。
そして、もしかすると読者は(私もこの壮大な物語の一員として、一緒に地球環境を守っていきたい。)と思うかもしれません。
それくらいパタゴニアが語るストーリーは魅力的ですし、メッセージは心に響くものがあります。
フリースはパタゴニアがパイオニアとして販売してきましたが、ユニクロが安価で質の高いフリースを大量生産しました。登山用品やサーフィン用品も、パタゴニアの成長とともに多くのブランドが世に出て、一定数のファンから支持を得ています。
似たような商品が市場に出回るなかで、それでもパタゴニアが今日存在するのは、企業ブランディングを真摯に行ってきた結果だと言えるでしょう。
3. 2017年の企業ブランディングとソーシャルメディア
2017年の企業ブランディングを考える時に外せないものとして、ソーシャルメディアの活用があります。
今はリアルな場での口コミだけではなく、ソーシャルメディア上で人々が繋がり、話題を口にすることで広まっていく時代です。
話題性が高いトピックはそれだけ拡散されていく可能性があり、企業がメッセージを発信して企業ブランディングに努めるには、ソーシャルメディアの活用は外せないでしょう。
2017年の今、ソーシャルメディアの活用は当たり前・・・真新しいことなど何もない。そう思ってしまいがちですが、このような例もあります。
スプラウトソーシャル(Sprout Social)が先ごろ発表したレポートによると、ブランドがユーモアを示すのは価値があると消費者の75%以上が考えている一方で、皮肉や生意気さを良しとする人は3分の1しかいないことがわかった。
笑わせてくれるブランドから購入してもいいとしたのはわずか36%。それよりも、親しみがもてる(83%)、役に立つ(78%)と思われた方がブランドの売上向上につながる可能性は高いようだ。
出典:DIGIDAY「企業アカウントは「スラング中毒」にご用心という調査結果」
これは海外企業のアカウントが、スラングを使ったり、練りに練ったジョークをソーシャルメディア上で発信したものの、アンケートをとると購入動機に繋がっていなかったという話です。
ソーシャルメディアの活用が大事だと言っても、顧客の表面的な反応だけを見て運用してしまうと、結果的に企業ブランディングに良い影響を与えない可能性もあります。
以前、ブランディングの意味を「人々が企業・商品に抱く良いイメージを醸成すること」とお伝えしました。
その”醸成”は、一朝一夕では完成しません。2017年の今こそ、基本に立ち返って顧客との関係構築に力を入れるべきではないでしょうか?
最後に・・・。広告の効果測定はCPAやCTR、CVRといった指標があるため非常にわかりやすい一方で、ブランディングの効果測定は確立された指標がないといった悩みがあります。
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