WEBマーケターにとっても、会議は欠かせない仕事のひとつ。上司や経営層に自分の考えている施策の必要性を認めてもらい、必要な予算を獲得するには会議での報告や議論が必要です。
しかし、日時と場所を決めて「とりあえず」会議を開いても時間を無駄にしてしまうだけ。「会議は踊る、されど進まず」という事態に陥ります。
一方で、「あるべき会議の姿」を知るだけで会議の質は驚くほど向上します。では、あるべき会議の姿とは一体どのようなものなのでしょうか?
それは、経営学の大家であるピーター・ドラッカー氏(以下、ドラッカー氏)が約50年前に示しています。
なぜ「会議」が必要なのか?
先ほど、「WEBマーケターにとっても、会議は欠かせない仕事のひとつ」と表現しました。まずは、この考え方を改める必要があります。
つまり、「会議は必要不可欠なものではない」と捉えるのです。
会議とは、1人で仕事をすることの限界を越えるために「例外的に」行われるもの。そして、ドラッカー氏に言わせれば、理想的に設計された組織とは「会議のない組織」です。つまり会議は、定例で決まっているからという理由で開催するものではありません。
そしてドラッカー氏は、「どうすれば会議をゼロに近づけられるか」を考えることが大事だとしています。
会議の生産性を上げる5つのルール
とはいえ、すぐに会議をゼロにすることはできません。
そこで、少なくとも「されど進まず」、つまり生産性の低い会議をゼロにすることが必要になります。会議の生産性を高めるには、以下5つのルールをおさえましょう。
1. 上司の「クセ」を見極める
一口に上司と言っても、性格や思考パターンはそれぞれバラバラ。会議での報告でも、報告する上司の「クセ」に合った方法で行う必要があります。
ドラッカー氏によれば、報告を受ける上司の「クセ」は大きく2つに分類できます。
読む人タイプ
資料をベースに物事を考えます。資料の説明をされても、目も脳も資料を追っていて、話を聞いていません。
●読む人タイプにしてはいけないこと
読むことに集中をしているので、資料に書かれていないことを説明すると怒り出すので注意!
聞く人タイプ
資料よりも説明に重きを置いて考えます。膨大な資料を用意しても、耳で聞かなければ納得できないし、そもそも理解できません。
●聞く人タイプにしてはいけないこと
聞くことを重視しているので、「資料に書いている通りです」というワードは禁句!
2. 会議の目的を明らかにする
会議をする目的は、「決定する」、「情報を共有する」、「確認する」の3つに分けられます。目的を明確にしないままに会議を開くと、各参加者それぞれが違った目的をもって会議に臨むため、中途半端な結論に達してしまいます。
会議の目的を明確にすることで、各参加者の着地点や話す内容の方向性が固まって、質の高い会議にすることができます。
3. 参加者を考える
会議では、参加者の存在も会議の質を左右する重要な要素。
そこで、まずは会議の内容に関係するメンバーを「会議の場に必要な人」、「議事録で共有する人」、「結果を口頭で説明する人」の3つのカテゴリーに分類しましょう。
ちなみに「結果を口頭で説明する人」とは、会議に参加するほどではないが、議題に関係のある人のことを指します。各カテゴリーの比率は、図1の通りおおむね「1:5:4」となるはずです。
会議の目的に沿わない人を参加させることは、会議の質の低下だけでなくその人の仕事の能率を下げる原因にもなります。本来参加する必要のない会議に出席したことで、やるべき仕事を進められなくなってしまうのですから。
図1
4. 事前の根回しを怠らない
会議で悪い情報を報告することが決まっているのであれば、事前に上司に共有・相談をしておきましょう。会議の場で初めて耳にすれば、上司は「なぜ報告しなかったのか」と憤りを感じて本来の議論から話題が逸れてしまう可能性があるからです。
「上司が知らなかったでは済まされないこと」は、事前に洗い出しておきましょう。
5. 会議の結果を「行動」につなげる
会議の場で「これをやろう」と決めたことを、その後しっかりと実行していますか?
会議の場での決定事項を実行に移さなければ、会議で取り上げられた問題を予定通りに解決することはできません。そして問題の数を減らすことができなければ、会議の回数を減らすこともできません。
会議の回数をゼロに使づけるには、会議の後の取り組みにも目を光らせる必要があるのです。特に、決定事項の内容が今までの慣習とは異なる新しいものであればあるほど、実行されづらいです。
居心地の良い「今まで通り」のやり方や環境を変わることに、抵抗を感じる人が多いからです。だからこそ、決定事項に合意した会議の参加者が率先して行動を起こすことが必要になるのです。
今回のまとめ
このように、会議の生産性を高めるにはまず「会議は必要不可欠なものではない」と認識することが大切です。その上で、5つのポイントを意識して会議を開催することで生産性を高めていきましょう!
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