「まだCPAで消耗してるの?」と、今回は少し過激なタイトルにしました。しかし、今なおCPAを重要視するマーケティングを展開していたら、それは事業の本当の意味での成長に貢献していない可能性があります。
長期的な視点で事業を見た時、成長を下支えするのは当然ながら既存顧客が生む利益です。つまり、顧客の生涯価値=LTVを伸ばすことが事業の成長に繫がるのです。
しかし、いつまでもCPAを指標にしたら、経ってもLTVを伸ばすことはできません。ただ、頭ではわかっていても、なかなか今までの慣習(CPAベースの効果測定)を変えていくことは難しいですよね?
そこで今回は、「LTV分析」がますます重要になる理由を3つにまとめました。まずは、CPA重視で展開された過去を振り返ってみましょう。
CPA重視で展開されたWEBマーケティング施策
過去を振り返ってみると、遡ること4,5年前(2011・2012年頃)は、CPA重視でWEBマーケティング施策が展開されていました。
CPAを重視して新規顧客の獲得に注力すれば、すぐに成果という目に見える形で結果が返ってきます。するとCPAさえ良ければ、予算をかけるだけかけても良いと判断するようになります。
おそらく多くのマーケターが、頭ではLTVが大事だと重々わかっていたはずですが、やはり目に見える目先の結果を追い求めてしまったのでしょう。この風潮は少なからずあったように思います。
1.「1:5」の法則|既存顧客との関係構築が重要
それでは「現在」に時計の針を戻し、CPAではなくLTVがますます重要になっていく3つの理由を見ていきましょう。
一般的に新規顧客の獲得の為のコストは、既存顧客の5倍かかると言われています。つまり、本来であれば既存顧客が継続的に商品・サービスを購入してくださる方が、事業としてはコストがかからず利益を出しやすいのです。
これは1:5の法則として知られています。
しかし、CPAを重視するマーケティング施策を展開すると、5倍のコストがかかる(と言われている)新規顧客に注力して、既存顧客のLTVを伸ばしていくためのアプローチを怠ってしまう可能性があるのです。
つまり、新規顧客を増やすことも大事ですが、既存顧客との関係構築を重要視する方が理にかなっています。そのため、既存顧客のLTV分析を行い、最適な施策を検証していくことが重要になってくるのです。
2. CPAを下げるアプローチの限界
特にWEB広告の場合、新規顧客を獲得するためのアプローチには限りがあります。
当然ですが、商品・サービスに顕在的なニーズを持つ顧客よりも、潜在的なニーズを持つ顧客の方が多いです。それは、まるで氷山が海面から出ている部分(顕在層)と、海中にある部分(潜在層)を想像していただくとイメージできるかと思います。
リスティング広告やリターゲティング広告が、時に刈り取り広告などと呼ばれることからもわかる通り、顕在的なニーズを持つ顧客にアプローチし尽くしてしまうと効果には限界がきてしまいます。
そのため、私たちマーケターはCPAではなくLTVという指標を追って、既存顧客への継続的なコミュニケーションをとる必要があるのです。
3. どんな顧客の心を動かしたか?がわかる
LTV分析から、顧客が商品・サービスを継続的に購入してくれているかがわかります。
つまり、ただ顧客が物珍しいから、あるいは試しに・・・といった理由で購入してそれきりではなく、商品・サービスの価値に共感して、継続的に購入していただいているのかがわかるのです。
言い換えると、その商品・サービスが顧客の心を動かしたかどうか?といった点が、LTV分析からわかると言ってもよいでしょう。
もちろん定性的な顧客の心理は、アンケートやリサーチなどを重ねることで紐解くものですが、LTVが高い顧客を分析することで、どのような商品・サービスが、どんな顧客の心を動かしたのかを知ることができます。
まとめ
テクノロジーは進化を続け、過去に比べると精緻なマーケティング施策の効果測定ができるようになりました。
ますます複雑化するマーケティング施策ですが、CPA評価から脱することで、LTVに目を向けて事業の本当の意味での成長に貢献することができるはずです。
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