分析で必要な「ピラミッドストラクチャ」に沿ったストーリー

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分析に必要なのは、明確な「主張」とそれを裏付ける「数字」です。数字が無ければ説得力に欠け、主張が無ければただの数字遊びになります。

しかしこの2つを完璧に揃えた分析のストーリーを創るのは、どんなプロフェッショナルであっても簡単にできるものではありません。様々なテクニック・思考プロセスが必要になります。

今回は、思考プロセスの1つである、主張と数字の論理構成をきれいに整えてくれる「ピラミッドストラクチャ」について紹介したいと思います。

ピラミッドストラクチャを活用して矛盾のない論理を展開しよう

ピラミットストラクチャとは「さまざまな事実が根拠として積み重ねられていき、頂点に”提案”がのせられている論理構造」のことを言います。

ピラミッドストラクチャ

ピラミットストラクチャをつかうメリットは、次の通りです。

  • 論理を“見える化”して主張を補うための必要な要素を洗い出せる
  • 論理が矛盾している、根拠が薄いといった問題点をすぐに発見できる

このようなメリットがあるため、「○○だから××、その理由として△△」といった論理的な分析ストーリーを展開する際に非常に重宝されています。

「厚みのある根拠」がより主張を明確に具体的にする

伝えたい主張や提案には、それを具体化するための根拠が必要になります。

特に、論理を確かなものとするためには、ミルフィーユのように何層も重ねられた「厚みのある根拠」が必要です。

その手法を幾つかご紹介します。

トップダウン・アプローチ、ボトムアップ・アプローチ

仮にある事業からの撤退を主張する論理構造を展開するとします。

トップダウン・アプローチ、ボトムアップ・アプローチ

構造が下に行くほど、主張を裏付ける根拠が具体化されています。主張が明確なので、それを裏付ける根拠をひたすら下に紐付けていく分析手法です。

このように主張に対して深掘りしていく論理思考を「トップダウン・アプローチ」と呼びます。

反対に、いくつもの共通事象から核となる問題点を探し出す思考プロセスを「ボトムアップ・アプローチ」といいます。

例えば上記例で言うと、「競合が相次いで市場から撤退する」という共通事象から「赤字体質の我が社も徹底するタイミングではないか?」という仮説を生み出す思考法になります。

ピラミッドストラクチャの良いところは、「競合が相次いで撤退している」⇒「だから我が社も撤退する」という論理構造に対して、⇒への反論事象として「競合が撤退し市場を独占できるチャンスだから値上げして赤字構造を脱すれば事業継続のチャンスである」という意見を立てやすい点にあります。

こうして論理構造を強くすることで、説得力は増していきます。

「SO WHAT?(だから何?)」「WHY SO?(なぜそうなるの?)」の問いかけが大切

ボトムアップ・アプローチ(またはトップダウン・アプローチ)で説得力のある論理ができたとしても、俯瞰して見ると矛盾していたり、質問に対する解答になっていなかったり、全体との関係性が取れていないことがあります。

上の論理構造を下の論理構造が支えられているか、「だから?」「なぜ?」と問いかけることで、矛盾点や不足点がないか確認しましょう。

根拠を支える数字に対しては「だから何?」、根拠そのものに対しては「なぜそうなるの?」と問い掛けることで、説得力ある論理が構築できているか確認できます。

事例を入れるときは相手の立場を考える

事例を取り入れたいとき、相手に受け入れられる内容でなければ意味がありません。たとえば個人的な感想や母数の少ないアンケート結果は「偶然」「今回は考慮せず」の一言で片付けられてしまいます。

多くの人の持つ考えや一般的な原則に基づく事例であれば「偶然」の一言で片付けられることもないでしょう。

まとめ

分析ストーリーを作る際の思考ロジックとして、ピラミッドストラクチャを紹介しました。

主張は常に根拠に支えられ、根拠とはロジックと数字で構成されています。

根拠同士の繋がりを考える(点で考える)だけでなく、全体を俯瞰して見る(線で考える)ことで、なかなか千切れない太い線が仕上がるはずです。

ぜひ1度試してみて下さい。

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