配配メールのマーケターに聞く、CV達成率190%の裏側にある「コロナウイルスの影響」とは

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「メールマーケティングをもっと効果的に。もっとラクに。」がコンセプトの配配メールは、安定したサービスを10年以上に渡って提供し、導入実績も7,000社を超えています。

株式会社ラクスにて、配配メールのオンライン領域における新規顧客獲得を担当する大塚陽生さんに、メールマーケティングの重要性とコロナ禍における成果の見える化についてお話を伺いました。

最もROIが高い施策はメールマーケティング

株式会社ラクス FOクラウド事業本部 MC事業部 企画課
大塚 陽生様

メールを配信する際に一番に考えなければならないのが、「読者はどのような情報を欲しているのか」です。例えば弊社で言えば、メールマーケティングのナレッジがそのうちの一つに当たります。

読者は自身が欲している情報が手に入るのであれば、メルマガの購読解除はしません。逆に、その情報に興味を持っていないユーザーにメールを送ってしまえば、自身が欲しい情報を得られていないと思われ、購読解除に繋がります。ですので商談で名刺交換をした方や、能動的にフォーム入力をしてくれた方、つまり「自社に興味を持ってくれた人」の情報を正しく取得することが重要です。

正しくデータを取得した後は、購読解除を恐れずに必要な情報はどんどん送るべきとのこと。配配メールでは週に3,4回送ることもあるそうです。

弊社で扱っている「配配メールBridge」は開封やクリックといったメールへのアクションによって顧客のステータスを変えられます。例えば、直近で何回開封した人はホットリードだという風にリスト化ができるので、それをもとに架電をすることで効果的にアプローチすることができます。実際に弊社では、この運用にて多くのアポを獲得することができています。メルマガを配信することで一定数の購読解除が出てしまうのは仕方ないことですので、そこを怖れて配信頻度を落とすよりも、解除より圧倒的に数が多い開封やクリックしてくれた人に注目した方が良いです。

もう一つ大切なTIPSとして「一つのメールにコンテンツは一つ」ということが挙げられます。メールの文中のリンクをクリックして他のページに遷移した人はほとんどの確率でメールには戻ってきません。メール内に大量の情報を掲載していても記憶に残っているのはファーストビューと2番目くらいです。なので、一つのメールにコンテンツを詰め込むよりも、コンテンツを切り分けてお送りした方が結果的に全体のCVは上がります。ですので、私どもから送るメールも基本的に一つのメールにつき、コンテンツは一つです。

正しく取得した配信リストの準備と求められているコンテンツを理解した上で、購読解除を恐れないことを押さえておけば問題ないと語る大塚さん。最後にメールマーケティングを重要とする理由を伺いました。

実は、海外ではメールマーケティングはROIが最も高いマーケティング施策として認識されています。実際にある人材系のお客様ではメール経由での求人応募数が1日15~20件とコンスタントに獲得でき、内定獲得単価もその他のマーケティング施策の5分の1の単価で獲得できております。なのでメールマーケティングを正しく行えばこんなに効果があるんだよ、ということをお伝えしたいです。

セミナーやメディアでメールマーケティングの重要性や効果を発信し、根強いファンが多い配配メール。続いてオンラインにおけるマーケティングの実態を伺いました。

細かい粒度の指標もチーム全員が理解

私が担当しているのは製品サイトの広告運用とSEOです。目標は獲得リード数になります。その中でもお客様の情報(氏名、メールアドレス、電話番号など)がキチンと入っている状態のものが獲得リードとして認められます。付随してセッション数やCPAなども細かく見ています。結果はExcelにまとめて、推移とともに社内に共有しています。

