Webマーケティングはさまざまなツールを活用してデータを収集し、分析することが当たり前になりました。もはやシステム化は必然の流れです。
しかし、収集したデータをその後の戦略へと活かしていくには、データを扱う担当者の分析に掛かっています。戦略へとつなぐ分析は「思考法」が全てと言っても過言ではありません。
そこで今回は「具体」と「抽象」という言葉から、分析レポートの作成で役立つ思考法を解説します。
そもそも「具体」と「抽象」とは何なのか?
異なる「具体」に“共通点”を見出して、まとめたものが「抽象」
「具体」と「抽象」という2つの言葉を比較すると、それぞれ以下のような印象を持つのではないでしょうか。
- 具体…わかりやすい
- 抽象…わかりにくい
ですが、見方を変えると次のように言い換えることができるはずです。
- 具体…目の前にある1つ1つの事物
- 抽象…具体的な事物に共通点を見出してグルーピングしたもの
言い換えれば、複数存在している「具体」を俯瞰的にとらえたものが「抽象」です。
「分析」とは具体から抽象を見つけ出すこと
分析とは、数値や事実といった具体的なものが無数に散らばっている状態から、何らかの共通点を見つけ出してその事実を認識することです。
具体的な事物の共通点を見出して抽象化し、その将来性を見ること(戦略を組み立てる)こそ分析と言ってもいいかもしれません。
分析レポートの作成は「具体」と「抽象」の往復作業
適切な「具体例」を示してこそ、レポートの質は高まる
分析をする際、結論ありきであったとしても(「抽象」の内容が決まっていたとしても)、具体的な事実や数値に目を向け、「具体」を積み上げていく必要があります。
たとえば、データをもとに分析を行い「ホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーは、その後の問い合わせにつながる可能性が高い」という結果が導かれたとします。
こうした場合には、抽象化された事実を裏付けるために「ホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーの40%は、その後2週間以内に問い合わせを行っている」といった「具体」的な事実にも触れる必要があるでしょう。
抽象化とは、共通点を見つけることであり、相違点を見つけることでもある
グルーピングという作業こそ、分析する人のセンスが問われます。
たとえば、男女1名ずつの日本人という「具体」が存在すると仮定します。
この2つを「国籍」という共通点でグルーピングするのであれば「日本人」として抽象化されます。しかし「性別」という共通点でグルーピングする場合にはこの2つの事物は抽象化されないのです。
国籍或いは性別でグルーピングする理由こそ、戦略に繋がる着眼点と言えます。「国籍で纏めることで抽象化できました」という発言は分析とは言えません、単なる集計です。
分析レポートで大事なのは「わかりやすさ」
「具体」と「抽象」を往復することでバランスの良い分析レポートに
分析レポートをつくる上で大切なことは、それを読むすべての人にとってわかりやすいかどうかということです。
抽象度の高いことばかりを書き連ねてしまうと、読み手にとっては現実味の無い内容となってしまいます。一方で具体例ばかりを並べてしまっても、「結局、何が言いたいのかわからない」というレポートになってしまうのです。
そのため読み手にとってわかりやすいレポートを作るには、抽象と具体のバランスが大切になります。
今回のまとめ
質の高い分析を目指す上では「具体」と「抽象」という2つの言葉の違いを理解して、それぞれを行き来することが大切です。
そうすることで、分析の質だけではなく分析の結果によって生み出されるレポートの質をも高めることができるでしょう。
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