顧客との関係性を深めることで、顧客が抱えるニーズを理解したり、まだ表に出ていない隠れたニーズを引き出したりすることができます。
かつては営業マンの経験や直感を頼りに行なっていた「顧客深耕」は、インターネットの浸透やテクノロジーの発展によって、その形をすこしずつ変えてきました。
今回は、改めて顧客深耕について考える過程で、成功するためにはどのようなことを考えるべきなのか、そのヒントに触れていきましょう。(ヒントは3つ挙げました。)
なぜ顧客深耕が必要か
そもそもの話になりますが、なぜ顧客深耕が必要なのかを考えたことはありますか?
ここでは、2つの理由を挙げて解説します。
- 新規顧客への販売コストは5倍
- 新たなビジネスチャンスの開拓
新規顧客への販売コストは5倍
顧客は大きく2つのグループ、新規顧客と既存顧客に分けることができますね。
ここで質問ですが、1:5の法則をご存じですか?
エビスマーケティングラボでも何度かご紹介していますが、これは新規顧客への販売コストは既存顧客の5倍かかるというものです。
倍ではなく、5倍です。どれだけ新規顧客を増やすのが難しいかがわかりますね。筆者は過去にECの経験がありますが、確かに新規と既存では、それくらいの乖離があると感覚値でわかります。
新規顧客を増やすことももちろん大事ですが、顧客深耕に力を入れて、販売コストがかからない既存顧客のニーズを発見したり応えたりすることは重要なことです。
新たなビジネスチャンスの開拓
顧客深耕で新たなニーズを発見することは、新たなビジネスチャンスを開拓することに繋がります。
顧客から「こういう機能が欲しい。」「こんなサービスがあったらお金を払う。」といった声を聞き、実際にビジネスに繋がった例は枚挙にいとまがありません。
こうした声をいつでも聞けるような関係性を作ること、そしてその声を新たなビジネスチャンスに活かすアクションはとても大事です。
絞ることこそマーケティング
さて、ここですこし視点を変えてみましょう。顧客深耕の対象は、顧客であれば誰でも良いのでしょうか?
マーケティングの観点で考えると、顧客は絞れれば絞れるだけ良いとされます。
ペルソナを用意するのも、ターゲットという言葉を使うのも、対象となる人をより鮮明にイメージするためで、その行為は「顧客を絞る」とも言い換えられます。
顧客深耕の対象を考える時に、この考えを忘れてはなりません。
得たい情報を得るためには、すべての顧客を対象にする必要はないはずです。誰を対象とすべきか、その対象を絞りましょう。
それに現代にはマーケティングオートメーションという優れものが味方してくれます。MAツールのスコアリング機能で対象となりそうな顧客を発見することで、より効率よく顧客深耕を進められるはずです。
顧客は自分のニーズを知らない
最後となりますが、「顧客は自分のニーズを知らない」ということは覚えておいた方が良いでしょう。
顧客深耕をうまく進めても、顧客は時に顧客自身の内なるニーズを正確には知らない場合が多いのです。
「ドリルと穴」というマーケティングの話が有名ですが、顧客は「ドリルが欲しい。」と言いますが、本当は穴を開けたいだけですよね?
このように顧客は自分が本当に欲しいものがわかっていない、あるいは伝えられないこともあります。
顧客と距離が近づけば近づくほど、顧客の言葉の裏にある本当のニーズを掴もうとする意識を高めるべきです。顧客深耕で得られる一次情報こそ、企業にとって宝物になるのですから。
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