ITPについて多くの記事がネットにアップされていますので、きっとわかりやすい解説を読んで知識を深めている方も多いと思います。
技術的なことは難しいと感じても、しっかり基本をおさえることと、自分の仕事にどのように関わるかを把握することは、依然として重要なことですよね。
今回はITPがWEB広告運用に与える影響について考えたあと、広告各社のITP対応を見ていきたいと思います。(初心者向けに非常に簡単な内容となっています。)
ITPでWEB広告運用への影響は?
電通が発表した「2016年(平成28年)日本の広告費」には、以下のように書いてあります。
インターネット広告媒体費 1兆378億円(同112.9%)
(中略)
・このうち運用型広告費は、7,383億円(同118.6%)
この数値を元に計算すると、今やWEB広告の7割以上を運用型広告が占めます。
しかしITPの影響で、運用型広告が使うCookieは今までのように機能しなくなるため、ターゲティングの精度が落ちたり、フリークエンシーのコントロールが難しくなったりする可能性があります。
これは今まで通りに運用していても、運用型広告の成果が下がってしまう可能性も内包しています。広告全体の費用のうち7割を占める運用型広告が影響を受けるので、インパクトは決して小さくありません。
またそれだけではなく、例え成果が出ていたとしても、コンバージョンを正しく計測できるかはまた別の問題です。この点を次の章で見てみましょう。
ITPのWEB広告への影響は?
前章ではITPの運用型広告への影響について触れましたが、以下の2つも想定される影響です。
- リターゲティング広告は、3rd Party Cookieが機能しないため、リターゲティングできない。(ユーザーを追いかけられない)
- 広告計測ツールは、3rd Party Cookieでの計測が実質できなくなるため、正しいコンバージョンが得られない。
このようにITPの広告への影響は、無視できるほど小さくはありません。
ITP以前に広告運用の本質を考えるべき?
ただ、もともと管理画面のコンバージョン件数は、100%完全な実数ではありません。もちろんテクノロジーの進化とともに、広告の効果測定は精度を上げています。
限りなく正確な数値を計測していると言いたいところですが、本来は商品(モノ)を売っているECであれば、出荷して売上が計上された個数が実数であり、何らかの理由で管理画面の数値と100%一致しないこともあります。
私たちマーケターは、WEB広告を運用することで「コンバージョンを増やす」「LTVを伸ばす」という目的を達成して、実際に事業の売上を上げていかなくてはなりません。
ITPの問題はありますが、その本質は変わらないはずです。
本当に大事なことは、本質を見失わずにブランドのファンを増やしていくことではないでしょうか?
ITPを受けて広告各社の対応は?
それでは最後に、ITPを受けて広告各社がどのように対応しているのかを見ていきましょう。
・・・と、ここに情報を簡単にまとめたいと思い、調査したのですが、国内で主だった発表があったのはSupership社の「ScaleOut DSP」だけでした。(2017年10月現在)
「ScaleOut DSP」は3rd Party Cookie方式で広告計測していましたが、ITPを受けて1st Party Cookieでの計測方式に対応を開始したとのことです。
本機能はすでに一部の広告に対してトライアル提供を開始しており、10月の中旬までに「ScaleOut DSP」を通して配信されるすべての広告へ提供を行う予定です。
なお、計測には広告の遷移先となるWebページに専用のタグを新たに設置する必要があります。
出典:「Supershipの「ScaleOut DSP」、 最新Safariブラウザのトラッキング防止機能(ITP)に対応」
上記のようにありますから、この記事が世に出る頃には対応が進んでいるでしょう。運用担当者は、自社ないしはクライアントのWEBサイトにタグを埋め込む作業が発生するようです。
Supership社以外の各社の対応状況は、今後気になるところですね。Googleアドワーズについては、別で記事を書いているので参考にしてみてください。
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