アドエビスマーケラボでは何度もご紹介している「カスタマージャーニーマップ」ですが、今回はその「目的」にフォーカスしてお伝えしたいと思います。
何事を始めるにも目的意識というのは非常に大事です。マーケティング戦略を考える上で、ただ「新しい手法だから」といった理由で取り入れた結果、長続きしなかった経験はありませんか?
カスタマージャーニーマップも同様です。チームで意気込んでマップを作っても、それを作る目的が共有できていなかったら、残念な結果になりかねません。
今回は、カスタマージャーニーマップについて基礎情報を振り返るとともに、なぜカスタマージャーニーマップを作る必要があるのか、その目的に迫りたいと思います。
1. カスタマージャーニーマップとは?
まずは実際にカスタマージャーニーマップを見てみましょう。
出典:adaptivepathーThe Anatomy of an Experience Map
これは、鉄道会社Rail Europeの乗車体験をカスタマージャーニーマップに落としこんだものです。ペルソナ、消費行動、タッチポイント、心理状態や改善事項などが詳細に書かれています。(出典元のサイトでは拡大が可能です)
カスタマージャーニーマップとは、このように顧客(カスタマー)が商品やサービスを認知したり、購入したりする際の一連の動作を旅(ジャーニー)に見立て、それらを地図(マップ)したものを指します。
※より詳しく知りたい方は、以下のコンテンツを参考までにご覧ください!
「カスタマージャーニーマップの作り方5ステップ&国内・海外事例5選!」
「カスタマージャーニー分析の具体例&注意点3つ〜隠れた効果を明らかに?〜」
「【カスタマージャーニーマップ海外事例10】ビジュアルで理解するとわかりやすい!」
「カスタマージャーニーとは最適な体験を顧客に提供するための地図だ」
2. カスタマージャーニーマップを作る3つの目的
それでは、ここからカスタマージャーニーマップを作る目的に迫りたいと思います。
先ほどご覧になった通り、しっかりとマップを作ろうとすると、簡単な作業ではないことがわかります。
筆者も実際にマップを作ったことがありますが、1〜2時間では終わらず、チーム内で議論が起こったため修正が発生するなどして、なかなか完成まで辿り着きませんでした。
そこまでの苦労をして作るのですから、やはり目的をしっかりと認識して、チームで共有したいところですよね?
2-1. 顧客の購入プロセスを理解する
カスタマージャーニーマップを作る大目的として、『顧客の購入プロセスを理解する』ことが挙げられます。
初めて作る商品でもない限り、ブランド側の人間はすでに存在する顧客を観察して、なんとなく顧客のことを誰よりも知っている気になりがちです。
すでに想定している購入までのプロセスは当然あるはずですが、果たして本当にそれで合っているのでしょうか?
顧客がブランドを認知して購入に至るまでのプロセス、つまりカスタマージャーニーは非常に複雑で多岐に亘ります。
御社が複数のマーケティング施策を連動させていたら、その傾向はより強くなるでしょう。
その点、カスタマージャーニーマップを作ることで、なんとなく知っている顧客像について考える機会を得る上に、今まで想定していた『認知から購入までのプロセス』を確かめて、より深く理解することができるのです。
2-2. チームで一枚の絵を共有する
つづいての目的は、『チームで一枚の絵を共有する』ことです。
これは1人でマップを作っても実現できない目的ですが、チームで作る場合も、マーケティングに関わる人だけではなく、できればPR・ブランディング・営業といった方々と一緒にカスタマージャーニーマップを作ることを推奨します。
マーケターだけでは出てこない新しい視点も得られますし、何よりチームで作ることで、完成したあとも引き続きマップを使って話すことができます。
チームで一枚の絵を共有することで、カスタマージャーニーマップに基づいた施策や戦略について、部署を超えて話すことができるでしょう。
2-3. 顧客とのタッチポイントを明らかにする
最後の目的は、『顧客とのタッチポイントを明らかにする』です。
昨今のデジタルマーケティングにおける一つのテーマとして、「いかに潜在層に対してアプローチするか?」といったものがあります。
CPAを指標にしていた従来型のマーケティングでは、この潜在層に向けてのアプローチを可視化することはできませんでした。
しかし、アトリビューション分析を用いることで、直接的にはコンバージョンに影響しなくても、間接的に影響を与えるアプローチを明らかにすることができます。
そして、さらにカスタマージャーニーマップを作ることで、顧客が購入に至るまでのタッチポイントを明らかにして、そのタッチポイントごとにどのような施策を打つべきかを、検討しやすくしてくれます。
現代のデジタルマーケティングにおいて重要な「潜在層マーケティング」は、カスタマージャーニーマップを作り、顧客とのタッチポイントを明らかにすることで、より精度を高めることができるでしょう。
3. カスタマージャーニーで変わる目的意識
最後に、カスタマージャーニーマップを作ることで変わる「目的意識」についてお話します。
カスタマージャーニーマップを作ることで、タッチポイントをチーム内で共有できますね。
このことで、「これは潜在層向けの認知を広げるための広告」「これは認知を得たあとに、さらに理解を促すための施策」といったように、マーケティング戦略を練る際に各施策に目的意識が芽生えます。
もし今まで、CPAベースで「獲得」を前提にして、通り一辺倒に広告・施策を見ていたなら、カスタマージャーニーマップを作ることで、それぞれの目的意識が変わります。
潜在層から顕在層まで幅広いマーケティング戦略が求められる現代において、私たちマーケターがそれぞれの施策に目的意識を持って望むことは、非常に重要なことではないでしょうか?
ちなみに、私たちが提供するカスタマージャーニー分析というサービスを使うと、顧客のタッチポイントを自動的に可視化して、各施策がコンバージョンにどのような影響を与えているかを明らかにすることができます。
詳しく知りたい方は、ぜひこちらのリンクから、カスタマージャーニー分析の詳細をチェックしてみてください!
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