顧客とのタッチポイントを図解するために、カスタマージャーニーマップを作る方法などは、以前から何度かに亘りお伝えしています。
ただ、それらはすべてマーケティングの観点からお話していました。
昨今、ブランディングの重要性が上がってくる中で、改めてブランディングの観点から顧客とのタッチポイントについて考えてみましょう。
とあるブランディングエージェンシーでは、カスタマージャーニーマップを、何と三次元で作るそうです。
マップを三次元にすることで、どのようなことが期待できるのでしょうか?・・・それでは少しずつ紐解いていきましょう。
1. マーケティングとブランディングは違う
まず前提として、(当たり前に聞こえるかもしれませんが)マーケティングとブランディングは違います。
特にWEBマーケティングにおいては、まず「顧客に対してどれだけリーチしたか?」が最初の課題となり、次に「どれだけクリックされた?」か、「どれだけコンバージョンしたか?」を指標として見ていきます。
出典:Office table with notebook, computer keyboard and mouse, tablet pc and smartphone
これらの考え方は、しばし「顧客を獲得する」といった言葉で表現され、「顧客の良いイメージを醸成する」といったブランディングの考え方とは距離があると感じます。
WEBでブランディングを行う上で、このような従来のマーケティング的な発想では目的を達成することはできません。
2. なるべく長くサイトに滞在してもらう
少し視点を変えてみましょう。
ECサイトを成長させるための基本的な考え方として、いかに「サイト流入から短時間でユーザーをコンバージョンまで持っていくか?」といったものがあります。
よくECビジネスはファネル図で説明されますが、サイト、ないしはランディングページに流入した後に、カートに商品を入れて、コンバージョン(購入)に至るまでを、ユーザビリティー高く、スムーズに、短時間で進めましょうといったことです。
その方が、ユーザーの離脱率を抑えることができて、CVRを上げることができるからです。(そのために、なるべくページの遷移数を少なくしたり、入力箇所の数を抑えたりと工夫します。)
一方で、ブランディングの観点から言うと逆の発想が必要です。ブランディングで実現したいことは、ユーザーを早くコンバージョンまで持っていくことではないからです。
ブランディングでは、いかにユーザーと(適切な時間の範囲内で)なるべく長く接触できるかが重要です。
都内で活躍するブランディングエージェンシー、株式会社フラクタの河野 貴伸 様は、このように述べます。
ECサイトに訪れた顧客にだんだんと興味を深めてもらい、顧客が興味を失って離脱しないよう、なるべく長く滞在しブランドに共感、ファンになってもらうためのコンテンツ作りを行っていますが、これは非常に難しいことです。
こういったブランディングの難しさがある中で、株式会社フラクタでは、とある工夫をしているそうです。
3. 三次元のカスタマージャーニーマップ?
普通、カスタマージャーニーマップといえば、どのようなものを思い浮かべますか?
出典:adaptivepathーThe Anatomy of an Experience Map
おそらくこのようなマップだと思いますが、株式会社フラクタ様は『三次元のカスタマージャーニーマップ』を作るそうです。
では、いったい二次元に何を加えるのでしょうか?
それは「深度」だそうです。
河野 貴伸 様はさらに、このように述べます。
皆さんがよく見るような一般的なカスタマージャーニーマップは、実は本質を突いていません。本来は、顧客がブランドを初めて知った一回目以降、興味が深くなっていくはずなのです。
つまり、紙の上で二次元で考えるのではなく興味の深度を加味して三次元で考えるべきなのです。
マーケティングの観点では二次元のカスタマージャーニーマップでも良いように思えますが、ことブランディングとなると話は別で、顧客のエンゲージメントの深さを表現するために、「深度」を加えた三次元のカスタマージャーニーマップが必要になるのですね。
三次元のカスタマージャーニーマップの話を含む、ブランディングの詳しい話は以下からぜひご覧ください!
「ブランドビジネスに必要なもの?「ECのセオリーに反する」真意とは」
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