稀代のマーケターがSmartDriveにもたらした3つの変化とは?「モビリティ業界の進化を後押ししたい」

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人々が知らない商品・サービスを売るには、売る以前に知ってもらう必要があります。

SmartDrive(スマートドライブ)のマーケティングも、同様の課題を抱えていました。

“クラウド車両管理システム”の先駆者的存在として名前を知られるようになった一方で、そもそも多くの人は車両管理システムがあること自体を知らなかったのです。

今回はSmartDriveに参画し、様々な打ち手を実行して成果を上げたマーケターの思考プロセスに迫ります。話をお聞きしたのは、株式会社スマートドライブの大里 紀雄さんです。

大里さんがSmartDriveにもたらした3つの変化

最初にSmartDriveを知った時は何の会社なのか僕自身も分かりませんでした。それでも経営陣に会って話を聞くと、すごく面白いビジネスだと気づいたんです。

デジタルマーケティングの世界で言うとDMPに近いのですが、走行データを集めてAPIなどでオープンな形で様々な企業様に提供していくという。でも、それが当時のコーポレートサイトでは全然伝わってこなかったんですよね。これじゃ人は集まらないだろうって(笑)

大里さんがSmartDriveに参画した後、コーポレートサイトがリニューアルされたことは言うまでもありませんが、 実は大里さんが最初に行ったのはサイトリニューアルではありませんでした。

株式会社スマートドライブ 大里 紀雄 様

課題が大量にある場合、ビジネスが一番ドライブするところを見極めて優先順位付けをすることが重要ですが、SmartDriveの場合はそもそも優先順位付けに必要なデータがちゃんと揃っていませんでした。

なので私が最初に行ったのはデータ整備です。SFAとMAを改めて導入して、各リードソースからどれくらい獲得できているかなど、とにかくデータがとれる状態にしました。

コーポレートサイトのリニューアルも100%した方が良かったのですが、チームへの説明責任もあるので、まずはデータで裏付けがとれるようにしてから行いましたね。

大里さんは「データ整備」から手掛け、SmartDriveに3つの変化をもたらしました。

この中でも、サプライズゲストでウサインボルト氏が登壇したMobility Transformation 2019は、「100年に一度の変革期」と言われる自動車業界のみならず、モビリティに携わる人々に広く反響と新しい風を巻き起こしました。

そして、この風に背中を押されるようにして、次のようなプロジェクトが推進していくこととなります。

新しいサービスを届けるために大事にしていること

自動車メーカーは今、モビリティカンパニーに生まれ変わろうとしています。つまり自動車を製造するだけではなく、サービスなども展開していく流れですね。しかし自動車やバイクといったのモノづくりには長けていても、サービスを作ることには慣れていません。ですので、私たちがお手伝いをさせていただいて、一緒にサービスを作っています。

ある大手自動車メーカーは、法人向けのEVバイクを販売しているのですが、そのバイクにコネクテッドデバイスを付けて位置情報などが分かるようにしました。

例えばフードデリバリーをする際に、キッチンの裏などにモニターを置けば、誰がどこを走っているのか、走行時間、走行距離などがわかります。寄り道や危険な運転をしていないかも全部見える化できるようになるので、店舗のオペレーションも本部も楽になります。

SmartDrive活用事例

大手企業と一緒にサービスを開発するところまではよく聞く話ですが、さらにSmartDriveは「売る」ところまで伴走します。しかし、新しいサービスを売ろうとした時、必ずぶつかる課題に対してどうアプローチすれば良いのでしょうか。

SmartDriveの場合、お客様の求めるニーズとして、まず“安全運転に取り組みたい”ですとか、“不要な車両を減らしたい”といった様々な課題があります。

クラウド車両管理システム SmartDrive Fleet|お役立ち記事

多くのお客様は「車両管理システム」で検索はしませんが、車両管理に関わるニーズに沿ってオウンドメディアを設計することで、結果的にSmartDriveの提供するサービスを知っていただくことができます。

その一方で、MaaSやスマートシティといったものに興味をお持ちの方もいらっしゃいます。

MaaS・スマートシティの事例を多数掲載|Mobility Transformation

これらの異なるニーズに対してオウンドメディアをしっかり設計していくことで、サービスが提供する解決方法を知っていただくことができるのです。

さらに課題はそれだけで解決しません。普段、インターネットを当たり前のように使っていると気づかない意外な事実が存在します。

実は日本にはまだまだインターネットに触れない方々もたくさんいらっしゃいます。もちろん商材によりますが、デジタルマーケティングが得意な方はデジタルだけで全顧客にリーチできると考えがちです。ですが、我々の車両管理システムを利用されているお客様の中には、SNSを含むデジタルの世界とは距離を置かれている方もいらっしゃいます。

そうした方々にSmartDriveを知っていただくために、導入事例の記事を業界誌に持っていくということをしています。私が入社してから初めて掲載された業界紙はLPガス新聞だったのですが、今では色々な業界紙へ継続的に情報提供を行うことで、多くの問い合わせをいただいています。

その時に大事なのは、「モビリティデータの活用方法」の様にふわっとした内容ではなく、実際に導入したお客様の事例を持っていくことです。記者さんもイメージしやすい状態で情報を整えた形にして丁寧に届けるようにしています。

オウンドメディアと、業界紙への掲載。デジタルとアナログを組み合わせた地道な施策も、積み重ねていくことで少しずつ車両管理システム、ひいてはSmartDriveの認知を上げてきました。

大里さんはさらにこの先に、どのような展望を描いているのでしょうか。

内向きのベクトルを外に向ける(安全運転のコミュニティづくり)

車両管理システムと言うと、どうしてもドライバーが経営陣に監視されてるのではないかと感じてしまう、という内向きのベクトルが働く傾向があります。それをもっと外に向けていただきたい。そのために、安全運転のコミュニティを作っていきたいと考えています。

SmartDrive Fleetの安全運転イベントのレポートページ

その第一歩として、今年11月に43社、850名以上の方にご参加いただき、安全運転イベントを行いました。法人向け車両管理サービス「SmartDrive Fleet」をご利用の企業様を対象に、ドライバー様の運転をスコアリングさせていただき、安全運転をした上位30名と上位3つの企業を表彰するというものです。

私には企業様の内向きのベクトルを外に向けることで様々なつながりを作り、色々な形でサービスや広報活動などに好影響を及ぼして欲しいといった想いがあります。

これが実現できれば、単に「車両管理システムを導入した」で終わることなく、安全運転を軸としたコミュニティが生まれ、SmartDriveとお付き合いをいただくことに対して価値が宿ると思うのです。

最後に個人的なビジョンを伺うと、大里さんは「超かっこよく言うと・・・」と少しはにかみながらこう答えました。

「日本の基幹産業の一角をなす自動車産業の進化を後押ししたい」です。日本には、先行きが見えない中で世の中が急速に変貌し、マーケットがシュリンクしてくのを指をくわえて眺めていることしかできない・・・と、悩んでいる会社はいっぱいあります。

私たちは、そういった企業様からたくさんのご相談をいただくので、1つ1つ丁寧に対話し、サポートして協業しながら新しいサービスを形にしていきたいと考えています。

特に「自動車」という日本の基幹産業、ここには雇用も多く発生していますし、絶対に潰してはいけない産業だと思いますので、全力でサポートしていきたいと思ってます。

肩にのしかかる責任と重圧をはねのけ、これからも様々な打ち手を繰り出し続けるであろう稀代のマーケター。その思考プロセスは明瞭でありながら、その根底には静かなる覚悟と情熱が確かに存在していました。

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