デジタルマーケティングの世界において、ストーリーテリングの重要性に注目が集まったのは、ここ最近のことではありません。
競合が増えて市場の環境が刻一刻と変わっていく中で、顧客に対して他のブランドよりも認知度を上げたり、より深い理解を得るためにストーリーテリングが重要であることは、かつてから言われてきたことでした。
今回は、そのストーリーテリングにフォーカスを当てつつ、主にブランディング面でストーリーを伝える重要性について、3つのTIPSを見ていきましょう。
ブランドがストーリーテリングをする意味?
人々が心を動かされるものは何でしょうか?
そして心に残るものは何でしょうか?
その答えの一つは、ストーリーです。映画やドラマ、小説など、多くの人々がストーリーに感動します。
これは2015年のデータですが、世界のベストセラー10冊を集めたものです。
第1位 聖書 39億部
第2位 毛沢東語録 8億2000万部
第3位 ハリー・ポッター 4億部
第4位 指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング) 1億300万部
第5位 アルケミスト – 夢を旅した少年 6千500万部
第6位 ダ・ヴィンチ・コード 5千700万部
第7位 トワイライト 4300万部
第8位 風と共に去りぬ 3300万部
第9位 頭を使って豊かになれ(思考は現実化する)3000万部
第10位 アンネの日記 2700万部
出展:HubPages-「10 Most Read Books In The World」
上位10冊のうち、8冊は物語(ストーリー)が占めています。これはあくまで、一つの参考情報ですが、世界中の人々にいかに物語が受け入れられ、読み継がれているかがわかります。
そしてブランドにも必ずストーリーがあります。
たとえこの世に誕生したばかりのブランドだとしても、そのブランドができるまでのストーリーが存在します。ブランドは、ブランドに関するストーリーを伝えない手はありません。
一瞬の出会いか心に残るか
ディスプレイ広告やリスティング広告は、ユーザーとの一瞬の出会いでクリックをしてもらうために、目を引くビジュアルやコピーで作ります。
多くの場合において、ブランディングよりもユーザーの獲得を目的とすることが多く、広告をクリックした後のランディングページで、どれだけ訴求できるかがポイントになります。
一方で、動画やテキストベースのコンテンツなど、ストーリーを伝えようとするアプローチは、ユーザーの注意を一瞬で引きつけることはできませんが、ユーザーとの接触時間は長く、伝えられる情報も長いメリットがあります。
そのためストーリーテリングをする上で相性が良く、動画やテキストベースのコンテンツを作り、ユーザーの心に残るストーリーを届けることで、ブランディングに大きく貢献できる可能性があります。
感動を呼んだタイのCM
最後に、ストーリーテリングの事例として、タイの携帯会社「True Move H」が作った動画をご紹介します。
動画のあらすじ:病気の母のために万引きをした少年がいました。その彼を助けてスープの具材までタダであげた男性が、30年後に病気になります。男性も裕福ではなく、家族は貧しいがために治療費が払えません。その時、奇跡が起こります・・・。(ぜひ動画をご覧ください)
この動画は最後に、「与えることは最良のコミュニケーションである。」という一文で締めくるられるのですが、動画を作ったのは携帯会社である「True Move H」です。
自社が伝えたいメッセージであり、かつブランディングのために用意した一文と、動画の内容を一致させたことで、ストーリーに感動したユーザーに対して自社を印象付けることができています。
これはブランディングにおいて「ストーリーテリングが重要だ」と言える、一つの良い事例ではないでしょうか?
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