ブランディングを学ぶ本5選ー実在するブランドの事例から得られるものとは?

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ブランディングを学ぶ上で最も良いのは、自らブランドを作り、それを世に広めていく過程を経験することです。

しかし、それは希少な体験であり、多くの人がすでに世に出ているブランドを担当することになるでしょう。

ただ、ブランディングについて学びたいと思った時に、一つの選択肢として本から学ぶというものがあります。本の良いところの一つは、著者がした過去の体験を、追体験することができる点にあります。

今回は、ブランディングを学ぶための教科書のような本ではなく、あくまで著者の体験を追体験できるような、実在するブランドの事例から何かを得られる本を5つ厳選しました。

それでは一つずつご紹介していきます。

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

まず最初にご紹介したいブランディングの事例は、ザッポスです。ザッポスはアメリカで創業された靴のオンラインショッピングサービスで、2009年にAmazonのグループ会社となりました。

この本を読むと、そのザッポスのCEOであるトニー・シェイ氏の生い立ちや、ザッポスができるまで、そしてザッポスが成長していく過程をつぶさに見ることができます。

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

ザッポスはカスタマーサポートが非常に手厚く、電話での顧客とのコミュニケーションを重要視しています。そのため電話の処理時間を測らず、一人の顧客のために時には何時間も使います。そして、オペレーターの評価は「顧客満足」の視点でつけられます。

確かにカスタマーサポートが充実している点は、有名な事例として取り上げられることがありますが、しかしこれはブランディングの事例としても参考になります。

なぜならブランディングのためには、顧客との接点(タッチポイント)を増やし、そのタッチポイントでなるべく長く接触することが重要になるからです。(もちろん長すぎて顧客が嫌がるのはNGです。)

どのような理由であれ顧客が電話をかけてきたということは、ザッポスにとってはタッチポイントを得ることに繋がります。

そこで顧客が「Wow !」と感動するようなサービスができれば、これは立派なブランディングに繋がりますよね?

価格で差をつけにくいオンラインショッピングというフィールドでザッポスが異彩を放ったのは、まさにカスタマーサポートを通じて多くのファンを得たからでした。ファンは自らブランドの良さを人々に伝えます。これはブランディングという側面においても、素晴らしい事例だと言えるでしょう。

MUJI式 世界で愛されるマーケティング

無印良品の名前の通り、主張をおさえたシンプルなデザインながら、世界中の人々に愛されるMUJIブランドの考え方が詰まった一冊です。

MUJI式 世界で愛されるマーケティング

MUJIのブランディングは他にはないユニークな試みが多々あり、ブランディングを学ぶために非常に参考になります。

例えば、カテゴリを絞って独自領域を作り、顧客にナンバーワンだと認知されるようにブランディングを展開するのがセオリーだとすると、MUJIは真逆のことをしています。

食品、衣料、文房具などなど、MUJIの商品を思い浮かべるとあまりにも多くのアイテムがあることに驚きますよね?

しかし、こういった商品展開はしっかりと狙いがあって行われているものなのです。ブランディングの基本的な考え方などを知った上で読むと、いかにMUJIの思想が素晴らしいものかを理解することができます。

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論

続いては、主にアウトドアブランドを展開するパタゴニアの本です。

パタゴニアには、ブランディングの手本になりそうな取り組みがたくさんあります。いくつか本が出ていますが、これが一番有名な本ではないでしょうか?

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論

この本には、創業者のイヴォン・シュイナード氏が前身であるシュイナード・イクイップメントを作る前後から、パタゴニアがブランドとしてどのような取り組みをして人々の信頼を得たのかが詳しく書かれています。

特にインターネットがなかった時代から、紙のカタログを使ってパタゴニアの哲学や考え方を発信し続け、顧客とのコミュニケーションを作り出していた点は、現代のSNSを駆使した双方向のブランディングを展開する上で、大いに参考になるはずです。

ビジネス・フォー・パンクス

続いての本は、クラフトビールブランドであるブリュードッグの創業者、ジェームズ・ワット氏の本です。

マーケティングを学ぶ本として知られていますが、ブランディングを学ぶ上でも大いに参考になります。

ビジネス・フォー・パンクス

古典的な考え方ではなく、特に現代における新しいブランディングの考え方を知りたいのであれば、ジェームズ・ワット氏の考え方やブリュードッグの事例は参考になります。(かなり過激ではありますが…)

21世紀においては、ぶれないこと、魅力的であること、オープンであること、誠実であること、統一感を示すことができてようやく、ブランド構築の第一歩を踏み出せる。

このようにブランド構築をする上で心に留めておきたい言葉や、以下のように気づきを与えてくれる言葉がたくさんあります。

今の時代、ブランドを築く唯一の方法は、自分がブランドを体現することだ。人間は自分より大きなものに参加しているという感覚を求める。あなたのブランドは、そのチャンスを与えなければならない。

マーケティングにおいても、ブランディングにおいても参考になることが多い本なのでオススメです。

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営

最後に紹介する本です。国内でも有数の熱狂的なファンがいるブランドと言えば、アウトドア用品のブランド、スノーピークを外すことはできないでしょう。

この本は一見経営について書かれているようで、ブランディングの事例としても興味深く読むことができます。

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営

先ほどのジェームズ・ワット氏の言葉に、「今の時代、ブランドを築く唯一の方法は、自分がブランドを体現することだ。」といったものがありましたが、著者でもあるスノーピーク社の社長、山井 太 氏はまさにこの言葉を体現しています。

山井 氏は、社長として経営を行いながらも、年間30〜60泊をキャンプで過ごすそうです。

さらに、スノーピーカーと呼ばれるスノーピークのユーザーの方々と社長、社員が一緒にキャンプをすることで、ブランド構築にユーザーが参加するというB with Cを徹底しています。

ブランドは顧客の頭の中のイメージです。このことは顧客なくして、ブランドが育っていかないことも意味しています。

そう考えると、スノーピークのブランディングに対するアプローチは、非常に本質的ではないでしょうか?

…以上、ここまでブランディングを学ぶ本を5つご紹介しました。

最後に、ブランディングの効果測定について新しいご提案があります。

顧客の増減には明確な指標がありますが、顧客に対してブランディングの効果があったかという明確な指標がないのは課題ですよね?

私たちは、そのブランディングのファーストステップとなる新たな指標『新規接触率』を作り、ご提案しています。この新指標を用いると、ブランディングの効果測定を、意外な方法で実現することができるのです。

もちろん「ブランディング」は定量的なデータだけでは測れない側面もありますが、『新規接触率』を使うことでブランド価値を測るためのファーストステップを踏むことができます。

詳しい内容はホワイトペーパーをご用意したので、ぜひご覧ください!

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