時は2019年です。モノが足りなかった時代を経て、モノは十分に増えました。
足りないものはないと言っても過言ではないでしょう。何らかの形でパッと思いつくようなニーズは満たされているはずです。
このような時代において新たなプロダクトを開発することは至難の技ですよね。
では新しいプロダクトの開発はもうできないのでしょうか?いえいえ、それでは思考停止です。
・・・そこでヒントになるのが「顧客価値」です。
顧客価値からプロダクト開発をすることを3つのTIPSで考えてみましょう。
顧客に聞いてもわからない
顧客価値について考える前に、改めて従来のプロダクト開発方法を見てみましょう。よくあるのが「顧客に聞いてみる」方法です。
もちろん既存ユーザーのニーズや不満を知る上では必要なことですが、新しいプロダクトを作る上で「顧客に聞いてみる」ことは良い方法だとは言えません。
よく言われる話ですが、フォードが成功したのは馬車を改善したからではありません。車を作ったからです。しかしフォードが顧客に何が欲しいかを聞いていたらどうなっていたでしょうか?
おそらく顧客はこう答えたはずです。「もっと速い馬車が欲しい。」と。これでは車をつくる発想には辿り着けません。
顧客価値で発想の縛りから逃れる
ではどのような方法で新しいプロダクトを開発すれば良いのでしょうか?
そこで注目したいのが「顧客価値」です。先に挙げた馬車と車の場合、顧客が馬車に感じている価値は「速く遠くに行ける」や「重たい荷物を運べる」といった点にあるはずです。
この顧客価値を起点に考えると、「馬車」という発想の縛りがあることに気づきます。そして顧客価値から考えることで、この縛りから逃れることができます。
顧客が感じる価値にフォーカス
現代でも同じように顧客価値から発想された新しいものはあります。
例えばブックアンドカフェです。今でこそ普通に見られるものですが、カフェで買わずに本が読めることは斬新なことでした。
それでは本の売上が落ちてしまう・・・多くの人がそう思いましたが、顧客に「くつろげる居心地の良い空間」や「買う前に本を試し読みできる」といった価値を提供したことで、カフェも本屋も相乗効果で売上を上げることができています。
顧客がなぜブックアンドカフェに行くかと言うと、そこに求めている価値が提供されているからです。だから本屋でもカフェでもなく、ブックアンドカフェに人々は足を運ぶのです。
顧客価値さえ見誤らなければ新しいプロダクトのアイディアは無限に広がるはずです。発想の縛りから逃れて創造の幅を広げることができるからです。
このように顧客に何が欲しいかを聞くのではなく、顧客が感じる価値にフォーカスすることこそ現代のプロダクト開発で重要なことではないでしょうか?
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