AppleがITP(Intelligent Tracking Prevention)に関する発表を行って以来、アドテク業界に限らず関係者各位に衝撃が走る今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
ITPに関して様々な噂や憶測が流れる中、至急の対応に追われる方も多いと思いますが、まずは正しい事実関係を確認することが大事です。
・・・とはいえ、ネット上の記事はどれも難しい用語で溢れていて、(どれが正しいのか?)の以前に、読み解くことすら難しいと思いませんか?
今回は、ITPを知る上で重要なトピックの中から、主にcookie(クッキー)やinteractionについて、「間違いがちなこと」をなるべく簡単な言葉を使ってお伝えします。
ITPの正確な情報はどこに?
まずはITP(Intelligent Tracking Prevention)を知る上で、真っ先に確認すべき正確な情報源をお伝えします。
まずは、SafariのWebエンジン「WebKit」のブログから、ITPの基礎情報を学びましょう。
出典:Webkit「Intelligent Tracking Prevention」
基本的な情報はすべて載っていますし、何よりApple社が発信するオフィシャルな情報なので、一読することをオススメします。
続いての情報源は、ITPの開発者であるJohn WilanderさんのTwitterです。
Noteworthy aspect of Intelligent Tracking Prevention: It classifies tracking ability on-device => finds new trackers as they come to market.
— John Wilander (@johnwilander) 2017年6月7日
ちなみに先ほどの「Intelligent Tracking Prevention」も、John Wilanderさんが書いています。
どちらも英語であることが難点ですが、「正確な情報」であることを重視するならば、この2つを確認すること、ないしはこの2つを引用したり出典元にしている日本語記事を参考にするのが良いでしょう。
ITPの起点になるinteractionとは?
では、少し踏み込んだ内容に入ります。
ITPのことを調べると、繰り返しinteractionという単語に出会うかと思います。
この単語はもともと「相互作用」「交流」といった意味を持ちますが、ITPに関する話では、どのように使われているのでしょうか?
ここに「Intelligent Tracking Prevention」で使われている図があります。
この図は、あるドメインがトラッカー判定された場合、Cookieがいつまで有効なのかを表しています。(トラッカー判定の詳細はここには書きませんが、Apple社から「このドメインはITPの対象なのか?」を判定されることだと考えてください。)
図の下部に、「Days after the most recent interaction with the website.」とありますね。「Webサイトに最後のinteractionがあった時点からの経過日数」といった意味です。
なので、interactionが起点になって「0 days」「1 day」「30 days」といった日数が決まることがわかります。
interactionは「cookieが付与されたこと」ではない?
それだけinteractionが何を指すのかは重要なことですが、一部のサイトではinteractionを「cookieが付与されたこと」と見なしています。
しかし、これは間違いです。
正しくは、ユーザがそのドメインを訪問して、サイト上でした「クリックやフォーム入力といった操作」のことをinteractionと言います。
Intelligent Tracking Prevention collects statistics on resource loads as well as user interactions such as taps, clicks, and text entries. The statistics are put into buckets per top privately-controlled domain or TLD+1.
出典:Webkit「Intelligent Tracking Prevention」
ご覧のように、Webkitにも明記されています。(such as taps, clicks, and text entries.の部分です。)
ここでinteractionについて整理すると、このようになります。
- リダイレクト → interaction ではない
- サイト表示のみ → interaction ではない
- サイト表示+クリックなど → interaction とみなされる
そしてもう一度「Intelligent Tracking Prevention」の図を出します。
この点も大事なのですが、アクセスしてきたユーザーのinteractionがない場合は、ドメインのcookieは24時間待たずに使えなくなるので、ご注意ください。
さてITPを正しく理解する上で、今回お伝えしたことは間違いがちなことであり、同時にとても重要なことです。
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