アドテクノロジーはもちろんのこと、インターネット上のあらゆるサービスで“Cookie”は使われています。
そのためCookieの基本的な仕組みなどに対する理解は、エンジニアで無くても、一般的なネット系ビジネスマンなら欠かせません。
そこで、今回はCookieの仕組みについてご説明します。
Cookieとはブラウザに付与される情報
Cookieとは簡単に言ってしまえば、Webサイトがブラウザにデータを一時的に保存し、読み書きできる情報のことを言います。Cookieの「名前」とその「内容」で構成されている、非常にシンプルな情報です。
Cookie情報
読み書きすると言っても、ブラウザに発行している全てのCookieが見られるわけではありません。例えば上記例の場合、「.mm-lab.jp」ドメインのWEBサイトは、自ドメインで発行されたCookieの内容と名前しか解りません。「.ebis.ne.jp」ドメインで発行されたCookieは読むことすらできません。
ちなみに、「一時的に保存」と書きましたが、永久的に保存されるわけでもないことも知っておく必要があります。有効期限という項目がありますが、Cookieはその期限内においてのみ存続します。期限を過ぎると、Cookieのデータは無くなってしまいます。
Cookie発行には上限がある
Cookieの発行には上限があるため、無制限に付与することはできません。(あまりに発行し過ぎるとHTTPステータス400エラーが発生するかもしれません)
発行の上限は、ブラウザの種類やバージョンによって違います。また1Cookieあたりの最大サイズや1ドメインあたりの最大サイズも異なります。こちらはブラウザのバージョンアップによっても仕様が変わるので、都度確認した方が良いでしょう。
ちなみに上限を超えた場合は、作成履歴の古い順番に自動的に削除されるケースが殆どです。
知っておきたいCookieでは“できない”こと
万能のように語られている”Cookie”ですが、できないことを把握しておきましょう。
1. PC内部のデータを参照して、特定の誰かを明らかにする
Cookieは、WEBサイトがブラウザへ付与する情報です。そのため、PC内のデータを取得するようなことはできません。
2. 別ブラウザのCookie情報を紐づけることはできない
ChromeでのCookie情報とIEでのCookie情報というように、異なるブラウザに発行されたCookie情報を共有することはできません。(iOS9.0からSFSafariViewControlleがサポートされ、アプリとsafariでCookieなどの情報が共有できるようになりましたが、これは特例です)
1stPartyCookieと3rdPartyCookieの違いを知る
Cookieには、1stParty(ファーストパーティ)Cookieと3rdParty(サードパーティ)Cookieの2種類があります。2つの違いは、「Cookieの発行元ドメイン」です。
- 1stPartyCookie:ユーザーが訪れたWebサイトのドメインから発行されたCookie。ユーザーにブロックされづらいという特徴があり、高い精度で計測できます。
- 3rdPartyCookie:それ以外のドメインから発行されたCookie。プライバシー保護のためにブロックするブラウザが増えています。
上段に表示した「.mm-lab.jp」ドメインのCookieも、http://www.mm-lab.jp/ 環境で発行されたCookieなら1stParty、それ以外なら3rdPartyと呼ばれます。
ちなみにCookieそのものに1stParty、3rdPartyというラベルが付いているわけではありません。訪問したサイトが発行したCookieか否かを識別するために、ブラウザ側がそのように呼んでいるだけです。
Cookieはアドテクノロジーにどのように活用されているか
Cookieは、近年のアドテクノロジーにおいて欠かせない役割を担っています。
たとえば過去の閲覧履歴をもとに再アクセスを呼びかけるリターゲティング広告は、Cookieが用いられています。
また、広告の効果測定にも幅広くつかわれています。広告をクリックしたユーザーが、その後にCVにいたった場合、広告とCVを紐付けているのはCookieです。
ちなみに、広告効果測定システムでリダイレクト計測を使用している場合、いったん計測用のサーバを経由してランディングページに遷移する仕組み上、Cookieは1stPartyCookieとして発行されます。
3rdParty拒否ブラウザとして有名なsafariも、1stPartyCookieはデフォルトで受け入れる設定になっているので、きちんと結果を計測することができます。
まとめ
Cookieは、アドテクノロジーにおいて欠かすことのできない仕組みです。その特徴を把握してマーケティングに活かしましょう!
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