マーケティングとは何でしょうか?
誰しもが耳にする言葉なのに、端的に説明するとなると難しいものがあります。
基本的には「顧客が本当に求めるものを知り、作り、価値を伝えて、届けること(また、その一連の考え方)」をマーケティングと言いますが、「売れる仕組みづくり」と言う人もいれば、マネジメントの大家ドラッカーが「販売を不要にすること」と言ったように、解釈の幅は多様です。
セールス(売り込み)ではないし、ブランディングともちがいます。
マーケティングは奥が深く、一筋縄ではいきません。それだけに多くの企業が頭を悩ませ、そして試行錯誤を繰り返しています。(御社もきっとそうではないですか?)
さて今回は、そんなマーケティングにスポットライトを当てて、3つの視点で紐解いていきたいと思います。
1. 顧客を知る
さて、マーケティングにおいて真っ先すべきことは何でしょうか?
この問いは、Microsoftを創業したビル・ゲイツの行動にヒントがあります。ビル・ゲイツは商品を作るよりも先に顧客になりそうな人に会いに行き、まだ存在しない商品を売ってしまいました。
そう、マーケティングにおいて何よりも真っ先にすべきことは、「顧客を知ること」なのです。
さらに「ニーズは探すもの、需要は創るもの」と言いますが、顧客ニーズと顧客需要は必ずしも同義ではありません。「ドリルを欲している顧客のニーズは5ミリ程度の穴である」という言葉をご存じですか?
つまり顧客が欲しているものがニーズなら、それを解決するものを具現化したものが需要です。そして、それが具現化されたものが適正価格と判断されれば、需要は購買につながります。
マーケターが市場調査をよくするのは、本当のニーズは何なのかを探るためです。
スティーブ・ジョブズはニーズを知る天才で、顧客は本当に何が必要なのかわかっていないと言いましたが、彼は人間の根本欲求を知る天才でした。そして誰よりも彼自身、彼が創造する製品の顧客であり続けました。
しかし、ほとんどの人がジョブズにはなれません。
マーケティングにおいて、まずすべきことは「顧客」について知ることです。
2. 需要とニーズを理解する
次に、需要とニーズを理解しましょう。
顧客の需要は一人一人違いますが、もしかしたら本質的なニーズは同じかもしれません。
私たちは需要を相手にしているのか?ニーズを相手にしているのか?それを分かったうえで行動する人を「マーケター(Market-er)」と呼びます。
売るという行為は需要に働きかけますが、マーケッターはニーズに働きかけます。顧客に欲しいと思わせ、顧客から「買いたい」と言わせることが目標になります。
ただし、これはあくまで理想です。売り込みが全くなく物が売れるかといえば、それは難しいものがあります。
マーケティングにおいて大事なことは、顧客に「買いたい」と言わせる小さな工夫を、どれだけ重ねられるか?にあります。そのためには顧客を知った上で、さらに顧客の需要とニーズの双方を理解することが大事です。
付け加えるなら、企業が良いマーケティング活動をするには、需要とニーズの双方を理解するマーケッターを雇う必要があるでしょう。
3. 市場を創造する
市場(Market)は、需要を満たしてくれそうなもので溢れています。そして、その価値の対価が発生し続ける場所に「市場」が生まれるのです。
市場には常に新参者が訪れ、価値と感じてくれたものに対価を支払ってくれます。あるいは、その需要を満たし続けることができれば、既存顧客として居続けてくれます。
需要を満たす優れた価値の提供、顧客として居続けてもらうためのリレーション、この2つがマーケティングの目標です。
しかし、市場は流動的で時代の移り変わりと共に変化します。
市場に応えることもマーケティングですが、ドラッカーの言葉を借りるなら、イノベーションを起こして顧客を創造し、市場を創造することが究極的なマーケティングだと言えるでしょう。
スティーブ・ジョブズ率いるAppleは、市場調査をはじめとする「顧客を知るためのマーケティング」をしなかったことで有名ですが、新たな市場を創造し続け、世界中のファンを虜にしてきました。
今回のまとめ
今回は「マーケティングとは何か?」といった本質的な疑問に対して、3つの視点で紐解いてきました。
「顧客を知り、ニーズと需要を理解して、市場を創造する。」……マーケティングとは正解がないものです。様々な工夫を凝らして、あなたなりの正解を探してみてください。
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