時が経つのは早いもので、2018年の展望を年始に書き記してから、すでに半年以上が経過しました。
その際は「コミュニティ」を一つのキーワードとして挙げましたが、やはり予想通りに多くのコミュニティが立ち上がっています。
今回は、2018年も8月になり、改めて今のマーケティングを俯瞰してみると、マーケティングという概念そのものも、過渡期にあると言えませんか?
そこには3つのジレンマがありそうです。
もはやマーケティングなのか?
マーケティングを考える上で、かつて重要視されていたのはCPAでした。
つまり、新規顧客をどれだけミニマムの予算で増やすことができるかを、私たちマーケターは重視していたのです。
しかし、ECビジネスの競合は増え、似たような商品が増えていく中で、CPAではなく、かねてから大事だと言われていたLTVをようやく注視するようになりました。
つまり、マーケティングをする上で「顧客の継続性」が大事であると気づいたのです。
LTVを伸ばそうとすると、ただ新規顧客を増やすのではなく、顧客が継続して商品を購入したり、サービスを利用したりすることが求めれられるので、深さを求められます。
しかし、従来の方法で予算を使い続ける必要もあるので、ある程度は広く露出することが必要だというジレンマもあります。
この深さと広さを同時に求められるのが、今のマーケティングだと言えます。
情報過多社会ですが・・・
顧客に情報を届けるためのチャンネルは増えました。
SNSというプラットフォームだけとっても、何種類もあります。
つまり、現代において顧客が得る情報はとてつもなく多いのです。
しかし、顧客が得られる情報には限りがあり、それが急に増えていくことはありません。
顧客は情報の質から取捨選択をして、不要な情報は遮断します。
情報発信者である企業は、ある程度の量の情報を発信しつつ、質も担保しないとならないというジレンマを抱えています。
カルチャーを醸成するために必要なブランディング
以前、マーケティングとブランディングについて、このようなことをお伝えしました。
マーケティングは「顧客を見つけ(創造し)、PDCAを回しながら顧客の状況を確認し、商品やサービスを改善する、これによって利益をあげること」としました。
一方で、ブランディングは「カルチャーそのもの」だと言われていますね。
ブランディングを「人々が企業・商品に抱く良いイメージを醸成すること」だと考えると、そのためのカルチャーが育まれるには時間がかかりそうです。
ビジネスを促進していくマーケティングに比べて、時間をかけて醸成し、育んでいくブランディングは長期的な視点を持って臨む必要があり、そういった意味では時間軸には大きな違いがあると言えるかもしれません。
この言葉に従うと、スピードが求められるマーケティングに対して、カルチャーを醸成していくために時間が必要なブランディングという見方ができます。
実際、ビジネスライクな視点でブランディングを観察すると、利益に直結する様子が見えにくいため、ともすれば「不要だ。」という結論に陥りがちです。
この点、2018年においては多くのマーケターがブランディングの重要性を理解していますが、従来のマーケティング活動を捨てられるものではありません。
それらは両立していくものなのです。そこは、どれくらいのリソースや予算を、どちらにかけていくのかといった悩みがあり、それはマーケターにとっては一つのジレンマだと言えます。
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