電通の発表によると、2016年の総広告費は6兆2,880億円で前年比101.9%でした。
5年連続のプラス成長ではありますが、その伸長は僅かです。
マスコミ四媒体広告費は、2兆8,596億円で前年比99.6%とマイナス成長を記録し、一方でインターネット広告費は1兆3,100億円と、初めて1兆円を超えて113%の成長を見せています。
これは総広告費が微増の状況下でインターネット広告費のみが伸び続け、デジタルマーケティングにおける顧客の奪い合いが熾烈を極めていることを意味しています。
ECビジネスを展開する事業者にとって、この状況は無視できません。
必然的に新規顧客を獲得するためのコスト=CPAが悪化していくことが予見されるからです。このような状況において、これからどのように利益を上げていけば良いのでしょうか?
今回は、少しでもそのヒントになればと、ECビジネスの仕組みを理解するための3つのTIPSをお伝えいたします。
1. ECビジネスが利益を上げる基本的な仕組み
街に店舗をオープンさせれば、せめて店の前を歩く歩行者や、近くに住む住人にその存在を知ってもらうことができるかもしれません。
しかしECサイトの場合、オープンしただけでは、ほとんど誰もその存在を認知してくれません。
ECサイトは「まずは知ってもらう」という点に、大きなコストがかかります。
新規顧客の獲得のために、マーケティングに先行投資を重ねる必要があるのです。
商品を購入してもらったり、会員になってもらったりした後は、継続的に利用してもらうことでLTVを伸ばし、先行投資した分のコストを回収して利益を上げます。
マーケティングのための投資を回収しながら利益を上げていく・・・これが基本的なECビジネスの仕組みです。
2. ECビジネスにおけるCPA悪化の影響とは?
では、ECビジネスの仕組みを理解したところで、CPAの悪化がこの仕組み上どのように影響を及ぼすかを考えてみましょう。
まずCPAの悪化は、新規顧客の獲得単価が上がっていることを意味します。
つまりマーケティングのための投資額が大きくなっているので、投資額を回収するまでの期間は必然的に長くなり、結果的にキャッシュフローが悪くなります。
大きな資本力があれば、マーケティング予算が大きくなっても耐えることができます。
しかし中小規模の事業で、投資回収までにキャッシュが底をついてしまうことは、避けなくてはなりません。
CPAが悪化することは、投資回収までの期間が伸びるといった点で、事業に深刻な影響を与えると言えます。
3. CPA悪化でも利益増のECビジネスとは?
しかし、CPAが悪化しても利益が増えているECビジネスもあります。
それは、なぜでしょうか?
まずCPAの悪化が避けられない状況で事業を改善するには、顧客単価を上げるか、顧客の継続率を上げてLTVを伸ばすしかありません。
一般的にクロスセルは難易度が高く、商品の値上げもそう簡単な話ではないので、顧客単価を上げるのは難しいでしょう。
そこで必要になってくるのは、顧客の継続率を上げてLTVを高めるための「CRM」です。
おそらくメールマーケティングを行っている事業者の方は多いと思いますが、取得済みのメールアドレスに一斉送信を繰り返すだけだったり、メールの内容もセール情報やお得な商品情報のみだったりと、手が回らずに工夫しきれていないと感じていませんか?
昨今はCRMのためのツールも充実してきていて、比較的低コストで導入して成果を上げられるものもあります。
LTVを伸ばすことができれば、CPAが悪化しても利益を増やすことができます。裏を返せば、LTVを伸ばさないと、ECビジネスで利益を伸ばすことは難しいのです。
もしCPAの悪化に頭を悩ませているのなら、まずは現状を知るために各マーケティング施策を改めて効果測定することをオススメします。
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