見込み客(リード)の獲得と育成を効率的に進めるために、欧米を中心に多くの企業が「マーケティングオートメーション(以下、MA)」を取り入れています。
日本でも、2015年になってからMAが大きな注目を集めるようになりました。そこで今回は、国内外で注目されているMAについて解説します。
MAで実現できること
これまで営業活動管理はSFA(営業支援システム)が利用されてきました。
しかし多くのSFAは「見込み顧客の創出」「顧客ニーズの醸成」といった、一連の顧客活動を紐付ける機能が十分ではありませんでした。この弱点を補うために生み出されたのがMAです。
最近は、CRM上で管理されている既存顧客のデータまで紐付けられるようになっています。
MAにデータを一元管理し、全ての営業活動プロセスを「見える化」することで、下記3つができるようになってきました。
1. 顧客についてより詳細に知ることができる
CRMで管理されている顧客のデモグラフィック情報や問い合わせ情報などをWEB活動履歴と紐付けて、何を知りたいのか、何に困っているかが見えるようになってきた。
2. セグメント分類からOne2Oneへ
今まである程度にセグメント分けして、そのグループ内でのCVRを比較し合っていましたが、データを一元管理することでOne2Oneマーケティングができるようになってきた。CVRも0か1のいずれかしか見ない人が来る日も近い。
3. “カスタマージャーニー”を設定し効果検証を行う
個人単位でカスタマージャーニーを設定・検証を行うこともできます。商品を受け取って1時間以内にPush通知を送付すれば開封率はX%という仮説を立てたとして、実際にその通りになったか、自動実行・自動検証が可能になってきました。閾値を設け、それ以下であればPush通知を止めることもできるようです。
MAは、顧客像やセグメントに沿った適切なカスタマージャーニーの策定と改善を繰り返すうえで役立つツールに進化しています。策定した施策を自動で実行してくれるのも魅力の1つでしょうか。
B2BとB2Cビジネスにおいて異なるMAの役割とは?
MAはB2B領域とB2C領域で用途が大きく異なると言われています。
B2B分野では、潜在層の中からコンバージョンに到達するまで、各プロセスを設けて、いかに顧客を顕在層にするかという目的で利用されていることが多いようです。
そのために顧客行動をポイント化して、特定のポイント領域毎にメール文面を変える、セールストークを変えるなどの活躍をしています。
一方でB2C分野では、One to Oneマーケティングとして顧客行動により沿った施策を行うために利用されることが多いようです。
顕在層を見出すというよりも、それぞれの顧客に合わせたマーケティングプロセスをカスタマイズするために利用されていると言えます。
2016年以降、MAはどう変わっていくのか?
2015年はMA元年と言われており、一部の先進的企業でMAを導入する動きが加速しました。2016年は市場拡大が続き、より多くの企業でMAの利用が普及すると予想されます。
それに伴ってMAのツールとしての機能や役割も、大きく進歩することが見込まれています。
現在のMAは、スケジュール管理の自動化や顧客行動のアクション管理の自動化などが主な用途となっています。今後は「個人にフォーカスしたマーケティング」を進める上で必要となる機能が増えると言われています。
MAの目指す先には「完全なるOne to One」マーケティングの実現があると言われています。”あなたと私”のコミュニケーションにMAが欠かせなくなると市場では言われていますが、果たしてどの程度まで実現するのか、楽しみですね。
そのため、カスタマージャーニーの精度の向上や策定作業のスピード化、並行して運用できるシナリオ数の拡大といった形でMAの機能は拡充されていくことでしょう。
今回のまとめ
今回は、MAの概要や特長をご説明しました。
MAはマーケティング活動の質を高めることにつながる多くの機能を備えているようです。今後は、国内においてもMAの活用がさらに広まっていくでしょう。
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