ブランディングの悩みはつきません。
「売上を上げる」といったわかりやすく結果が出るものと違い、ブランディングがうまくいっているのかは明確にわかりづらいものです。
結果がそれではプロセスも同様に、どのようにブランディングするのが正解なのか、明確な答えを見つけるのはなかなか難しいですよね?
そんな抽象的な要素が多いブランディングですが、自社で行うにしてもコンサルティング会社にお願いするにしても、まずはブランドイメージを自らアウトプットして形にすることが求められます。
そこで今回は、ブランディング未経験の素人でもできる、簡単なブランドイメージのアウトプット方法をご紹介したいと思います。まずはブランドについて改めて考えてみましょう。
ブランドとは顧客のイメージ?
クラフトビールの有名ブランド、ブリュードッグの創業者であるジェームズ・ワット氏の言葉を参考にすれば、ブランドとは顧客のイメージです。
ブランドとは、自分で操ることのできない、人の頭の中にある感情的な反応のこと。つまり、認知の問題なのだ。自分がどう思っているかではなく、他人にどう見られているかが問題になる。
出典:「ビジネス・フォー・パンクス」 著:ジェームズ・ワット
目に見えるモノであれば、そのモノを見ながら話すことができますが、ブランドには実体がありません。
“感情的な反応”や“イメージ”という抽象的で掴みどころのないものを、誰かに伝えるためには工夫が必要です。
ここから、その方法をいくつか見ていきましょう。最終的なアウトプットはもっとブラッシュアップが必要ですが、まずは楽しみながら簡単にイメージを具現化していきます。
ブランドを擬人化する
まず最初にご紹介するのは、ブランドを擬人化する方法です。
ブランドを人間に置き換えると、不思議なもので言葉がどんどん出てきます。
特にブランド立ち上げ期においては、まだ何も確固たるブランドのイメージがない中で、まるで我が子にどんな風に育って欲しいかを語るような感覚です。
『飄々としたいいやつで、どんな人にも友達のように親身に接してくれる』とか、『一見つんと澄ました美人だけど、仲良くなると人懐っこい笑顔を見せる』とか、あなたが思い描くブランドイメージを擬人化して伝えましょう。
ポイントとしては、まずは思いつく限りでどんどん言葉を出していき、思いついたら途中で「有名人で言うと誰か?」を挙げていくと共通認識を持ちやすく、理解が深まります。
Appleが1997年に展開したCM「Think Different.」をご存じですか?この動画には、Appleのブランドイメージを象徴するかのように、革新的でイノヴェーティブで、現実に抗い続けて世界を変えた人々が出てきます。
この動画は何よりもAppleのブランドイメージを雄弁に語っていますよね。表現方法は動画ですが、ある意味Appleのブランドイメージを擬人化した事例だと言えます。
ブランドイメージに近いブランドを挙げる
これが一番簡単な方法かもしれません。自分たちのブランドが描きたいブランドイメージに近いブランドを挙げていくのです。
もちろん同じカテゴリーのブランドではなくて良いです。「Appleのように革新的で洗練されたデザインが特徴的なキーケースのブランド」でも良いですし、「トイザらスのようにカラフルで子どもがワクワクしそうなファッションブランド」でも構いません。
誰もが共通イメージを抱く有名ブランドを挙げて、そのブランドが持つイメージを自分なりの言葉で補足しながら伝えましょう。
ブランドイメージに合う写真を集める
言葉で伝えるのがどうしても苦手だったら、ブランドイメージに合う写真で表現するのも一つの方法です。
例えばエナジードリンクの名で有名なレッドブルは、モータースポーツなどをスポンサードしています。
荒々しく少し危険でありながらも、挑戦を続ける人たちの戦いの刹那を捉えた写真は、レッドブルのブランドイメージを表現するのに一役買っていますよね。
レッドブルは一例ですが、ブランドのイメージに合うような写真を探してみましょう。
また無印良品は、ブランドイメージを伝えるために短いコピーだけを加えた写真を展開しています。言葉では伝わらないものを、写真を使って伝える良い事例です。
最初からイメージにぴったり合う写真を見つけるのは難しいと思うので、近いイメージの写真をいろいろ探して集めて、それを元にブランドイメージを説明するのが良いですね。
ブランディングに共感してくれる有名人を挙げる
最後の方法は、今までご紹介したものと少し違うのですが、ブランドのターゲットからイメージを伝えていく方法です。
先述したように、ブランドとは顧客のイメージです。こちらからの働きかけも大事ですが、最終的にはブランドを作り上げるのは顧客自身です。
そういった意味でも、そのブランドのターゲットに焦点を当てて、ブランドイメージを伝えるのは良い方法だと思います。
その時に、ペルソナを四角四面に伝えるのではなく、ブランドのファンになって欲しい有名人を挙げると場が盛り上がりますし、わかりやすいです。
その有名人にどのようなシーンで、どのように商品・サービスを使って欲しいのかをストーリー仕立てで語ってみましょう。
ちなみにSoup Stock Tokyoの「秋野つゆ」は、ペルソナを細かく設定してブランドを作り上げていった好事例です。ぜひ、参考にしてみてください。
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