ブランドの立ち上げ経験がある方、自らブランドを0から作った方は、ブランド名の決め方に頭を悩ませたことがあるはずです。
わかりやすい名前にしたいと思うものの、自分が作るものです。
こだわるなと言われても無理があります。
ブランド名は、一度決めたら簡単に変えることはできません。候補をいくつかに絞ってからも、最後の最後まで悩むものです。
今回は、そんな悩ましいブランド名の決め方にフォーカスを当てて、実際に悩みに悩んだ経験がある筆者から、4つのTIPSをご紹介したいと思います。
ブランドとは結局、名前?
最初に結論から言ってしまうと、ブランド名に絶対的な良い or 悪いはないと思います。
ブランドの創業者がつけた名前を、他人が違う名前の方が良かったと言っても説得力はありませんし、シュイナード・イクイップメント社がパタゴニアに名前を変えたからブランドとして成功したなんて、言い切れるものではありません。
しかし、ブランドを語る上でブランド名が重要なことは火を見るよりも明らかです。
「ブランディング22の法則」の中で、著者はこう言います。
あなたが行う最も重要なブランディング上の決定は、自分の商品やサービスへの命名である。というのは、ブランドとは結局のところ名前だからである。
エビスマーケティングカレッジでも、過去に何度もブランドとは何かについて考えてきました。
ブランドとは顧客のイメージであり、「ブランディング22の法則」の著者はその本質を理解した上で、顧客のイメージを代表するものとして、「ブランド名」を挙げているのだと筆者は思います。
それだけ、ブランドにとって名前の決め方というのは重要なものなのです。
ブランド名は読めることが大前提
では、何を優先して名前を決めていけば良いのでしょうか?
もし今、あなたがまさにブランド名を決めようとしているなら、様々な候補が挙がっていることでしょう。
きっと、どれも良いものだと思います。ただ、あなたに伝えたいことが一つあります。それは、「顧客は最初、あなたのブランドに毛頭興味がない。」ということです。
出典:Displeased beautiful girl standing not interested while he is cute boyfriend in love holding rose.
もちろんこれからの努力が実を結べば、多くの人があなたのブランド名を認知するでしょう。多少、難しい読み方だからと言って忘れることはないでしょう。
Abercrombie & Fitchが「アバクロ」と呼ばれるように、うまく省略した呼び名を見つけてくれるかもしれません。
しかし、ブランドが産声を上げてすぐのタイミングで、顧客に高い関心を求めるのは酷なものがあります。
だからこそ、ブランド名は読めることが大前提です。
「無印良品」が海外展開した時に、「MUJI」になったのも、そういった理由があるのではないでしょうか。
ブランド名は体を表す?
ブランド名を決める時の一つの方法として、「それが何であるかを名前に入れてしまう」というものがあります。
出典:Cold soda iced drink in a glasses – Selective focus, shallow DOF
例えばコカ・コーラはコーラですし、ハードロックカフェはロックを聴きながらハンバーガーを食べられるカフェです。
つまり、名は体を表すということです。
これはブランドがまだ世に知られていない時に、特に有効な方法かもしれません。
パッとブランド名を聞いただけで、それが何なのかがイメージできると、顧客に認知されやすい強みがあります。
陳腐な名前をつけるなら
しかし、わかりやすい名前だからといって陳腐な名前をつけても仕方がありません。(たいていの場合、ブランド名を思いついた人は、自分の頭の中で考え抜いたブランド名を陳腐ものだとは思っていませんが・・・。)
「ブランディング22の法則」で著者はゼロックスの例を挙げてこう言います。
それでいてマーケターたちは名前の重要性をしばしば軽視する。「本当に大切なのは商品そのものであり、商品が顧客や見込客に提供するベネフィットである」というわけだ。
そこで彼らはペーパーマスターの如き総称的な名前を持ち出してくる。「ゼロックスなんてそもそもどんな意味がある?無意味じゃないか。そこへくるとペーパーマスターといった名前は優れたコピー機のベネフィットを伝えてくれる名だ。
ここで挙げたペーパーマスターという名前を、著者は「大失敗」と後述します。
ペーパーマスター・・・確かにコピー機のブランド名としてはわかりやすいものがあります。しかし、陳腐です。
これは非常に悩ましい問題ですが、ブランド名を決める時は、簡単で読みやすくてわかりやすく、そして陳腐ではないブランド名を探して決めなくてはならないということです。
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