今はモノ余りの時代と言われて久しいですね。私たちマーケターはこのような時代に何を考えて顧客との関係性を作るべきでしょうか?
この問いに対するアプローチは様々ですが、現代の状況を知るうえで気になる言葉があるのでご紹介します。
それは「すべてのビジネスはファッション化する」という言葉です。
何となく聞いたことがある・・・という方もいるのではないでしょうか?
今回は「すべてのビジネスはファッション化する」するという言葉を3つのヒントを通じて考え、マーケターとしての考えを深めてみましょう。
ファッション化する消費ビジネス
モノがない時代に求められるのは、人々のニーズにしっかり応えるプロダクトです。
人々は自分のニーズをそのプロダクトが満たしてくれるのかを、特に機能面を注意深く見ながら購入するか否かを決める傾向があります。
しかし一方で(現代はまさにそうですが)、モノ余りの時代では顧客は機能面だけを見て「必要だから買う」のではなく、情緒的な理由で購入を決めることがあります。
それは例えばかっこいいから・可愛いから買うといった理由だったり、何となくデザインがいいから買うだったり、持っているとかっこいいから・・・といった理由だったりします。
ちなみにこういった変化について、コンサルタントの山口 周 氏は著書「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」」の中で「すべての消費ビジネスはファッション化してきた。」といった表現をしています。
人々は何にお金を払っているのか?
「ファッション化」と言われてもピンと来ないかもしれませんが、すこし視点を変えて「人々が何にお金を払っているのか?」をよく考えると自ずとわかることがあります。
例えば・・・
- スターバックスでMac Bookを広げる人は何にお金を払っているのだろうか?
- フェラーリやポルシェなどの高級車を買う人は、車体にお金を払っているのだろうか?
- 私たちがレッドブルを買う理由は何だろうか?
などなど。例を挙げれば枚挙にいとまがありません。
この中でも特に注目すべきはレッドブルです。
情緒的な感覚に訴えかけるレッドブル
レッドブルに注目すると、現代的なマーケティング&ブランディングを良く理解することができます。
以前お伝えした通り、レッドブルはよくある機能面の訴求をすることなく、人々の情緒的な感覚に訴えかけることがうまいブランドです。
レッドブルは「翼をさずける」に代表されるメッセージや、あらゆるマーケティングコミュニケーションを通じて「かっこいい、自由奔放、危険、反抗的」といったイメージをつくることに成功しています。(レッドブルには XXX mgカフェインが入っている。)といったメッセージを聞いたことがありますか?すくなくとも私はありません。彼らはそのような具体的なメッセージを使う代わりに、レッドブルのイメージを喚起させるメッセージを作りました。
冒頭で「私たちマーケターはこのような時代に何を考えて顧客との関係性を作るべきでしょうか?」と問いを立てました。
レッドブルを研究すると、ビジネスがファッション化した現代では機能面で訴求するのではなく、より情緒的な感覚に訴えかける必要があるということを深く理解できるのです。
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