「Webマーケティング」を展開する上で、「ブランディング」を無視するわけにはいきません。
2017年の今、企業が考えなくてはいけないのは、ただ広告を使って顧客を増やすことではなく、顧客をファンにしていくこと。つまりブランディングです。
これはマーケティングの視点に立った時も、欠かせないことではないでしょうか?
マーケティングとブランディングは、それぞれ異なる言葉で語られる以上、同じものではないのです。
エビスマーケティングカレッジでは過去に、マーケティングとブランディングの違いについてお伝えしたことがありますが、今回は従来のWeb広告の考え方と比較しつつ、なぜブランディングが重要なってきたのか、ブランディング広告の目的はいったい何かといった点を見ていきます。
今こそ注目すべきブランディング広告
従来のWeb広告は、クリック率とランディングページのCVRを高めることで、いかに効率よく、かつ費用対効果が高い顧客を獲得するかが重要だとされていました。
クリエイティブを大量に作り、PDCAを回し続けて顧客を増やすことで、CPA(一顧客あたりの獲得単価)を抑え、事業を成長させていこうとしたのです。
そのため、CPAを念頭においたWebマーケティングでは、いかに低単価で顧客を増やすことができるかといった発想につながりがちです。
出典:woman hands with laptop notebook and computer tablet phone with online shopping
しかし、それでは長期的な視点で事業を見たときに、継続的に利用してくれる優良顧客は全然いなかった・・・などといった結末を迎えかねません。
時は経ち、EC業界は大きな変化を迎えています。Web広告のクリック率は低くなる傾向がある一方で、EC化率は年々上がり、競合ECサイトが右肩上がりに増えました。
今までのようにWeb広告の良し悪しをCPAで判断するだけでは、顧客を増やしてもLTVが上がらず、長期的な事業成長には繋がらない可能性があります。
そこで必要になるのがブランディング戦略であり、ブランディング広告です。
ブランディング広告の目的とは?
では、ブランディング広告の目的は何でしょうか?
ブランディング広告の目的は認知拡大やブランドへの理解度を上げることや、ブランドメッセージを届けることなどであり、獲得といった直接コンバージョンではありません。
そのためマス広告においては、古くからブランディング広告といった概念はありましたが、Web広告では主に獲得が重視されてきたため、ブランディング広告はどちらかと言うと後回しになりがちでした。
もともとブランディングにWeb広告を使うのは、多額の予算を用意できる大企業が多かったものの、近年では高まるブランディングの重要性を受けて、動画やテキストなど、様々なコンテンツを駆使してブランディング広告を作る企業が増えてきています。
ECビジネスに求められるブランディング広告の役割
本来であれば、ECビジネスはコンバージョンまでにユーザーが経験する遷移をなるべく少なくしようとします。
つまりサイト、ないしはランディングページに流入した後に、カートに商品を入れて、コンバージョン(購入)に至るまでを、ユーザビリティー高くスムーズに、短時間で進めようとするのです。
その方が、ユーザーの離脱率を抑えることができて、CVRを上げることができますよね?(そのために、なるべくページの遷移数を少なくしたりフォームの入力箇所の数を少なくしたりと、あらゆる工夫をします。)
しかし、ブランディングの視点から考えると話が変わります。
ブランドのことを認知してもらうだけではなく、理解を深めて好きになってもらうためには、ユーザーとは適切な範囲内でなるべく接触時間を長くとり、その中でブランドからのメッセージを届けることが重要なのです。
出典:Romantic concept with man holding white rose and ring making marriage proposal
その点、ブランディング広告は動画やテキストなどでユーザーにストーリーを届けることができます。ユーザーが途中で離脱しないように、面白いと感じる企画や次の展開が気になるような工夫を施し、ユーザーとの接触時間を確保することで、本当に売りたい商品・サービスへの関心を喚起していくのです。
ユーザーがコンバージョンしてくれることは、事業者としては一つのゴールです。しかし、商品を初めて購入してくれたからといって、それで終わってしまってはLTVは伸びません。
基本的にECビジネスはLTVが伸びないと投資回収ができないため、それでは事業の成長が見えないのです。
だから、本来のゴールはユーザーが継続的に使ってくれることであり、そのためにはブランドのことを好きになってもらったり、商品を気に入ってもらう必要があります。
これからのECビジネスの事業成長を考えると、ブランディング広告のようなアプローチは不可欠ではないでしょうか?
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