<その3>3フェーズごとにリトルブランドが熟考すべきマーケティング戦略

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リトルブランドが熟考すべきマーケティング戦略も<その1><その2>に続き<その3>です。

ここまで、資本力もなく、これから成長していこうとするリトルブランド(小さなブランド)の成長フェーズを3つに分けて、1つ目の「無名でプロダクト力が弱いフェーズ」におけるマーケティング戦略を考えてきました。

まとめると、オンラインでは広く告げる”広告”に力を入れるのではなく、ブランドストーリーを伝えるコンテンツをつくること。

そして、オフラインではブランドが内包しているストーリーや、ブランドが目指すべき未来に共感する人々、その未来のために何かを探求していこうとする人々を、すこしずつで良いので集めていくことをお伝えしました。

以前もお伝えしましたが、事業の性質やビジネスモデルは千差万別なので、どのブランドにも必ず当てはまる普遍的なものではありません。あくまで参考までに、見ていただけると幸いです。

リトルブランドの成長3フェーズ

<その3>では、成長3フェーズの2つ目である「コミュニティの発展/プロダクト開発フェーズ」を見ていきます。

2. コミュニティの発展/プロダクト開発フェーズ

ここまで、再三ブランドの立ち上げ期はまだプロダクト力が弱いと言ってきました。

それはプロダクト自体の特長がまだ発見されていない、といった視点でも表すことができます。作り手が考えるプロダクトのベネフィットや使い方を、そっくりそのまま思った通り顧客が受け取り、体現するかと言うと、それは必ずしもYESとは言えません。

P&Gのファブリーズが発見したズレとは?

例えばファブリーズでも同じようなことがありました。消臭するためにシュッとひと吹きファブリーズを使うことは、今でこそよく知られるようになりましたが、P&Gが開発した当時は人々にそんな習慣はありませんでした。

それゆえ、P&Gは最初ファブリーズのベネフィットをそのまま「消臭」にしたのですが、人々にうまく浸透しませんでした。

そこで、彼らは人々が掃除をする様子を穴があくほど観察し、掃除の最後にスッキリする瞬間があり、その瞬間にファブリーズをひと吹きする習慣を組み込めるのではないかと気づいたのです。

それはまさに、ブランド側が考えるプロダクトのベネフィットや使い方と、顧客の実際の様子にズレがあり、それを修正した良い気づきでした。その後、ファブリーズが人気商品になったことは、誰もが知るところでしょう。

コミュニティの発展によるプロダクト開発

さて、こうしたズレに気づくには、絶え間ない顧客の観察と、顧客の声にならない声を拾い上げるコミュニケーションが必要です。

以前からエビスマーケティングカレッジでは、コミュニティ共創マーケティングといった切り口で、顧客の課題を観察して、声を集めて顔が見える共同体を作り、共創といった形をとってプロダクト開発をしていく方法をお伝えしてきました。

ことリトルブランドにおいては特に、こうした人々の繋がりや、繋がりから生まれるプロダクトのアイディアを大事にするといったことが大事になってきます。

1つ目の「無名でプロダクト力が弱いフェーズ」で、どれだけブランドが内包しているストーリーや、ブランドが目指すべき未来に共感する人々、その未来のために何かを探求していこうとする人々を集めることができるか、そして、その人たちと一緒にプロダクトをより良くしていけるかが、このアプローチにはかかっています。

まとめると、すこしずつブランドが軌道に乗っていく段階である2つ目のフェーズ、「コミュニティの発展/プロダクト開発フェーズ」では、コミュニティを発展させ、顧客とのコミュニケーションからプロダクトのズレを修正し、プロダクトをより良くしていくことが求められるのです。(<その4>に続く)

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