まだ社会人経験すら浅い時代に、筆者はデジタルマーケターとして、とある部署に配属されました。
そこは主に広告クリエイティブをつくる部署で、とにかく大量のクリエイティブを作ってはテストした覚えがあります。
またランディングページをはじめとするWEBサイト改善も、広告クリエイティブほどスピード感はありませんが、やはり多くのABテストを繰り返してCVRを改善する仕事もありました。
その後は何度か部署異動があり、プロダクトの開発に携わったこともあります。
今回はそれらの経験の中で、リサーチサービスを活用した3つのシーンから、リサーチがなぜ重要であるかをお伝えしたいと思います。
リサーチサービスの活用シーン(3つ)
では、筆者の経験を軸にリサーチサービスの活用シーンを3つほど挙げます。
クリエイティブ改善におけるリサーチ
まずは広告クリエイティブの改善におけるリサーチです。
ABテストを繰り返して定量的なデータを大量に集めると、多くの場合はだんだんと新しい打ち手がなくなってきます。
例えばバナーなどは、フォーマットがほとんど規定されていますし、その決まったフォーマットで新たな発想を生み出し続けるのは難しいものがあります。
ただ、顧客のインサイトに気づくことができれば、まったく異なるアプローチでクリエイティブをつくることができます。(実際はそう簡単な話ではありませんが、わかりやすくするために、すこし簡略化しています。)
そして、顧客のインサイトを知るために何をすれば良いかと言うと、それはもう顧客に直接聞くしかないのです。つまり、リサーチサービスを活用します。
ポイントとしては、定量的なデータの方が集まるスピードが早く、改善のPDCAも早く回せるので、まずは定量的なデータで改善を繰り返し、手詰まりを感じてきたり、新たな展開が欲しい時に定性的なデータを集めることです。
Webサイト改善におけるリサーチ
Webサイトも広告クリエイティブの改善と本質的には同じですが、ユーザビリティが関わってくる点は異なります。
特に気をつけてないとならないことは、作り手である私たちは比較的ITリテラシーが高いものの、必ずしもユーザーはそうであるとは限らない点です。
私たちの勝手な思い込みで使いやすいように作られたWebサイトに、時にユーザーにとって使いづらい要素があるケースは往々にしてあります。
その点も、リサーチサービスの活用であぶり出すことができます。
プロダクト開発におけるリサーチ
プロダクト開発はすこし性質が異なります。かの有名なヘンリー・ フォード氏は、「もし顧客に望むものを聞いたら、 『より速い馬が欲しい。』と答えただろう。」と言ったといいます。
つまり、車を知らない顧客に欲しいものを聞いても、車は生まれないと言うことです。
プロダクト開発におけるリサーチで大事なことは、顧客の声を鵜呑みにするのではなく、あくまで顧客のインサイトを知るために実施するということです。
この点をよく理解していれば、顧客に対するクエスチョンが変わってきます。
インサイトを知るために必要なクエスチョンを探すことこそ、リサーチで成果をあげる秘訣でもあるのです。
リサーチの重要性とは?
ここまでリサーチサービスの活用シーンを3つ見てきましたが、なぜリサーチが重要なのかをイメージできましたか?
ここで参考までに、すこし別の世界をのぞいてみると・・・研究の世界では特に、「サーベイ(調査)が重要だ」と言われます。
自分が行う研究はすでに先人が研究しているのではないか?
もしくは、近い研究があるのではないか?
あるいは、他者の研究をサーベイすることで、今の世の中が何を求めているのか?
そのようなことを事前に知る必要があります。この「事前に」というのが非常に大事で、論文を書くというアクションをとる前にサーベイをすることで、自分が書くべき論文像が見えてくるのです。
これは、マーケティングにおいても同様です。顧客の声を聞くことで、次にとるべきアクションが見えてきます。データは、それを取得することが目的ではなく、そのデータを活かして未来のアクションを決めるためにあります。
特に定性的なデータを集める上で有用なリサーチサービスは、未来のアクションを決めるために、非常に重要なものなのです。
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