<レポート資料一部抜粋>

かなり細かい粒度でデータやレポートを作り込み、チームメンバーがしっかりと確認して次の施策に繋げていくための環境が整っています。

大塚さんはオウンドメディア「メルラボ」のライティングとSEOも担当しており、ここにもデータ可視化への思いが強く見られます。

メディア経由で製品サイトに遷移したり、問い合わせに繋がっていたりするかはAD EBiSを使って確認しています。メディアやコラムの貢献を可視化するのは難しく思われがちですが、CRMツール(楽楽販売)にAD EBiSのCVデータを紐付けることで、受注に貢献したか分かるので非常に役に立っています。

製品サイトでもオウンドメディアでも特に注視しているのはインプレッションです。最近は状況変化が多く表示回数が落ちたのは順位変動が原因なのか、それ以外の要因があるのかを探るきっかけになりますし、オウンドメディアでは順位下落があればリライトするための指標になります。

一方、直近で伸長した数値のうちコロナウイルスの影響を定量化するのに苦労したそうです。どのように定義し、数値化したのでしょうか。

定性的になりがちな要素も全て数字で表現する

緊急事態宣言を受けて、これまで対面や飛び込みで営業をしていた企業からのお問い合わせが増えました。訪問できない状況の中、メール配信でのアプローチに目をつけていただいたのがきっかけです。それもあってかこの時期は目標の190%近くの達成率となったのですが、上司に説明した際に、コロナウイルスの影響がどれくらいあったのかを明確に答えることができませんでした。

一見定性的に片付けてしまいそうなことも理由を持って数値化できないと、翌年の目標がイレギュラーを元に設定されてしまい、見込み予測がブレてしまうため大塚さんは模索を続けます。

リスティングとオーガニック検索(以下、オーガニック)それぞれ別のアプローチで算出しました。

リスティングは、インプレッションに注目しました。4月から6月にかけてインプレッションの損失が出ており、従来の予算では出稿停止しているタイミングがあることが分かったのでコロナによる検索需要の増加があったと推定しました。当然インプレッションの実数値も増加していましたので、インプレッション増加分によるCV数を算出しました。(上図①)

さらに、CVRも変化がありましたので、インプレッション増加分とは別にCVR増加分のCV数を算出しました。(上図②)これらを合わせてコロナの影響で増加したCV数と見なしました。

オーガニックはセッション数がカギになりました。月ごとのセッション推移を見ていると、3月ごろから異様に伸びており、ここがコロナの影響を受けていると特定しました。CVRには変化が無かったため、「想定より増加したセッション数×CVR」によってオーガニックでコロナの影響を受けたCV数を算出しました。

最終的に全CVのうち約25%がコロナウイルスの影響であると上司に説明し、納得してもらいました。

オンラインは基本的に自分の領域として、発生している事象はすべて数字で答えられるようにしないといけないという責任感から一人で試行錯誤してたどり着いた答え。これは一例に過ぎず、数字へのこだわりが随所に表れていました。

現在はリード獲得の分野で活躍する大塚さんにご自身のキャリアについて伺いました。

ラクスの良いところは目標とすべき上層部の方から直接指摘いただける環境にあると思っています。特に今回お話ししたコロナウイルスの影響を指摘いただいた事業部長の安藤( @comune1128 )の物事の本質をとらえる力はすごいと思いますし、普段考えていることにも触れる機会が多く、成長できる職場だと思っています。さらに、ラクスでは様々なサービスを扱っていて、サービスごとにSEO担当・リスティング担当がいます。その人たちを見ていると知識量を含めてすごい人材ばかりで1個の分野では勝てないと思うことが多いです。

前職は広告代理店の営業でしたが、顧客の獲得からカスタマーサクセス領域まで担当していました。1つのことでは敵わないけど総合力は得意分野なので、総合的にマーケティングができる人材を目指しています。また、その総合力と上層部の方から得られる知見をもとに成長し、今後はマネジメントもしたいと考えています。

前職でデータマーケティングに出会い、獲得から運用支援を一人でやってきた経験は今の仕事だけでなく自身が見通す未来にも繋がっています。

目指す未来をより明確にするため、大塚さんの挑戦は続きます。

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