インバウンドマーケティングが注目され始めてから、少し時間が経ちました。
海外だけではなく、国内でも事例が出てきているので、インバウンドマーケティングについて多くの人が理解しているのではないでしょうか?
しかし、インバウンドマーケティングの概念を理解しても、実際に行って成果を出すとなると話は別です。
特にプッシュ型の営業一本で売上を上げている企業の場合、インバウンドマーケティングはそもそもカルチャーに合わないかもしれません。
今回は、まずはインバウンドマーケティングを正しく理解することから始め、コンテンツマーケティングとの違いなどを見ていきます。
そして、インバウンドマーケティングの2つの成功事例を挙げて、最後に5つの心得をお伝えします。
1. インバウンドマーケティングとは?
さてインバウンドマーケティングとは、どんなマーケティング手法でしょうか?
出典:HubSpot「THE INBOUND METHODOLOGY」
この図は、インバウンドマーケティングの代表的な会社であるHubSpotから拝借したものです。商品・サービスに全く興味がなかった人が、様々なマーケティング施策を通じてCVに至ったのちに、フォローアップされるまでの一連の工程が表現されています。
インバウンドマーケティングとは、いわばプル型のマーケティングです。
顧客が興味関心を持ちそうなコンテンツを用意することで、自社サイトに来訪してもらい、継続的なアプローチを経てCVまで導くマーケティング手法です。
リードジェネレーションにも様々な手法がありますが、飛び込み営業やテレアポとは真逆の手法と言っても良いでしょう。
2. インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの違いとは?
インバウンドマーケティングについて、少し理解すると、次にこういった疑問が出てきます。
インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの違いは何でしょうか…?
インバウンドマーケティングにとって、顧客に見つけてもらうために、良質なコンテンツを継続的に更新することは重要です。
つまりコンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングを展開する上で、なくてはならない手法です。
しかし、インバウンドマーケティング=コンテンツマーケティングではないのです。
出典:HubSpot「THE INBOUND METHODOLOGY」
先ほどの図を見ると、ブログは顧客の興味を惹く最初の段階に登場します。ただ、それ以降にLPやCRMやメールマーケティングなど、様々なマーケティング手法が出てきますよね?
コンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングを展開する際、顧客の興味を惹くための一手法であることがわかります。
2. インバウンドマーケティングの成功事例
それでは、インバウンドマーケティングの成功事例としてHubSpotとBufferの事例をご紹介します。
両方とも海外事例ですが、国内でインバウンドマーケティングに挑戦する上でも、チェックしておいて損はない良い事例です。
2-1. B to B事例
B to Bのインバウンドマーケティング事例として、先駆者的な存在なのはHubSpotです。
マーケティングブログと、セールスブログの2つがあり、それぞれ役立つ情報やインバウンドマーケティングのTIPSがコンテンツになって配信されています。
HubSpotというインバウンドマーケティングのためのB to B向けソフトウェアが商品なので、インバウンドマーケティングに興味がある潜在顧客をブログを通じて獲得して、そこからリードナーチャリングに繋げるのが目的です。
2-2. B to C事例
B to Cのインバウンドマーケティング事例というと、Buffer Blogが有名です。
Bufferは、FacebookやTwitterの投稿管理ができるツールです。書き手の顔がわかり、それとなく人柄が伝わってくるようなビジネスライクではない文章も好感が持てます。
ソーシャルメディアの話題を中心とした非常にクオリティが高い内容なので、読者はBufferに興味がなくてもブログを読みにいってしまい、必然的にBuffer自体にも興味を持つようなサイト設計がされています。
Bufferはカスタマーサポートも優れていて、顧客に近い距離感で課題解決を迅速に行う姿勢が見られます。
Buffer Blogでも、そのような姿勢は変わらないので、読んでいる内に自然と信頼関係が構築されている気すらします。
3. インバウンドマーケティング5つの心得
それでは、インバウンドマーケティングの5つの心得を解説していきたいと思います。
1つ1つは当たり前のことですが、インバウンドマーケティングを展開する上で、どれも重要なことなので、ぜひチェックしてください。
3-1. コンテンツが重要
インバウンドマーケティングは電話営業などのプッシュ型とは異なり、基本的に顧客とのタッチポイントにはコンテンツがあります。
コンテンツマーケティングにしても、フォローアップのメールにしても、顧客が目にするのはコンテンツです。
もちろんオウンドメディアの流入経路を設計したり、ステップメールのシナリオを作ったりするのも大事です。
しかし、コンテンツで顧客を動かすことができなければ、成果を生むことはできません。そういった理由で、コンテンツは重要です。
3-2. 長期的な視点を持つこと
喩えるなら、インバウンドマーケティングは畑を耕すことに似ているかもしれません。
晴れの日も、雨の日も継続的に行い、実りを手にするまで時間がかかります。
インバウンドマーケティングで成果を上げることを望むなら、辛抱と忍耐は少なからず必要です。何より、目の前の成果ではなく長期的な視点を持つことが大事になってきます。
3-3. 定期的なアプローチが必要
リード顧客のリストが増えたからといって、メールマーケティングをおろそかにしてはなりません。顧客に対して、定期的なアプローチは必須です。
たとえ期間が当初より空いてしまったとしても、定期的なアプローチを心がけましょう。
もちろん、コンテンツの更新も同様です。オウンドメディアのファンを作るためには、先ほど述べたように、畑を耕す精神が必要かもしれません。
3-4. ホットリードの見極めが肝心
SCOTSMAN情報の解説でお伝えした通り、顧客全員に対して通り一遍のアプローチをするのではなく、ホットリードの見極めとアプローチが重要です。
マーケティングオートメーションなどのツールを導入している際は、顧客の中でも成約率が高そうな顧客を見極めて、アプローチの方法を変えるなど工夫しましょう。
3-5. インバウンドマーケティングだけにこだわらなくてもいい
最後に、インバウンドマーケティングで陥りがちな失敗でもありますが、インバウンドマーケティングだけにこだわってしまうということがあります。
インバウンドマーケティングだけで安定的にリード顧客を創出するのは理想ですが、社内のリソースを使い、プッシュ型の営業もうまく組み合わせると、更に成約までの効率を上げることができます。
特にインバウンドマーケティング開始時は、その点もよく考えて長期的なプランを立ててくださいね。
今回のまとめ
プッシュ型の営業が強い場合、もしかしたらインバウンドマーケティングの必要性を強く感じないかもしれません。
しかし、今後もインターネット市場が拡大するのは目に見えています。顧客に見つけてもらうインバウンドマーケティングの可能性を、早くから模索することは必要ではないでしょうか?
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