さて今回は<その1>につづく<その2>です。
本稿の主旨は、リトルブランドの成長フェーズを3つに分けて、どのような発想でマーケティング戦略を練れば良いのか?といった疑問を解き明かそうというものです。
リトルブランドというのは造語で、資本力もなく、これから成長していこうとする『小さなブランド』といった意味を込めています。
事業の性質やビジネスモデルは千差万別なので、どのブランドにも必ず当てはまる普遍的なものではありませんが、参考までに見ていただけたらと思います。
リトルブランドの成長3フェーズ
それでは<その1>から引き続き、成長3フェーズの1つ目である「無名でプロダクトが弱いフェーズ」を見ていきましょう。
1. 無名でプロダクト力が弱いフェーズ
立ち上がったばかりのリトルブランドは、プロダクトの力もまだ弱いという前提です。
特に日本のように競合商品がたくさんある場合、資本力が十分あった上で一目瞭然のわかりやすい特長でもなければ、プロダクトの力だけで売上を上げていくのは難しいものがあります。
1-1. 広く告げるよりも大切なこと
そこで大事になるのは、広告に資本を投下して「広く告げる」のではなく、地道にコンテンツを作り、ストーリーを伝えていくことです。(ここまでの内容をさらに詳しく書いたのが、<その1>です。)
1-2. 人と人の顔が見えるコミュニティ
しかし、たとえ広告を使わないとしても、伝える努力は最大限にしたいものです。
プロダクトやブランドのストーリーを伝える方法は、何もオンライン上のコンテンツだけではありません。
「広く」がむずかしくても、「狭く」であれば「深く」伝えることができます。
そこでリトルブランドがチャレンジしたいのは、小さなコミュニティを作っていくことです。
以前お伝えしたように、コミュニティとは、「共同体」「何らかの共通意識をもった社会、グループ、組織など」といったような意味です。
また、コミュニティには探求が必要だともお伝えしました。
最初からプロダクトを中心とした人の繋がりができれば、それに越したことはありませんが、ブランドが内包しているストーリーや、ブランドが目指すべき未来に共感する人々、その未来のために何かを探求していこうとする人々を、すこしずつで良いので集めていきましょう。
そうした人々は必ずブランドにとって力になってくれるでしょう。
それは例えば口コミをしてくれたり、プロダクトの使い勝手についてフィードバックをくれたり、本当に人手が足りない時には手伝ってくれるかもしれません。
リトルブランドは、起点となる小さなコミュニティを通じて、ブランドの思想や哲学、プロダクトの良い点などをしっかりと「深く」伝えていく必要があります。
今後のフェーズで広告を使うと、売上が指数関数的に上がっていく可能性があります。しかし、その前のフェーズでどれだけ人と人の顔が見えるコミュニティを作り、情報が伝播していくベースを作れるかは非常に重要なことです。
このフェーズでコミュニティが作れず、そのコミュニティ内(ブランドに好意的な人々の輪の中)でプロダクトが売れないのであれば、マーケティングメッセージに誤りがあったり、十分に共感できるストーリーがないのかもしれません。
もしそうであれば、ここでメッセージやストーリーの伝え方、ブランディングを見直すことが求められます。コミュニティをそのための試金石と捉えることもできます。(<その3>につづく)
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