リトルブランドが熟考すべきマーケティング戦略も、<その3>に続き<その4>です。
ここまで、資本力もなく、これから成長していこうとするリトルブランド(小さなブランド)の成長フェーズを3つに分けて、それぞれのフェーズで熟考すべきマーケティング戦略を考えてきました。
2つ目のフェーズ「コミュニティの発展/プロダクト開発フェーズ」では、ブランド側が考えるプロダクトのベネフィットや使い方と、顧客の実際の様子にズレがあり、それをコミュニティや共創マーケティングで修正していく戦略について考えました。
最後となる<その4>では、プロダクトが改善を重ねた結果、広告を使って”広く告げる”ことで売上を上げられる段階に入ったフェーズにおいて、どのようなマーケティング戦略をとるべきかを見ていきましょう。
以前もお伝えしましたが、事業の性質やビジネスモデルは千差万別なので、どのブランドにも必ず当てはまる普遍的なものではありません。あくまで参考までに、見ていただけると幸いです。
リトルブランドの成長3フェーズ
3. 唯一無二のプロダクト/広告フェーズ
唯一無二のプロダクトとは、家具であれば素材が良いとか、食品であれば素材が良いといった要素だけで作るのは難しいものがあります。
ブランドが持つ世界観やメッセージ、背景にあるストーリー性、かつそのブランドに集まる人々の繋がり(コミュニティ)も含めて、唯一無二の存在へとなっていきます。
ここでの理想の形は、今までのフェーズで作ってきたコミュニティがベースにあり、プロダクトが独自の改善を続けた結果、唯一無二の存在になっていく状態です。
このフェーズまで達成できると、ブランド自身も自らの特長を理解して、潜在顧客にどのような提案をすると響くのかがわかります。
さらに、口コミをベースに認知度がすこしずつ上がっているはずなので、比較的短いタッチポイントでも、認知をさらに促進したり、新しい顧客を増やしたりできる状態だと言えます。
ようやく広告に力を入れて、CPAやLTVを見ながらアクセルを踏めるフェーズになったと考えられます。
ただリトルブランドである以上、潤沢な資金はありません。
出稿先はなるべく絞り、新しい顧客を一気に増やすためのバナー広告や、なるべくストーリーをしっかり伝えられる広告(記事広告やネイティブアドなど)を組み合わせて、どちらにしても良いメディアを厳選しましょう。
リトルブランドはストーリーを「深く」伝えること
さて、ここまで3つのフェーズでのマーケティング戦略について考えてきました。
もうお分かりかと思いますが、ブランドストーリーを伝えるのは、時間がかかります。
運よくタッチポイントを作れたとして、そこからさらに人々のアテンションを集め続け、ストーリーを伝えるのは至難の技です。
なんどもなんども、根気よくアプローチし続ける必要があります。
フェーズ1と2では、広告を使わずにコミュニティを作り、プロダクトを共創で作り上げていく過程を顧客と共有しました。
そして、<その1>で「広告は基本的に一瞬ないしはそれに準じる、比較的短い時間での出会い」とお伝えした”広告”を、遂にフェーズ3では積極的に使っています。
こうして振り返ると、本稿では時間がかかるブランドストーリーの浸透を身近な人々(小さなコミュニティ)からすこしずつ、「広く」ではなく「深く」を重視して発展させていくマーケティング戦略をとりました。
なんどもお伝えしていますが、これが正しい方法で他が間違っているということではありません。ただリトルブランドは、資本力がない代わりに良いストーリーを持っています。(あえて言い切りました)
そのストーリーを思いっきり活かして、このような戦略をとることはできます。実際に、今までご紹介したブリュードッグも、近しい戦略で大きなブランドへと変貌を遂げています。
全4回にわたる連載、ご一読ありがとうございました。
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