ブランディングとマーケティング(Appleとコトラーとドラッカーに学ぼう)

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ブランディングとマーケティング。いずれもよく耳にする単語ですし、読者の方もなんとなく口にすることもあるかと思いますが、その意味について、しっかりと理解は出来ていますか?

アドエビスマーケラボでは、何回かにわたりマーケティングとブランディングについて考えてきました。

簡単に使える言葉だからこそ、今一度ちゃんと意味を考えてみることは大事です。

今回はブランディングとマーケティング、それぞれの意味を含め、一体どのような違いや関係性がある単語なのか・・・Appleとコトラーとドラッカー、それぞれからヒントをもらって学んでみましょう。

1. ブランディングの意味とは?

まずはブランディングについてです。

ブランディングと聞くと、多くの方は「ブランド」という言葉を思い浮かべるでしょう。そこには高級感や、希少性、革新性などが感じられるかと思いますが、ブランディングとは、そのような「人々が企業・商品に抱く良いイメージを醸成すること」説明できます。

例えばAppleを率いたスティーブ・ジョブズ氏ですが、彼が経営権を握った時代を含め、いわゆる市場調査のようなマーケティングはしませんでした。

彼らが行ったのは、デザイン性と機能性に富んだ、見たこともない素晴らしいコンピューターや音楽製品、携帯電話を世に送り出すということです。

同社は、1997年にあるCMを流しました。「Think Different」と題されたこちらのCMでは、同社製品について、一切語られていません。一度中身を見ていただければわかりますが、語られているのは、世界を変えてきた人々についてです。

Appleが訴求したのは、商品ではなく革新性という“イメージ”です。同社は消費者に対して“なんだかかっこいい”“最先端の商品を展開している”などの良いイメージを植え付けることに成功しました。

結果、人々はパソコンやスマートフォンを購入するという体験よりも、“Appleの製品を購入する”という体験に熱中し、同社は今のポジションを獲得するにいたりました。これはAppleのブランディングの賜物です。

ブランディングに成功すれば、(Appleがそうであるように)企業として収益を獲得する力も上がりますし、B to B/Cの交渉ともに優位に立つことができるので、支出を減らすことも可能になります。

また、優秀な人材を、他社よりも安いコストで雇用することもできます。企業はこうした成功体験を得るために、毎年ブランディングに多額の予算をかけるわけです。

参考:「ブランディングの意味|Appleにとってブランディングとは何だったのか?」

2. ではマーケティングとは?

さて、次にマーケティングとは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。

日常で頻繁に使われる単語だからこそ、その意味を問われると困るものですが、この言葉を最も論理的に解説しているのは、フィリップ・コトラーではないでしょうか?

「(マーケティングとは) ニーズに応えて利益を上げること」
「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること。」

出典:『コトラーのマーケティング・マネジメント ミレニアム版』ピアソンエデュケーション 著者:フィリップ・コトラー 翻訳:恩藏 直人

つまり、コトラーが考えるマーケティングとは『顧客のニーズを知り、そのニーズに応えることで利益を上げる』ことであるということができます。

しかし、Appleの例で言えば、顧客でさえも自分たちのニーズをわかっていなかった状況で、ジョブズは数々の製品を世に出し、熱狂的な支持を得るに至りました。

これはドラッカーが説く「顧客を創り出す」の方が近いと言えるでしょう。

つまり、顧客を見つけ(創造し)、PDCAを回しながら顧客の状況を確認し、商品やサービスを改善する、これによって利益をあげること。こういった一連の活動を、マーケティングだと捉えることもできます。

参考:「マーケティングの仕事って何?コトラーの力を借りて3つに分解してみた」

3. ブランディングとマーケティングの違いとは

さて、ブランディングとマーケティングの意味について理解できたところで、その相違点についても確認していきましょう。

米顧客分析企業Kissmetricsは、ブランディングとマーケティングの違いについて、図を用いて、次のように解説しています。

Marketing is the set of processes and tools promoting your business. This includes SEO, social media, PPC, local search, mobile, and traditional promotional methods and tools. Branding, on the other hand, is the culture itself, the message that permeates and rules all the process of your business.(マーケティングは、ビジネスを促進するためのプロセスおよびツールのことを指します。そこには、SEOやソーシャルメディアやPPCのほか、ローカル検索、モバイル、そして伝統的なプロモーション・メソッドやツールが含まれています。一方、ブランディングはカルチャーそのものということができます。ビジネスのプロセスを浸透させ規定するメッセージのような存在です。)

出典:Kissmetrics「Where Marketing Ends, Branding Begins」

先の章で、マーケティングは「顧客を見つけ(創造し)、PDCAを回しながら顧客の状況を確認し、商品やサービスを改善する、これによって利益をあげること」としましたが、ここでは「ビジネスを促進すること」という言葉で表現されています。

一方で、ブランディングは「カルチャーそのもの」だと言われていますね。

ブランディングを「人々が企業・商品に抱く良いイメージを醸成すること」だと考えると、そのためのカルチャーが育まれるには時間がかかりそうです。

ビジネスを促進していくマーケティングに比べて、時間をかけて醸成し、育んでいくブランディングは長期的な視点を持って臨む必要があり、そういった意味では時間軸には大きな違いがあると言えるかもしれません。

4. ブランディングも効果測定が大事

ブランディングとマーケティングの意味について、しっかりとご理解いただけたでしょうか?

営利企業が繁栄を続けるには、利益をあげ続けるしかありませんが、その中でマーケティングは欠かすことのできない存在ですし、ブランディングも重要な要素の1つです。

現代は、スマートフォンの普及などにより、顧客と情報とのタッチポイントが増加し、複数行ったマーケティング戦略の効果測定を行うことが難しくなっています。

マーケティングにおいては当然ながら、今やブランディングにおいても、予算を効率的に配分し、合理的に成果を得るために効果測定をしっかりとしていくことが大事です。

もし、効果測定でお困りのことがあれば、私たちはアドエビスという効果測定ツールを提供していますので、ぜひチェックしてみてください。

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