近年、ますます存在感を増してきたチャットボット。
ビジネスにおける本格的な活用シーンや事例も、いくつも耳に入るようになりました。
WeChatが先行するようにAPIを公開したので、チャットボットにまつわる海外(特に中国)の状況は、日本国内に比べて一歩も二歩も進んでいます。
しかし、日本も後を追うように2016年、2017年とベンチャー企業の参入が相次いでいます。
そして、私たちがこうしている今も、テクノロジーの革新はその歩みを止めず、小さな改善を繰り返しながら進化を続けています。
今回は、そんな「進化するチャットボット」の可能性を知るために、初心者向けに3つのTIPSを用意しました。一つずつ見ていきましょう。
1. チャットボットが“今”盛り上がる理由
国内でチャットボットが盛り上がっているのが、『2017年』というタイミングであることは、偶然ではありません。
冒頭で触れたように、中国発のメッセンジャーアプリ「WeChat」は、その他大手のSNSに先駆けてAPIを公開しました。その結果、チャットボットを活用したサービスが多数出現したのです。
そして2016年に入り、続いてLINE・FacebookがAPIを公開したため、一気にチャットボットに対する注目度が上がっていきます。(以下はGoogleで調べた「チャットボット」の人気度です。)
テクノロジー系の雑誌やWEBメディアでも、「チャットボット」という文字を多く見るようになりましたし、関連サービスへのベンチャー企業の参入が増え、周辺テクノロジーに対する投資が熱を帯びていきます。
2017年に入り、市場はさらに活況を見せ、ここまでの盛り上がりを見せるようになったのです。
2. チャットボットが活用されるシーンとは?
それでは、チャットボットが活用されるシーンを具体的に見ていきましょう。
一つの例でしかありませんが、チャットボットは、このようなシーンで活用されています。
- 航空券の取得
- ホテルの予約
- メディアの更新通知
- ECサイトの商品説明 etc.
まずわかりやすいのは、「問い合わせ」や「商品検索」です。必ずしも人を介す必要がない領域を、チャットボットが代替しています。
またメディアもチャットボットの活用が増えてきました。これは、単なるコンテンツの更新通知と言うよりも、“コンテンツのリコメンド”に近いように感じます。
車のニュースメディア「レスポンス」は、2016年の年末にFacebookチャットボットを活用した『レスポンス Messengerマガジン』をオープンさせました。
出典:PR Times「【1ヶ月で5000人突破】自動車情報を届けるFacebookメッセンジャー・チャットボット「レスポンスMessengerマガジン」(イード・ZEALS共同開発 *BOT TREEベース)の事例紹介」
筆者も利用しましたが、ボットが発するいくつかの質問に答えることで車の趣味趣向を共有し、より精度の高いコンテンツのリコメンドを実現してくれる点が驚きでした。
今までのメディアは、主にメールやSNSを使ってコンテンツの配信を行っていましたが、コンテンツのリコメンドとなるとチャットボットに軍配が上がります。
今後は、AIと連携してさらに精度を上げたサービスが次々出てくることでしょう。
その他に具体的な活用の例を挙げると、アスクル株式会社が運営するB to C向け通販サービス「LOHACO(ロハコ)」のチャットボット”マナミさん”が有名です。
顧客からの多岐にわたる問い合わせを、”マナミさん”(チャットボット)で自動化したことで、過去には全問い合わせの3分の1をカバーしたと発表されています。
出典:株式会社アスクル News Release「人工知能型チャットボット“マナミさん”LOHACO 全お問い合わせの 3 分の 1 をカバーし、省人化とお客様満足度向上を実現」
機械的に対応されると冷たい印象を受けてしまいますが、実際に使用するとボットであることを感じないくらい“人っぽい”あたたかさがあります。
3. チャットボットの未来予想図
最後にチャットボットの未来予想図を見てみましょう。
ここまで読んだ皆様のご想像通り、「人を介さなくても良い領域」は、間違いなく今後チャットボットに代替されていくはずです。
LOHACOの事例からも顕著ですが、チャットボットで人件費を削減し、クリエイティビティの高い仕事を人に任せる流れは、EC事業に限らず進んでいくでしょう。
そして、さらに今後はチャットボット同士の連携も予想されます。
例えば、航空券をボットとのやりとりで購入した後、ホテルの宿泊を別のボットで予約する・・・といったことです。
1つのボットを介して複数のボットとやりとりするのか、1つのボットから別のボットに遷移するようになるのか、まだ詳しいことはわかりません。
しかし、人の行動は連続します。何かの商品を購入した後に別の商品を購入するケースは、想像するだけでもたくさんあります。これらを連携しない方が不自然ではないでしょうか?
そして、まだ黎明期とも言えるチャットボットの関連事業ですが、投資の時期が過ぎれば、生き残りをかけた淘汰が始まることでしょう。
本当の意味で顧客価値を追求して、生き残るサービスはどれか・・・チャットボットの可能性はようやく日の目を見たばかりです。
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