コンテンツマーケティングの重要性を2017年の今になって声高に語っても、時期を逃してしまったような気がしてなりません。
しかし、コンテンツマーケティングは一時のブームではなく、これからもマーケティング戦略を考える上で「コンテンツの存在」は変わらず重要です。
ここ3年くらいの間で、多くの企業がコンテンツマーケティングにチャレンジしては、一定の成果を出したり、あるいは成果が上がらずに見限ってしまったりと、状況は様々ではないでしょうか?
ここでは、改めてコンテンツマーケティングを行う上で、ヒントになるようなコラムを用意しました。2017年の今、改めて考える4つの“コンテンツマーケティングとは◯◯だ。”をお届けします。
1. コンテンツマーケティングとは農耕のようなものだ
筆者は「コンテンツマーケティングにチャレンジしたい。」といった相談をいただく際、「継続できないと成果は上がりません。」とお伝えしています。
これは必ずしも正しい答えではなく、いわゆる「バズる」コンテンツを作ることができれば、開始した直後からでも一定の成果を出すことができるでしょう。
ただ影響力が高いインフルエンサーの力を借りるでもしない限り、偶然の力に頼ってバズるような簡単な話はそうありません。
基本的にコンテンツマーケティングは継続して初めて成果が上がるもので、一朝一夕でコンバージョンが増えたり、全体CPAが下がるものではないのです。
これはコンテンツを掲載する先が有力メディアであっても、変わらない話です。
コンテンツを掲載したタイミングで成果が上がったとしても、成果を継続的に上げるには、やはりコンテンツを継続的に露出していかないとなりません。
例えるなら、コンテンツマーケティングとは農耕のようなものです。
晴れの日も雨の日も、365日にわたってコンテンツの企画をして、制作をして、継続的に露出していかなくては、期待するような成果を上げるのは難しいでしょう。
2. コンテンツマーケティングとはマーケティング戦略の一環だ
コンテンツマーケティングが最良の施策では無いことも、当然ながらあります。
一つの具体例ですが、筆者が過去に相談を受けたものの中に、インターネット上で「カメラマン」と「写真を撮って欲しい人」とをマッチングするサービスの案件がありました。(実際はもっと複雑なものでしたが、簡略化しています。)
担当者の方は、コンテンツマーケティングを展開したいといった気持ちが強い一方で、継続的にコンテンツを作る体制作りや、コンテンツを使ってどう集客経路を作るかといった戦略は考えられていないようでした。
カメラマンと写真を撮りたい人の双方に対して、コンテンツを使ってアプローチしたいのはわかるのですが、(コンテンツマーケティングが最適解なのか?)と立ち止まって考えるのは大事なことです。
マーケティング戦略を練る以上、何らかのコンテンツを作ることは考えて然るべきですが、必ずしもコンテンツマーケティングの方法論に沿う必要はありません。
この案件の場合は、サービスがまだ立ち上がったばかりだったこともあり、担当者が本当に実現したいことや、予算などをしっかりとヒアリングした結果、インフルエンサーを起用したマーケティング戦略を展開することになりました。
3. コンテンツマーケティングとは石をも穿つ雨垂れだ
筆者は「コンテンツマーケティングで全体CPAを抑えたい」といったご相談もたまに受けます。
担当者の方にお話を聞くと、WEB広告のCPAが高騰している中、オウンドメディアを作ることで、恒常的にコンバージョンを生み出すプラットフォームのようなものを作りたいといった意向が伺えます。
しかし残念ながら、ユーザーがコンテンツに接触してすぐにコンバージョンに至る可能性は、無いとは言いませんが、例えばリスティング広告やディスプレイ広告といった施策に比べると高いとは言えません。
コンテンツマーケティングを展開することで、ユーザーが何度か継続的にコンテンツに接触して、間接コンバージョンを積み重ねていくイメージの方が近いと言えるでしょう。
つまり、例えるなら「コンテンツマーケティングは石をも穿つ雨垂れ」です。雨垂れは一滴では石に影響を及ぼすことはできませんが、何度も何度も繰り返し水が落ちることで岩に穴を空けることができます。
たった一度コンテンツに接触したところで、ユーザーに新しい行動を起こさせるのは難しいものの、コンテンツを通じて継続的にユーザーにアプローチすることで、ユーザーが今まで起こさなかったアクションを喚起することができます。
これはユーザーの「態度変容」といった言葉で表現することができ、アドエビスマーケラボでは過去にこちらの記事でTIPSをご紹介しています。
4. コンテンツマーケティングとは古くからある定石だ
さて最後になりますが、コンテンツマーケティングは必ずしも新しい手法ではありません。
ここ数年、まるでブームのようにコンテンツマーケティングが注目されていますが、過去を振り返ってみると多くの企業がコンテンツを使ったマーケティングを展開しています。
例えばパタゴニアは、1972年からカタログを発行しています。「社員をサーフィンに行かせよう」で創業者のイヴォン・シュイナード氏はこう言っています。
1972年に「クリーククライミング」のエッセイを載せたシュイナード・イクイップメント社のカタログを発行して以来、私たちはカタログの主要な用途は顧客への意思伝達だと考えてきたークライミング哲学に変化を促すこともあれば、2004年に行ったように、環境保護のための署名や投票を呼びかけることもある。
ただ単にさまざまな物語を伝えるだけのこともある。ともあれ、そうした目的を果たした上で、製品を紹介している。
パタゴニアは、顧客にメッセージを発信する場所として、カタログをとても重要なものだと捉えていました。顧客もまた、ただ製品をモノとして認識するのではなく、背景にあるストーリーやパタゴニアの哲学も一緒に一つのブランドとして捉えていたはずです。
インターネットが登場して以降、検索エンジンのアルゴリズム変更やユーザー行動の変化などから、今一度コンテンツの重要性が説かれるようになりましたが、コンテンツマーケティングとは決して新しい手法を指しているのではありません。
パタゴニアが展開していたカタログは、私たちが今でも学ばなくてはいけないコンテンツマーケティングの本質が見え隠れする気がしてならないのです。
最後になりますが、コンテンツマーケティングを展開する上で重要なことの一つは、精度が高い効果測定です。それも、直接コンバージョンだけではなく、間接コンバージョンまで含んで計測する必要があります。
その点、私たちがご提供しているアドエビスは、アトリビューション分析をすることで間接コンバージョンまで明らかにします。
導入実績は1万件を超え、様々な角度から御社のマーケティングを改善するノウハウも蓄積されています。
コンテンンツだけではなく、広告も含めた全てのマーケティング施策を包括的に効果測定することができるので、もしご検討いただけるような気軽にご連絡くださいませ。
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